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突然のKiss
黒い闇が続く無音の世界に閉じ込められていた。
これは夢なんだ、きっとそうに違いない。
全てが、と、そう自分に言い聞かせた。
……
どれだけの時間が過ぎたのだろうか
頬に伝わる冷たい感触で目が覚めた。
悲しいけれど現実の中での出来事だと思い知らされた私は、地べたから立ち上がった。
『 バシッ!!! 』
無意識のうちに男性の頬を叩いていた。
しばらく沈黙が続く中、私は男性を睨み続ける。
……
「 これには… 理由が… 」
「 ゆるさない 」
「 ごめん… 」
「 絶対にゆるさないから 」
相手の顔は暗くて見えないけれど、月の光に照らされた校章だけがハッキリ輝いた。
南……台…
私は逃げるようにその場所を立ち去った。