俺って実は口が悪い?
毎日投稿はお亡くなりになられました。
得物を抜いたは良いがここは地下だ。そんなところで本気で振るわけにわいけない。魔法などでこの部屋の強度を高めたいが、相手がその隙を与えてくれるか分からない。と言うか、クロユリの反応が全く無いのが怖い。
そう思っていると相手が声を上げる。
「………どうして………私ばっかり……」
そう言ったかと思うと、濃密な殺気が放たれる。
____怖い! そんな感情が咄嗟に氷の壁を作る。
まずい! これで防げるわけ無いし、視界を塞ぐのは悪手だ!
そう考えてすぐに防御の為の風を纏って視界を塞いでいる氷の壁を崩す。そうすると、すでに迫っていた数十の影の攻撃が見えた。
「っく! はぁあああ!」
俺は○の剣士キ○トだ! まるで英雄になった気持ちで、影の攻撃を捌いていく。それと同時進行でこの部屋の強度を高めていく。
このまま行けば本気で戦える。そう考えている時。
「………私の痛みを味わえ…………〈ファントムペイン〉」
相手がそういった瞬間だった。
「ぐっ! うぐぁああああ! がぁああ!」
痛い痛い痛い痛い痛いいたいいたいいたいいたいイたいイたいイタいイタいイタイイタイイタイ!!!
頭の中全てが、この文字で埋め尽くされる。
今まで味わったことの無い痛みが全身を襲う。それは……全身を焼かれているような、そんな痛みだった。
痛みに藻掻いている間にも、影が迫ってきている。あまりの痛みに意識が朦朧とする。
そういえば、ゲームでは痛みはなかったんだよな。
最後にはこんな呑気なことを考えて、意識を手放した。
♢ ♢ ♢
……ここは……どこだ………まるで夢みたいな感覚で……頭が働かない…………今どうなってるんだろう?
「…………これ位で気絶するなんて………本当に強いの……?」
クロユリの声が聞こえる………
その瞬間、まるで3人称視点のようになり、倒れている俺とそれを見下ろすクロユリが見える。
「………止めを刺そう」
そう言ってクロユリが、影を俺へと向ける。
止めを刺す………俺は……死ぬのか……まだ、やりたいことあったのにな……………そういえば、約束してたっけ…………また明日……か……
もしもアニメの主人公なら、ここで立ち上がれるのだろう。でも、現実は違う。感情なんかでパワーアップしたりなんてありえないんだ。
そう考えていると、影が俺に迫ってくる。
俺は死ぬ……そう理解した瞬間……俺の体が勝手に動く。それはただの防衛本能だったかも知れない。でも、次の行動で違うと認識する。
「…………気絶……してないの……?」
「この程度で気絶すると思うな………吸血鬼風情がっ!!」
俺は、声を発し殺気を振りまいていたのだ。
えぇ……俺こんな口悪かったっけ?
そう考えている内にも、場面は移り変わるのだった。
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突然現れた謎人格、その正体は!?次回明かします。
次話の投稿は3月11日になります。