《復讐の吸血姫クロユリ》
あと2、3話はシリアス回です。
指摘があったので、書き直していきます。
俺は今、ものすごく焦っていた。
なぜそんなに焦っているのか分かるように、ゲーム時代の話を1つしよう。
♢ ♢ ♢
それが起こったのは、ゲームのサービスが開始して1月経った頃だった。その時にはLv40に達していたのと、新しい国を発見したのとで、異邦の者の7割が最初の国から移動していた。そんな時だ、最初の国の教会でシスター3人が苦しみだして倒れたのは。その時は理由が分からなかった。
それから何時間かして、日の変わりを告げる鐘がなった時だった。目を赤く染めた3人のシスターが起き上がり、王都の中央へと走っていったのだ。それを追いかけて異邦の者が走っていく。
そして、王都の中央へとついた時、地面から黒い霧が吹き出したのだ。その黒い霧が収まると、そこに居たんだ。老若男女関係なく全てを魅了する、美しく可愛らしい少女が………………
銀色の髪、血を彷彿とさせる真っ赤な瞳、まっすぐ伸びて尖っている八重歯、そして…………………
死を感じさせる圧倒的威圧感……………《復讐の吸血姫クロユリ》それが初めての、Lv300との遭遇だった。
♢ ♢ ♢
その後、俺達は全力で戦ったが手も足も出なかった。と言うか、目を赤く染めたシスターがまずやばい。取り巻き3人が一番育っている異邦の者のレベルの2倍近くってどうなの?
それで最終的には、国をひとつ滅ぼされた後に神々が現れて、吸血姫を封印してたけど。マジでやばかった。
ちなみに公式の話では、あの黒霧は眷属に力を与えるものらしく、シスター達は黒霧に当たる前ならステータス的に勝てたそうだ。
まぁ、ここまで聞いたら皆分かるだろう。さっきのシスター達は…………………眷属化の状態異常に掛かっていた。
眷属化は細胞を作り替えるため、熱や吐き気、蕁麻疹などが出てしまう。細胞の作り替え、これが細胞の動きを必要最低限まで落とした理由だった。
はっきり言って俺が馬鹿だった。何で俺1人しか転移してないと思っていたのだろうか?もしも、レベル上限の300になることが、こちらの世界に来る条件だとしたら、吸血姫や他の魔獣も来てるはずだ。
そうだとしたら、かなりヤバイ。1対1ならまだ勝てるかもしれないけど、2体同時とかだったら俺には絶対に勝てないからだ。
負ける、その言葉が脳内に浮かび変換されてしまう…………死亡という2文字に……
「…………こんなこと考えても無駄でしかない。死ぬときは死ぬ、ただそれだけだ」
今は目先の問題を解決する!
俺は不安を拭うように、他のことに集中するのだった。
♢ ♢ ♢
あれから30分ほどだろうか。
俺は裏路地で地下に続く階段が隠されているのを見つけた。
「ここに居るのか?」
俺は何となくだが、一番奥に元凶が居ることを感じ取っていた。
それを感じ取った俺は、覚悟を決めて地下へと降りていく。地下へと続く階段には自分の足音以外には何も聞こえない。それが不安を煽るが、我慢して進んでいく。
5メートルほど降りたところで階段は終わり、あとは真っ直ぐの道を歩く。それから2キロほど歩いたところで、扉を見つけた。
嫌な予感がする……何故そう思うか疑問に思いながら、俺は扉を開けた。どうやらここが一番奥みたいだ。俺は目の前で座っている銀髪の少女を見つめる。そうすると、相手も俺に気づいたのか声をかけてくる。
「………誰? …………全く気配を感じなかった………」
その声はよく透き通りとても綺麗だが、まるで中身の無い声だった。
勿体無い……そんなことを考えながら、相手に名乗る。
「我はコトハ・ヒイラギ」
「………そう………何をしに………来たの……?」
俺は落ち着くために深呼吸をして、目の前の人物に目的を告げる。
「貴様を殺しに来たのだ…………………《復讐の吸血姫クロユリ》」
覚悟を決めて、得物を抜く。
災厄はすでに、目の前に居るのだ。
最後まで読んでいただき感謝いたします。ご指摘、ご感想お待ちしております。
ブックマーク160件行きました!読んでくれてありがとうございます!
次回は戦闘回にするつもりですが、表現力が足りなくてしょぼくなってしまうかもしれませぬ。どうか多めに見て下さい!
申し訳ありませんが、体調が崩れたので次回の投稿は3月11日になります。