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銃を持った猟犬  作者: 谷津 鴻
4/10

手紙

黄昏時。月が南中した。


「この首環つけてないとダメ?」


ヴェルは不満そうな顔でルガルを見上げる。昨日から度々首環を弄っていたが、ついに我慢の限界のよう。


「二人きりの時なら外してても良いよ。でも、出かける時は付けといて。」


というのも、親族のいない人が親戚の子を預かったという言い訳を使えるわけがない。かと言い、事実をそのまま伝えて、噂の風で軍に何かと文句をつけられるのも厄介だ。ならば、奴隷を買ったと言ったほうがよっぽど楽だ。

このことを伝えると、ヴェルは首を傾げて考え込んでしまった。


コンコン。玄関の戸がノックされた。

「ルガル殿は居られるか!」


この口調、軍人だ。

しかし、ヴェルのことを知っているのはキリクくらい。


待ってろ。と声をかけ、戸を開けた。


渡されたのは手紙だった。男は手紙を渡すなりすぐに帰っていった。

高級羊皮紙の封筒。断れる内容ではないことは分かった。その場で封を開ける。


〜〜〜


次の満月の日、王都 シトラ邸に来い。


ローズ・ムン・シトラ将軍


〜〜〜


とても簡素な内容だった。行かなきゃ最悪殺されるかもしれない。


次の満月はちょうど1週間後。馬車に乗っていけば1日で着く。


「何だった?」


奥からヴェルが出てきた。


「偉い人に呼ばれた。」


絶望に満ちた声。

ルガルは、産まれてから一度も魔樹の森から出たことがない。


ヴェルは気にせず話しかける。


「へー。それでね!首環が無くても言い訳できる方法思いついたよ。」


何か企んでいそうな顔と恥ずかしさを隠そうとしている顔でニヤついている。


「私がルーちゃんの彼女になっちゃえば良いんだよ。」


「ルーちゃんはやめてくれ。」


「いいでしょー。・・というか彼女になることはスルーですか?」


「普通に良いと思ったので。言い訳の方法としては。・・って。なんで叩く⁉︎」


<><><>


シトラ。王に仕える四大貴族の1つ。ガルズオル西方の防衛を担っている。




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