*6.好き
「これ…あたし?」
「ううん。亜深じゃない」
「じゃ誰?」
「元カノ」
「うそ…でしょ」
「ゴメン!」
そう言うと彬はあたしに頭を下げる。
「ど…したの?」
「俺、探してたんだ。彼女に似ている女を。そして見つけたのが、亜深だった」
その言葉を聞いた瞬間ショックだからかあたしの目から涙がでてきた。
「やっ…ば止まんない…」
なぜかこの涙は止まらない。止められない。あたしこんなに彬のこと―――。
「亜深…ゴメン」
「う…ん」
「彼女に似ている亜深が隣にいると彼女が生きてるみたいで嬉しかたっんだ」
「うんっ……」
彬がさっき言った言葉のせいか胸がズキッとした。あたしは涙を拭き
「じゃ今日はこのへんで」ぐいっ
「でも!俺が亜深を好きなのは変わらない!」
「彬…」
あたしたちはキスをしました。
日がくれるまで。
―――次の日
「なーに。あんたたち急にカップルらしくなったじゃないの。どうしたの?」
「実は…キスしちゃいました!」
あたしは梢に言った。
「だからか」
「何が?」
「なんかあんたたちカップルって気が全然しなくてさ。でもいいな〜」
「?」
「あたしは初キスまだ。早くしたいのにする機会がなくてね」
「そっか〜」
「なんかあんたたちの話聞いてたらいらついてきた。あんたたちなんて隅でイチャイチャしてればいいの!」
「はーい」
「なぁ今日の亜深いつもよりすっげぇカワイイ」
「ありがと」
ねぇ、彬。
あたしは彬と付き合って4つの初めてを見つけたんだ。
初彼、初デート、初キス。
そして…初めて人をこんなに好きっておもった。
いままでありがとうございました!次回作もよろしくお願いします!