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銃を持った猟犬  作者: 谷津 鴻
8/10

能ある鷹

ちょっとしたバトルシーン?があります。

「僕の彼女に手を出さないで頂きたい。」

なるべく丁重に断ったつもりだったが、どうも効果は無かったようだ。


「俺に逆らうとは良い度胸だ。やってしまえぇ!」


複数の私兵が長槍を突きつけてくる。

彼らからすれば、この距離で相手は魔法でも使わない限り攻撃できない。仮に使われたとしても魔法不正使用で治安部隊に連行される。負ける余地はないということ。


私兵らは一斉に突貫した。


銃声が響く。


長槍が落ち、私兵らが手を押さえ呻く。


この一瞬の出来事に民衆も目を疑った。

ルガルはコートの中から撃ったため、周りから見たら何が起きたかは分からない。それこそ魔法を使ったと思っただろう。


「・・はっ。馬鹿め。この街で魔法を使うとは。」


いち早く言葉を取り戻したのはスダムだった。余裕の中に焦りの滲む声。銃という存在を知らないのだろう。


「あなたも魔法を使えば良いのでは。使わないのであれば、次は貴方の鼻孔を1つに繋げてあげましょうか?」


「くっ、、 お前は少々痛い目を見たほうが良いようだ。」


スダムは牛車から降りた。頭上にサッカーボール程の火球が5つ現れた。いつの間にか2人の周りからは人が居なくなっていた。


「喰らえぇぇ!!」


火球が2人に向かって飛んでいった。ヴェルはどうすることもできずルガルにしがみつく。

が、火球は2人に接触する前に消滅した。


「馬鹿なっ!」


スダムは繰り返し火球を打ち続けるが結果は変わらない。スダム、観衆、ヴェルさえも何が起こったのか分からなかった。


観衆の1人が、にいちゃんスゲェぞ。と囃し立てる。それにつられもう一人。また一人と。観衆から拍手が飛び交う。


スダムは怒り狂った。先程よりも数倍大きな火球を両手に抱えた。逃げ惑う観衆。それに乗じて、ヴェル達はその場を後にした。


突然空から巨大な雨粒が投下され、火球はすぐさま鎮火された。

直後、黄色い髪の青年が空から軽やかに降り立った。


「はーい。治安課でーす。大人しく投降してくださーい。」


西洋建築には似合わぬ和風の角袖を羽織り、袴をはいている。

治安課の制服だ。


「魔法不正使用でスダム・サタ・トゥルーエ。あなたを現行犯逮捕します。」


青年はスダムに手錠を掛け連行する。


「待った!なんで俺だけなんだよ。彼奴も同罪だろっ。」


だが彼は真っ当な理由を持って否定する。


「観測された干渉波は貴方のもののみでしたが。」


スダムは納得がいかないようで抵抗を続ける。手錠には魔封じの効果があるため魔法は使えないが。

まだ何か言いたいようだ。口を開きかけた時、空からまた何かが降って来た。


「シーノールゥ〜〜」


スダムは避けることができず。そのまま下敷きになった。


「ライ。遅い。」


「犯人はいずこ?」


「今お前が踏んでる。」


降って来たのは角袖を羽織った少女だった。


「おっとこれは失敬。」


ライはサッと飛び退く。

「うっ、、、」

手錠のもう1つの効果。簡単には死ねない。罪人の自殺を防ぐ目的がある。


その後、治安課の彼らはスダムと私兵を牛車に積み、帰っていた。



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