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第24話 やっぱりリア充なのは春人だけか

 その後俺達は図書室に移動をして勉強を始める。六人掛けのテーブルにそれぞれ着席した俺達だったが、並びは窓際の席の左から秋夜、進藤さん、天崎となっておりその対面には紗奈、俺、朝田さんという順番だ。

 見事なまでに俺以外は容姿端麗なため俺達のグループはかなり目立っている。そして悲しいことに俺だけ明らかにルックスのレベルが下がるため異物感が半端ない。


「なあ、春人。なんでここはNoじゃなくてYesが正解なんだよ?」


「ああ、ここは結構引っかかりやすいんだけど否定疑問文だからだな」


「否定疑問文って何だっけ?」


「あっ、はいといいえが逆になるややこしいやつだよね?」


 俺の言葉を聞いた秋夜が疑問の言葉を口にすると進藤さんがそう声をあげた。そこで俺は問題の解説を話し始める。


「そうそう、肯定的な答えなら常にYes否定的な答えなら常にNoと答えるのが英語のルールなんだよ」


「日本語とはその辺りのルールが違うから反復してなれるしかないかな」


 俺の説明を聞いた天崎がそう補足の言葉を口にした。陽キャばかりのメンバーだがこんなふうに結構真面目に勉強会をやっている。やはり倉敷市内トップの進学校なだけあるな。

 ちなみにいまいるメンバーの中では俺と朝田さんが勉強が出来る方であり、秋夜と天崎がそこそこ、紗奈と進藤さんが苦手な方という感じだ。ただし、朝田さんはあまり話さないタイプなようで俺がメインで教える側になっている。

 そんなことを考えながら引き続き勉強会をしていると手が当たって机のきわに置いていた消しゴムが床に落ちる。拾おうと机の下に潜り込もうとする俺だったがちょうど足元に落ちたこともあり朝田さんが拾ってくれた。


「はい、これ」


「ありがとう」


 俺が朝田さんから消しゴムを受け取ろうとした瞬間、横から手を伸ばしてきた紗奈がそれを取る。


「ごめん、ちょうど使おうと思ってたの。だから先に使わせてもらうわよ」


「あれっ、紗奈は自分のを持ってなかったっけ?」


「筆箱の奥に閉まっちゃったから取るのが面倒だったのよね」


「まあ、別にいいけど」


 まさに朝田さんから手渡しされる直前で紗奈が取ったわけだが、別にすぐに使う予定はなかったため問題はなかった。それからしばらくして一時休憩になったため秋夜や天崎と一緒にトイレへ行こうとしていると紗奈が話しかけてくる。


「私と席を交代しましょう」


「えっ、どうしたんだ急に?」


「ほらっ、春人って割とおっちょこちょいなところがあるでしょ。さっきも消しゴムを床に落としてたし。私が春人の右側に座った方が莉緒にも迷惑をかけずに済むと思ったのよ」


「確かにさっきも落とした消しゴムを拾わせたっけ」


 幼馴染である紗奈ならともかくただのクラスメイトでしかない朝田さんに迷惑をかけるのは申し訳ないので出来れば避けたかった。

 それに今の席順に関しても適当に座っただけなので特にこだわりもない。だから俺は紗奈と席を入れ替えれることにした。そんなやり取りをした後、俺は秋夜と天崎とともにトイレへと向かい始める。


「川口君って彼女はいないの?」


「どうしたんだよ、急にそんなことを聞いてきて?」


「普通にいそうな雰囲気だからちょっと気になってさ」


「秋夜は黙っとけば彼女くらい出来そうだけど、中身があれだからな」


「おい、あれって言うな。ぶっちゃけその通りだけど」


 冗談抜きで秋夜は簡単に彼女を作れそうな容姿をしているのに中身が全てを台無しにしている典型的な例だ。中学生の時も何度か告白されていたはずだが二次元の幼馴染にしか興味がないこいつは全て断っていた。モテない俺からしたらマジで勿体無いと思う。


「そういう(はやて)はどうなんだよ?」


「僕も今はいないかな、気になってる子はいるんだけどね」


「やっぱりリア充なのは春人だけか」


「いやいや、この中だと一番リア充から遠い位置にいるのはどう考えても俺だろ」


「あれっ、黒崎君は伊吹さんと付き合ってるんじゃないの? 多分みんなそう思ってるはずだけど」


「えっ!?」


 天崎の口から出た言葉に俺は思わずそう声をあげた。

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