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許せないあいつ!
とはいっても、美羽の前だから頑張って明るく見せているだけであって、本当は今もまだあの時のショックと不安が残っている。
この学校の中にその人が存在していると思うと余計に。
『 ごめん… 』 あの声!?
「 い…いやーッ! 」
ハッ!…
みんなのいる玄関前でつい叫んでしまった。
「 檸檬!… 」
『 おい!どうした!? 』
『 柚子木さん!?…大丈夫! 』
数人のクラスの人達が心配して集まってくれた。
「 な、なんでもないから、大丈夫だよ、騒いでごめんね… 」
驚くのも無理はないだろう、クラスでも騒いだり大きな声を出したりしない私が、突然叫んだりしたから…
けれど、一番気にしているのは横にいる美羽かもしれない。
「 いつもの檸檬らしくない…門限まで破るなんて、何かあったのならあたしに話して 」
美羽…
パパにもママにも言えないこと
でも、美羽になら
急に悲しくなって涙が止まらなくなった。
泣きながら美羽の胸に飛び込んだ。