マーケティングの実践
実際に例を用いて、前回のマーケティング手法を実践してみましょう。
自分の作品が一番語りやすいので、すいませんが自作を例にとって説明させていただきます。
みなさんも自分の作品でやってみてください。
詩野の作品語りを聴くのが面倒くさい人は、サクッと読み飛ばしてください。
『歌姫と銀行員』(現実世界・恋愛)
場末の支店の銀行員と華やかな芸能界の歌姫の恋愛模様。
【アピールポイント】
・芸能界の歌姫と擬似恋愛できる。
・アイドルと恋に落ちる小説はあるが、女性シンガーソングライターと恋愛する小説は私が探した限りなかった。(というか、歌姫様との恋模様を妄想していたのですが、ネット上で検索してもそういう小説が無くて、どうせ無いならオレが書いてやると思ったのが執筆の動機の一つです)
・銀行の仕事の裏側を覗ける、お仕事小説。
ちょっと前に「半◯直樹」とか流行ってたしウケるかもと思ってました。
・約4万5千字と文庫本半分くらいで、18章とわりと短めなのでとっつきやすい。
【弱点】
・タイトルのインパクトが薄い
パット見て中身がわからない。歌姫と銀行員が一体何をするねん(笑)しかも歌姫という言葉の定義がわかりづらい。
今さら愛着があって変えられないのであらすじを工夫することにします。ちなみにさっきGoogle先生で「歌姫」で検索したら五番目に出てきたよ、やったね。
・情景描写が拙い
何人からかご指摘を受けました。テヘッ。改稿して少しずつ直したつもりです。
ライバルはどんな感じでしょうか?
恋愛ジャンルはファンタジーに次ぐ血で血を洗う激戦区。
でも恋愛モノって割りとブクマ伸びるってどっかに書いてあったのになあ。ちっとも伸びなかったな……伯爵令嬢モノとか、乙女ゲームに転生しちゃった系とか、妹萌えとか、そんなものが投稿した当時流行ってましたね。平凡なOLが御曹司と恋に落ちるとかそんなのもありました。
なんせ執筆キャリアが短いし、何より書きたいものなのでシンガーソングライターと銀行員という隙間ジャンルで攻めることにします。
ライバル分析に全くなってないので興味のある方はここも分析してみてください。比較することで自分の作品の特徴が見えてくるはずです。
では、ターゲット(顧客)の選定に移ります。
この小説を読んでくれそうな人は、どんな人でしょうか?
男性視点で書かれている小説なので、男性。サラリーマンが主人公なので、25歳から35歳くらいのサラリーマンがターゲットだと思ってました。
という訳で、手動投稿する際は、昼休みの時間帯、あるいは仕事が終わった後の夕方や夜の時間帯を狙います。
またこの世代はスマホが浸透しているので、スマホから見て読みやすいように改行を多用し、最終推敲は顧客と同じ環境、つまりスマホからすることにしました。
結論を言うと、私の場合思っていたターゲットがどうも違ったようでして(笑)
いただいた感想や活動報告で感想残してくれた人も、女性の方が多かったです。
年齢層は二十代後半以降のお姉さん世代の方が多かったです。
恋愛小説って、女性の読者が多いんですかね(いまさら)
お前偉そうに言ってるけど、全然違うじゃん。
いいんです。間違っていたら、修正していけばいいのです。
詩野の場合、読者に合わせて展開をいじるということはしないので(自分の書いていて楽しいと思うことを書くのが好きです)、比較的修正は容易です。
投稿するタイミングを色々いじってみることにしました。
11時くらいに投稿して主婦層を狙ってみたり、三時くらいに投稿してマダムの落ち着いた時間帯を狙ってみたり。
深夜に投稿して交代勤務の人を狙ったり、まあ色々とやりました。
続編を連載中のころは、すでに感想を何件かいただいたり、活動報告にコメント残してくれた方もいたので、「女子大生がコッソリと覗き見る、大人のラブコメディー」という裏キャッチコピーを考えたり、「あなたは日本中を敵に回しても、愛する人を守る覚悟がありますか?」というアオリ文句をあらすじに入れたりしました。こうなると、自己満足の世界ですね。
どうでしょう? 参考になりましたか?
適当にマーケティングしてもなんとかなるということが実証されたでしょうか?
あるいは、反面教師になりましたか(笑)
次回、営業職にとって最も大事なものは?
できる営業になるためには、何が一番必要でしょうか?
考えてみてください。