表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/32

死闘はてなく①

第3章  死闘はてなく     


 アンドロメダ銀河は地球から約250万光年の彼方にある。

 アンドロメダ銀河と銀河系は時速約40万kmで接近しており、40億年後には両者は衝突し20億年かけて合体し新たな巨大銀河を成すと考えられている。

 その美しいアンドロメダ銀河の目前で戦いは繰り広げられていた。

 

 銀河連合艦隊は二連白色矮星の近くを航行する。レーダーは使用不能となる。

 フォアーロン提督の読みは当たり、敵の攻撃は半減した。しかしこちらも敵を捉える事ができない。今のうちに味方特に<スペースインパルス>の状況改善を図るつもりだ。

 スーパーノヴァボンバーの点検を依頼されたマーチンはリモートで艦外作業を行う。

 マーチン自身は機関室にいる。簡易ヘルメットによる整備用装甲兵のリモコン作業。コントロール不能にならないのは、有線での操縦だからだ。

 作業に没頭するマーチンは脅威が迫りつつあるのを気づかなかった。

 サーベル一閃。バリケードを蹴破り、サムソンは機関室に迫る。不敵に笑う。

 一方居住区を出たニコライは単身機関室に向かっていた。

 ネジの位置まで艦内は知り尽くしている。この機関長兼整備長は敵の裏をかき、敵に遭う事もなく進む。

 戦闘機隊ブリーフィングルーム。

「副隊長。<スペースコンドル>発進可能になりました」整備兵が伝える。

「わかった」ロミは立ち上がる。多くの隊員も。

「副隊長、自分も出撃させてください」キークが嘆願する。

「”シンクロ”ではない。撃たれたら死ぬぞ。敵討ちのつもりなら止めとけ」

「いえ、自分は兄の分まで生きます」

「・・わかった。来い」

 キークはロミの後につづく。


 居住区ミクロ化シティ。丘の上の学校跡。

 ガルムは望らを中心に二重の円形の陣を敷く。外の陣は銃火器、内の陣は刀剣中心だ。明とガルムは外、ボッケンとヨキは内にいる。

 リック他数名は後方の校舎で狙撃部隊としてライフルを構える。リックの銃は先程より威力のある対艦ライフルだ。殺し屋イエ―が使っていたものと同じと言えば判るだろうか。(*第4巻第5章参照)

 丘を登って来る敵の大部隊。反対側からも少数だが敵が迫る。

 ラカンはレオンを先行させる。パワードスーツの援護射撃付き。

「撃て!ここを死守するんだ!」

 ガルムの命令で一斉射撃。

 明はエスパーガン(通常光弾)を連射。陸戦隊員はビームマシンガンを連射。ガルムはビームバズーカで敵の援護射撃を妨害。

 明はレオンを次々と倒すが、他の者の弾はなかなか当たらない。

 左右に回り込まれ囲みを突破される。

 ボッケンが迎撃。向かって来るレオンを次から次に斬る。

 だが数が多い。手薄な後ろから襲われる。数名の乗員が犠牲になる。

 葵が護身用に持たされていた拳銃を発砲。当たらない。

 シャーロットは望が見ないように目を隠す。

 ふたりにレオンが迫る。

 バチッ! ヨキのESPバリアーに触れ、レオンがのけぞる。

 その一瞬を逃さず、ヨキの脳波誘導ブーメランが飛ぶ。

 命中。レオンの頭部を破壊する。

「ふう」ヨキがバリアーを解いた瞬間。

 緑色のトカゲが望を奪う。エスパー戦団現団長アルゴン。

 手よりも先に口が動いていた。ヨキは尻尾に噛みつく。

「ぎゃあー」アルゴンは思わず望を離す。尻尾は弱点だったようだ。

 ヨキは噛みついたまま衝撃波を放つ。

 アルゴンはヨキを振りほどいて逃げ出す。その視界に明の姿を確認。

「リイン様の仇!」

 我を忘れて猛攻をかける。

 空間から現れた無数の光の矢が明に向かう。リインも使った技だ。

 明は駆けながら次々と撃ち落とす。つづけて本体に向け発砲!

 片目を潰す。アルゴンは恨みの言葉を吐きながら姿を消す。光学迷彩!

 泣いている望をシャーロットが抱き上げる。

「本番前に余計なESPちからを使わせやがって」ヨキがぼやく。

 敵部隊が丘の上に到着する。ラカンの号令で敵パワードスーツの大群が攻め込む。

「もらった!」リックは引き金を引く。

 屋上から放たれたエネルギー弾がラカンを直撃する。

 ドン!ガガガガ—ン 大きな爆発が起こるが、ラカンは無傷だ。

「パーソナルバリアー?それもとびきり頑丈な奴?」スコープを覗くリックが悔しがる。

 ラカンは屋上に向けビームバズーカを発射。望以外なら重火器を使える。

 明がそれを撃ち落とす。空中で爆発。

 リックは「サンキュー」別の標的を狙う。

 次々と敵パワードスーツを撃ち抜く。

 対艦ライフルの前ではパワードスーツの装甲などおもちゃ同然だ。

 ラカンは明を睨みつける。明も負けじとがんを飛ばす。

 にらみ合いの後、同時に動く。

 早撃ちは明の勝ちだが、明の銃弾はラカンのバリアーを貫けない。

 それでも二発はピンポイントでラカンの持つ銃の引き金に命中。ビームバズーカを二つとも落とさせる。

 明は銃のパワーを上げる。連射性能は落ちるがやむを得ない。チャージ完了。

 その時、空から無数の光の矢が降る。先程のアルゴンの仕業だ。姿は見えない。

 明は避けつつ連射モードに戻す。連射で光の矢を撃ち落とす。

「(リックの対艦ライフルでも奴は倒せなかった。今の俺じゃ無理か)」

 ラカンはビームバズーカを拾い、不敵に笑いながら明を無視して再び歩き出す。

 敵部隊が迫る。50人程か。

「3・2・1・目をつぶれ!」ガルムが叫ぶ。 

 閃光弾炸裂。眩しいだけでなく一時的にレーダーも使えなくなる。

 光の中、ヨキはシャーロットたち非戦闘員を連れてテレポートした。ラカンの裏をかく。

 対ESPシールド下だが、なんとか居住区出口の近くまで飛べた。さすが準S級。

「走れ~」

 ヨキたちは出口に向け走る。

「総員、撤収―!!!」ガルムが叫ぶ。 

 残った明たちも一斉に駆け出す。丘から離れる。

 ボッケンとパワードスーツ隊は負傷兵を背負っての逃走。

 ラカンらが我に返る頃、ガルムは持っているスイッチを押す。

 ドガアアアアア――――――ン

 学校の運動場に仕掛けられた爆弾が爆発。敵兵を飲み込む。

 ふもとにたどり着いたガルムがぼそっとつぶやく。

「忍法微塵隠れ」全然違うぞ。

「はあはあはあ・・」肩で息をする明。まだ本調子ではない。 

「やった・か?」リックが合流。

 ガルムはスーツの拡大スコープで丘の上を見る。「ちっ」舌打ち。

 丘は吹っ飛んだが、ラカンは平然としている。レオンや生身の敵兵は全滅したようだが、パワードスーツも数体残っている。

「居住区内に我々と敵以外の生命反応なし」部下が報告。

 ガルムは苦渋の決断をする。それは出動時に艦長から受けた命令だった。

「遺憾ながらミクロ化シティを破棄する。総員エリアから退去せよ!」

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ