コネを作りたかっただけ……じゃないよ?
走ってから30秒位して、伐採(破壊)されている木が少なくなった頃だった。
『キャーーーー!』
少し先の方から複数の悲鳴と、馬の興奮した様な鳴き声が聞こえてきたのだ。
「む、何だ?」
俺は表面上は平静を装いつつも、興奮していた。
何故なら女性の悲鳴と馬の鳴き声が聞こえてきたのだ。
馬の興奮した様な鳴き声は攻撃された為のものだと推測する。
馬を攻撃する理由は逃げる為の足を無くす目的があることが予想できる。そんなことをする必要があるのは、逃がさないようにしてるに決まっている。
そして、聞こえてきた悲鳴は明らかに女性のものだった。つまりだ。
山賊か盗賊イベントの可能性が高いのだ。
「ふむ……取り敢えずは状況を確認する必要があるか」
そう考えた俺は、ゆっくりとイベンt__コホン、事件が起こっているだろう元へ近づいていく。
確認出来たのは森を抜けてすぐに馬車が2台ほど通れそうな道があり、そこで盗賊に襲われている馬車の姿だった。
その馬車の周りには、男性冒険者らしき死体と、盗賊の子分だろう死体が転がっており、さらにその近くでは金目の物と、縛られて身動きの出来ない女性が転がっていた。
ついでに商人らしき太った男性も。
「親分! この馬車は魔石と食料を運んでるみたいっすよ!」
「ほお、なかなかの収穫になったな。おい! てめぇの馬車にはまだ何かあるんじゃねーのか! 黙ってると痛い目に合うぞ!」
「ひいっ、そっそれで、す、全てです。ほ、本当にもう何もないです!」
「そうか。これで全部なんだな?」
「はっ、はい!」
ふむ、何か嫌な予感がするな。
そうこれは………粗大ゴミと言われていた俺が処分されそうになった時の、そんな予感。
「じゃあ、もう用済みだ!」
「ヘ?」
やっぱりだよねー!
親分らしい者が剣を振り上げ振り下ろす。そして商人の頭に当たる瞬間………
_____バキッ
「さすがに、我の目の前にある命は助けてやるわ」
商人が真っ二つになる寸前、逆に親分の武器を真っ二つにしてやった。
「は? ……て、てめぇは一体誰だ!」
!?まさか相手から名乗るタイミングを与えられるとは!かっこ良く名乗らなければ………
「ふっ、貴様に名乗る名は無いが、商人に媚を売るのは良いかも知れんな。我が名はコトハ・ヒイラギ、しがない冒険者……なのか?」
実はさっきまでは『ドラゴンスレイヤーだ。キリッ!』と名乗ろうと思っていたが、ゴブリンも俺の知ってるのとは違った為、ドラゴンの認識も違うかも知れないので名乗れなかった。
しかもモンスターが違うなら、冒険者カードやお金なども違う可能性がある為に下手に名乗れず、少し阿呆っぽくなってしまった。
「ふむ………まぁ、名前は合っているから名乗りはもういいだろう。取り敢えず盗賊共に問う。今ここで引けば見逃すが、どうする」
「何言ってやがる! てめぇの立場が分かってねぇのか? てめぇら、この生意気な女を囲め!」
頭分の言葉を聞き、下っ端共が俺を囲む。
「ヘへへ……よく見たら上玉じゃねーか! 俺達が壊れるまで可愛がってやろうじゃねーか! ハハ_____」
下品な笑い声を発していた親分の首が………飛ぶのだった。
最後まで読んでいただき感謝いたします。ご指摘、ご感想お待ちしております。
受験終わったー!
\(^o^)/オワタじゃないよ?英語以外はね!
ブックマーク30件以上に成りました!
ブックマーク、評価してくれると嬉しいです!