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銃を持った猟犬  作者: 谷津 鴻
7/10

王都到着

森を離れ、慣れない感覚に襲われる。

ルガルとヴェルは王都の手前までやってきた。街に入ると地面が石畳になっているらしく馬が嫌がるとの事。馬車から降り、地に足をつけた。

馬車が帰っていくのを見送り、2人は吐いた。

2人の思うことは一致した。

「「馬車ってあんなに揺れるの?」」


尚、ルガルはもう1つ言いたいことがあった。王都で...嘔吐…


<><><>


王都は火口の南側にある王宮を中心とした同心円状の三つの壁で3エリアに分けられている。

中心から

第一エリア:王宮(1級貴族領)、

第二エリア:2及び3級貴族領、

第三エリア:貴族領、

といったところだ。また、それが東西南北に分かれ、貴族によって統治されている。



噂では聞いていたが第三エリアの貴族というのは本当に横暴らしい。


「おい、クズども!道を開けろ!そしてひれ伏せ!」


怒号を発するのは貴族の私兵らしき者。


「スダム・サタ・トゥルーエ様がお通りになると言っているのだ。」


道を開けるのが遅れた子供が蹴飛ばされた。


ルガルには助けたい気持ちはあるが、自分が出ていってもただやられるだけだと出ていくのを躊躇う。それに貴族に逆らうと面倒事にしかならない。

仕方なく道の端で頭を下げた。


スダムとやらを乗せた牛車が2人の目の前で止まった。


「そこの獣人。顔を上げろ。」


牛車の上の太った男が呼んだのは獣人、つまりヴェルのことだ。

ヴェルは渋々と体を起こした。


「ほう、なかなか可愛いじゃないか。俺の館で沢山可愛がってやろう。」


私兵の一人が近づいてくる。


「、、です。」


「何か言ったか?」


幸運にもヴェルの声はスダムの耳には届いていなかった。しかし、ルガルの耳には「嫌です。」と、しっかり聞こえていた。


ヴェルは大きく息を吸い、復唱しようとする。


「いy」

ルガルはそれを手で遮った。

ルガルは立ち上がった。殺意とか敵意とか何も発せずに。


「僕のに手を出さないで頂けます?」


なんだ貴様は。と私兵は怒鳴るが視線は真っ直ぐスダムを睨む。それに対し怒りを抑えながらの返答が来た。


「そいつは貴様の奴隷か?だが、隷属の首環はどうした。」


首環を付けとくべきだったかと後悔する。

いや、首輪があったとしても無理矢理にでも奪いにくる。


「すみません、少し言い方を変えましょう。

僕の彼女に手を出さないで頂けませんか?」



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