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銃を持った猟犬  作者: 谷津 鴻
9/10

謁見

シトラ邸 応接室


「遠くからよく来てくれた。私がローズ・ムン・シトラだ。」


正門の衛兵に手紙を見せ、2人言われるがままにこの部屋に入った。まさか本人がいるとは思いもしなかった。いや、警戒すべきか。わざわざ、話す時間を割いたのだ。何か重要な話なのか。


「お初にお目にかかります。ルガルと申します。」


如何にも将軍家の風格を纏った女性に一礼する。年は想像していたより若そうだが、明らかに年上だ。


「なぁに。そんなに固くなるな。ヴェルもご苦労だった。元に戻って良いぞ。」


「へ?」

なぜヴェルの事を? 元に?

いろんな可能性が脳内を駆け巡り思案する。最終的にルガルの思考が停止した。


「はーい。」


ヴェルは返事をした。

身震いをして身体を震わせると尻尾が消えた。犬耳はサラサラの髪に変わり、人間の耳がひょっこりと生えた。あと、心成しか。いや確実に胸の膨らみが大きくなった。


「改めまして。ヴェル・ファイ・セイルです。どお?びっくりした。」


ヴェルの声が軽く放心していたルガルを現実に引き戻す。目を擦るが現実だ。これは質問せざるを得なかった。


「えっと、その...これはどういう..?」


「ヴェルはお前を監視そして護衛して居たのだ。」


「と、いうのは?」


「単刀直入に言うと試練だ。軍に相応しいか。そして、ヴェルの(つがい)として相応しいかの。機密保持能力も高いようだな。ヴェルの質問も上手くはぐらかしていた。」


質問?あれか。魔樹についてよく質問して来たのは。


「ん?聞いていたのか。どうやって。初日、ヴェルの身体を洗った時そんなものは… 耳か?いや、洗ったな。隅々まで洗ったはず。他に洗ってない所なんて…」


「ハッハハハハ。君面白いなw 彼女を見てみろw」


言われるがまま隣を見る。ヴェルは机に突っ伏していた。髪で顔を見ることは叶わなかったが、背中がプルプルと震えていた。


「睡眠魔法をかけていたから何もしらなかったんだなw 私は聞こえていたぞ。無言で洗う音が。」


「一体、どこに盗聴器が?」


魔樹の森で使えるのだから非魔力依存の道具と推測する。


「耳だ。もちろん外からは見えない。彼女は魔法で耳の形が変わっていたただろう。それによって上手く隠せたのだ。」


なるほど納得。


「この前の貴族の奴も試練だったんですか。」


「違う。全くの想定外と言うやつだ。ヴェル、お前ならバレずに魔法で倒せたろうに。」


「あの時は何故か上手く使えなくて…」


「あの…これで試練は終わりですか。それに(つがい)って何ですか? まだ軍に入ると決めたわけでは…」


「いや、今日が最後のテストだ。私と戦え。仮に君が勝てたなら、選択の自由をあげよう。」



しばらく休みます。

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