表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

こんなはずじゃなかった。

モラハラ男が後悔する話。

被害者が時を経て加害者になってしまった話。

ある意味リアルホラー。

物語ってよりリアルって感じを目指したので、ちゃんとしたざまぁもないし、被害者は報われたとは言い難いです。


※トラウマある方や苦手な方は避けてください。


俺は50になった。

娘が妻の誕生日に贈ったという美しい花束を見ながら想いを馳せる。


娘が18で家を出てから5年。

一度も連絡はない。


当然だ。

俺がモラハラしてたんだから。


どこから狂ったのだろうか。



 ◇



娘の母、つまり妻は優しく美しい人だった。

少し精神的に幼いところがあったけど、可愛がられて育った末っ子と知って納得がいった。

俺はそんな温かい家庭知らなかったけど、自分達で作っていこうと誓ったんだ。


付き合ってから1年ほどで結婚し、その1年後娘が生まれた。

娘はかわいかった。

柔らかくて壊れてしまいそうで、そっと触ってみた。

本当に守っていこうと思っていたんだ。


だが、俺は父にされたように幼い娘を縛り付け、恩を着せるような発言を繰り返した。

娘を殴ることはなかったけど、娘の顔の横の壁を殴ったり、部屋のドアを蹴ったりした。

すっかり洗脳された娘は俺のことを大切にしてくれた。


しかし、ある時からそっけなくなった。

部屋に篭るようになった。

家を出るちょうど1年くらい前。


俺はどうしようもない怒りを感じ、部屋の襖を蹴って外すと、ビクッとして布団に包まる娘の腕を引っ張り引きずった。

泣いて懇願したって無駄だ。お前が悪いのだ。

そうだろう?

だって俺は父で、お前のために朝から乗りたくもない満員電車に乗って、お前のためにしたくもない夜勤だってしてる。

お前が望むから教育だってちゃんと受けさせた。

こんなにもしてるんだから、当然お前も返すべきだ。


本気でそう思ってた。


しかし娘は俺に伝えず家を出た。

現実を突きつけられて始めて、間違えだらけだったと気付いた。

どこから、と言えば初めから間違っていたのだろう。


だがもう遅い。

きっと娘は謝罪なんかじゃなく、関わらないことを望むだろう。






娘は父から離れて幸せになりました、とはいかない。

父のことがまだ頭にこびりつきトラウマになっている。

なんか思想強めになった。

《子供とか産んだらかわいそう!!この世は地獄!!生まれなければ苦しみもない!!》みたいな方向に。

悲劇の連鎖させないためだとか、一応色々考えた結果。今の精神状態じゃとりあえず、その判断は正解と言えるかも。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 妻は何をしていたんでしょう? 知るのが怖い気もしますが… [一言] 短くてどう評価すればいいかわからないのですが、 嫌いではないです
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ