縦書きと横書きの相性
書き方の向き不向きの話
まず始めに、私は縦書きができません。
いきなり何を、と思う方もいるかもしれません。
縦書きが出来ないなら横書きをすれば良いじゃないか、と思う方もいるでしょう。
――――――
詳しく説明します。
これをご覧になっているみなさんは読む専門ですか?
それとも小説を書いていますか?
あるいは物語を紡ぎたい気持ちはあるけど、書けずにいますか?
誰しも一度は長い文章を書いたことがあるはずです。学生時代の作文、読書感想文、小論文などが主な例ですね。
これらが苦手な方、苦手だった方、逆に得意な方、得意だった方
私は苦手でした。
どうしても書きたいことが思い浮かばず、思い通りの表現ができず、何度も諦めた経験があります。小学校の頃に夏休みの宿題で課される読書感想文、今だから言えますが何度も未提出で乗り切りました。
家に忘れたと言い二日ほど遅れ、その次の日は学校を欠席し、休み明けにまた忘れたと嘘を吐く。本当は、途中で投げ出した書きかけの原稿用紙が鞄に入っているのに。
そうしていると週末が訪れ、また休みになります。
次の月曜日にはもう何も言われなくなりました。呆れられたのか、見逃して貰えたのか、今となっては知る由もありませんが……。
こうしてニ三度、読書感想文という脅威を乗り越えました。
こんな手段が通用するのは小学校だけで、それ以降は真面目に向き合いましたが苦痛でした。
社会人になると原稿用紙に向き合うことがほとんどなくなりました。報告書や資料はパソコンで作成することが主になっているからですね。
そんな折、ふとなろうを読んでいて考えつきました。
「そうだ、何か書いてみよう!」と。
思い立ったが吉日ということで、スマートフォンにテキストを入力できるアプリを入れ、早速文字を入力してみました。
デフォルト設定が縦書きになっていたのですが、入力した文字を見て、寒気と不快感が体を襲いました。
この違和感の正体は何か――
そう、「縦書き」だったのです。
このとき、一つ疑問に感じたことがあります。縦書きの本や新聞を読んでも、これまでにこんな感情に陥ったことがなかったことです。
ふと過去を振り返ってみると、あの読書感想文の一件が頭をよぎりました。
「そういえばこれまで苦痛だったものは縦書きのものなのではないか?」
そう考えるとしっくりきました。
縦書きの文章を読むことは容易でも、書くことは困難であると。
ハガキの住所や宛名程度なら問題はありませんが、長文を書くことは難しいようです。
――――――
もし、これをご覧になっている方に「文章が書けない」と感じていらっしゃる方がいるのなら、一つ提案をしたく思います。
縦から横に
横から縦に
文字を書く方向を変えてみるのはいかがでしょうか。
自分に適した書き方を探してみていただけると、嬉しく思います。
最終的に、一旦紙に書いてから入力という形に落ち着きました。