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16朝食はにぎやかです


 翌朝の朝食時。

 皆で揃って食事をするのが彼らの習慣だった。

 プリムローズもそう聞いて朝食の手伝いをしていた。今日の当番はレゴマールだった。

 良く効いてみるとレゴマールとダイルは火を扱うのが得意なので食事担当でブレディは水が得意なので洗濯担当、ピックは風が得意なので掃除担当らしい。 

 (あっ、それっていわゆる属性っていう?火竜、水竜、風竜か。すごい!)

 プリムローズは人間にしか見えないレゴマールをじろじろ見つめる。

 「えっ?俺、なにかついてる?」

 レゴマールはじっと見られて口元を拭う仕草をした。

 「ううん、何でもない。レゴマールって火竜なんだって思ったら、かっこいいなぁって…」

 「な、何だよ。いきなり。あの…ここはいいからプリムローズはパンでも運んで」

 「もぉ、レゴマール照れてるの?意外と純情なんだ」

 耳まで真っ赤にしたレゴマールはからかいがいがある。

 「なっ!いいから早く持って行けよ…」

 「は~い、他にも手伝うからね。あっ、おはようございます」

 「「おはようプリムローズ。今日もかわいい!」」

 ブレディとピックがダイニングに現れてそのあとダイルもやって来た。

 最後にアルナンドが不機嫌そうな顔でダイニングに入って来た。

 

 「おはようございます。アルナンドさん。えっ?その額どうしたんです?」

 「何でもない」ぶすっとした態度に怒りが湧いて来る。

 「アルナンドそんな言い方。プリムローズは心配して聞いてんだろう?で?どうしたんだその傷?」

 「っち!ベッドから落ちたんだ」

 「プッ!子供か?」

 「いいからほっとけ!」

 「でもなんで?治癒魔力で傷なんか治せるだろ?なに、わざとそんな傷なんか作ったって事?あっ!もしかしてプリムローズの気を引こうとして?」

 すかざずブレディにげんこつが一発!

 「はか!お前な。ここは人間の世界なんだ。竜人だからと言っていつものように傷が勝手に治ったらおかしいと思われるだろうが…ったくブレディ。そんな事もわからないのぁ」

 「でも…家の中だし、そこまでこだわらなくたって」

 アルナンドの紫色の瞳に一筋の光が籠る。頬が引き連れて大きく息を吸い込んだ。

 これはアルナンドが氷剣を吐き出すまでの仕草だ。

 ブレディはぎょっとしたような顔をして慌ててアルナンドの機嫌を取る。

 「ちょ、ちょ…アルナンド。俺が悪かった。アルナンドの言うことが正しい。うん。そうだよな。俺が悪かった。だから…」

 引きつれたアルナンドの顔がすっと元に戻る。まあ、元の戻ってからと言ってその顔も凄みのある顔なのだが…

 「わかればいいんだ。腹が減った」

 

 レゴマールが声をかける。

 「おい、いいから食べるぞ。早くしないとなくなっても知らないからな」

 それを合図に全員ががっつき始める。

 プリムローズは何の事かもわからずそんなやり取りを見て羨ましくなる。

 (いいなぁ。子供の頃を思い出すわ。私もよくカイルやローリーたちとワイワイ食事したなぁ。これから毎日たのしくなりそうね)

 プリムローズも負けないようパンに手を伸ばした。



 


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