災厄の芽を見つけました! ☆
シリアスとは唐突に来るものです!
ティア達と分かれたあと、エリス(少女シスターの名前)からいろいろ情報を収集する。
「エリスよ、病気と言っていたがどういった症状が出ているのだ?」
「症状ですか? えっとですね………咳と鼻水が止まらず、背中に蕁麻疹が出て、寒気と腹痛もあるそうで………一応、修道院長が回復魔法を掛けているのですが良くなりそうに無かったので、太陽の花を手に入れようとしてたのです………」
……あれ? 早く治しに行かないとダメなやつじゃないかこれ?
ちなみに太陽の花とは、細胞の活性化と、病気に対する抵抗が高める効果のある花だ。それを使った薬が、こういった病気に効くのだとか。
と言うか、こんなこと解説してる場合じゃないや!
「………少しペースを上げよう」
「分かりました」
俺達はペースを上げて、病人の元へと向かった。
♢ ♢ ♢
あれから8分位した時に、目的地らしき場所を見つけた。
「友人はあの建物の中か?」
「はい、あの修道院です。友人は今、修道院長が定期的に回復魔法を掛けて、落ち着いているはずです」
修道院長とかって仕事とか多そうなのに、風邪の子の看病をするとは、修道院長は優しいのだろうな。
そう考えながら、修道院の中へと入っていく。
「………手続きなどは要らないのだろうか?」
「あまり気にしないでください。そこら辺は緩いので」
一応は王都の修道院なんだが、それで良いのか?
……そう言えば、王都に教会があるのは理解できるが、修道院まで用意するとは、聖国でも目指してるんだろうか?
俺はこの国の思考を読み取りながら、エリスの後ろを付いて歩く。
「コトハ様、ここに私の友人が居ます」
「ここか」
俺が今来ている場所は、修道院から隔離された場所だった。
「とりあえず入るか」
「はい。いま開けます」
そう言って開かれる扉。俺は開けられると同時に、病気を確認するため〈鑑賞〉を使う。
「なっ!」
俺は驚きから声を上げてしまう。
エリスによって開けられた扉の先には、目が虚ろになっている少女が3人居た。それだけなら驚かない。俺が驚いたのは、少女たちの掛かっている状態異常にだった。
俺は瞬時に理解した………………これは、故意で起こされたことだと。
俺は急いで魔法を使う。回復魔法ではなく、闇魔法をだ。
「これは?」
「細胞の動きを必要最低限まで止めた! 理由は後で話す!」
「どこに行くのですか!」
「教えられん!」
俺はそう言って部屋を出ようとするが、大事なことを伝え忘れていたことに気づいた。
「エリス! もしも目が赤くなったら______」
「……………え?」
俺はエリスに1言伝えて出て行く。
急がなければいけない。何故なら、知っているからだ。あと5時間でこの国が………滅びることを。
1つ目の災厄の芽は、すでに出ている。