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(エリス視点)3

 え~と…………と、時が経つのは早いのぅ……


 …………すみませんでした!

 気付いたら3ヶ月以上経ってたんです!

「大丈夫なんですか?」


 そう言って私は、リノア達を見ているリリーさんに声をかける。

 私は今、修道院の裏手にある隔離施設に来ていた。この隔離施設は聖女様からの教えで作られた場所で、何でも病気の中には同じ空気を吸うだけで移る病気もあるからだそうだ。そのため、ここには空気を浄化するための魔道具が置かれてる。

 そんなことより気づいていたかもしれませんが、リノア以外にも2人の修道女が横たわってます。


「定期的に回復魔法を掛けてはみますが、安心はできません」

「そうですか…………」


 その言葉を聞いて、不安が少しづつ大きくなっていく。やっぱりこれって、危険分子が関係してるのかな?

 そんな不安が顔に出てたのか、リリーさんが口を開く。


「まだ分かりませんが、神託に関係してると考えていいでしょう」

「何でこんなことに」


 何でリノア達が苦しい思いをしなければならないのか。

 こんな時になんの役にも立てない自分が恨めしく感じた。


「エリス。ギルドに行って太陽の花の採取を依頼して下さい」

「分かりました! すぐ行ってきます」


 そうだ! 無力さを嘆いてる場合じゃない! 少しでもリノア達を楽にさせるためにも、今できることをするんだ!

 私はリノア達のために、ギルドに向かった。


♢   ♢   ♢


 私はギルド前に来て、中が騒がしいことに気がついた。ただ、ギルドではあまり珍しいことでは無いので、そそくさとギルド内に入っていく。


「痛いよぉお! 何だよこれ! 足がぁああ! 僕の足がぁ……!」


 いつも通り冒険者のいざこざだと思っていた私の視界に、両足が無い人が入り込む。

 …………ひっ! 何でこんなグロい状況になってるの!

 パニックになりそうな私の耳に、鈴の様な声が聞こえた。


「人を殺そうとしてた奴が足の1本や2本で何をガタガタ言っているのだ?」


 声の発した人を見ようとした瞬間、視界の端に腕が舞っていた。

 今度は何!


「実はだな。我はどれほど無情な人間になれるのか知らないのだ。だから、貴様で試させてもらっても良いか?」

「嫌だぁああ!嫌でずぅう“う!ゆるじてぇえ"え“!」


 今の段階でかなり無情だよ!


「嫌だぁああ! 嫌でずぅう“う! ゆるっ、ゆるじてぇえ"え“!」

「許して欲しかったらもう二度とシエラに関わるな。分かったか?」

「わ“がった! も”う二度と“かがわりまぜんか"らぁあ“あ!」


 低い声で脅され、だるまになった人が素直に頷いた。

 そんなだるまさんを見ていると違和感を感じた。血が出ていないのだ。焼いた形跡も無い。私の脳内にとある考えが浮かんだ。

 その考えを肯定するように、ありえない現象が目の前で行われる。


「ぼぐのあしと腕がぁ……治った”ぁ”………」


 だるまになった人の両足と右手が治ったのだ。ありえない、こんなことは……だが目の前で行われた光景が目に焼き付いていた。

 こんな光景を見たら、切ってから血が出る前に塞ぐことも出来るだろう。

 まさに神の御業! こんなことが出来るのは聖女様に違いない! きっとアリア様が来る前に名を轟かせていた聖女様だ!


「今回は左手だけで許してやる。だが次は無い。分かったらさっさと消えろ!」


 そう言った聖女様が、とても凛々しくかっこ良く見えた。


「あっ、あの! 貴方様はもしかして」

「……む? 何だ?」

「貴方様は聖女様ですね!」


 気がついたら私の口はそんなことを言っていた。

 最後まで読んでいただき感謝いたします。ご指摘、ご感想お待ちしております。

 ブックマーク230件ありがとうございます。9万PVありがとうございます!

 今日から夏休みが始まり、宿題さえ終わらせたら(多分)時間ができると思いますので、更新頑張ります!

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