レビューの書き方 実践編
具体例を用いて私なりのレビューの書き方をご紹介します。
今回ご紹介する作品はコチラ。
夕凪もぐら様署 『魁! らーめん百景』
私の書いた感想とレビューを掲載することは事前に作者様から了解を得ております。
それでは、さっそく行ってみましょう。
①感想からレビューを作る
いきなりレビューだと敷居が高い気がするので、まずは感想を書くのが詩野流です。
という訳で、私が書いた感想。
<良い点>
ラーメンさんがひたすらに可愛い!
「さーぶさぶさぶ」「へぷちっ」など
もぐ様が音楽をされているからでしょうか?
リンゴーンリンゴーン、やラーメンをすする、ずびずばーなどの擬音が非常にツボでした
<一言>
ラーメンデモクラシーとグルメ維新の対決!冒頭から笑うしかない。笑うポイントは他にもたくさんあって、当人達は大真面目だけどハタから見ると喜劇、この原則に忠実であると考えます。もぐ様は芸人としても大成されるのでは。
そして、ラフレ(笑)
驚異の飯テロ作品が降臨されました!善良な市民を食欲に巻き込むとは誠にケシカラン!醤油ラーメンしか家に無かったけど食べてしまいました。そんな作品は衆人監視の目にさらすしかない!
ラーメンさんの○○ぱいを片方どうにかさせてくれたら、手を打ちますが……
つまり、たくさんの人に紹介したいと思うほど、面白かったということですm(_ _)m
以上、引用終わり
なんじゃこの感想(笑)
さすがの私も自分で読み返して恥ずかしくなってきました。
みなさんも感想を書く際のハードルがだいぶ下がったのではないでしょうか。
ハッハッハ。
さて、気を取り直してレビューを書くために次のステップに進みます。
②感想を元に、作品のセールスポイントを整理する。
私の分かりづらい感想で申し訳ないのですが、この作品を読んで抱いたことを箇条書きにするとおおむね以下の通りとなります。
・ラーメンさん(ヒロイン)が可愛い
・独特の擬音が良い
・コメディタッチな軽快な作品
・いわゆる飯テロ作品。読了後にラーメンが食べたくなる(くらい物語に引き込まれる)
③ セールスポイントを元にキャッチコピーをいくつか作る
このキャッチコピーがいわゆる、レビュータイトルになります。
この辺がレビュー職人の腕の見せ所で、かつ考えていて大変楽しい作業です。
かの有名なコピーライター糸◯重里氏は一つの商品のキャッチコピーを生み出すのに最低30は候補を出す、とのこと。
そこまでしろとは言いませんが、できれば5つくらいは用意してみたい。
・究極の飯テロコメディ、ここに降臨!
・コメディタッチな展開と独特の擬音があなたの五感を刺激する
・読むと思わず、ラーメンが食べたくなる
・善良な市民の欲望を痛烈に刺激するケシカラン作品
・ラーメンさんが可愛い
色々と悩んだ結果、『究極の飯テロコメディ、ここに降臨!」を採用することにしました。ちなみに「降臨」は主に神々に対して使い、「光臨」は人に対して使うらしいです。
作品を擬人化するなら人に対して使う「光臨」の方が正しいと思うのですが、作品の唯一無二の存在感、神ってる感を出すためにあえて「降臨」を使いました。
そんな感じであえて読み手の心のフックにサクッと引っ掛けて、印象に残すという方法もたまに用いております。(マジで誤用している場合もありますが……)
④キャッチコピーを文章化し、配列していく
注意点としてはあらすじはほどほどに。
半分以上あらすじからの引用というレビューをたまに見かけますが、正直あらすじなんてトップページに飛べばいくらでも見られますので。
せっかくですから、あなただけの言葉で作品を紹介しましょうよ。
あとは否定的な言葉はなるべく使わないこと。レビューとは書き手も読み手ももらった作者も楽しい気分になるように心がけたいものです。売り手よし、買い手よし、世間よし(近江商人の心得より)。
で、出来上がったのが、これ。
『究極の飯テロコメディ、ここに降臨!』
新国民健康保護法によって飽食が制限された世界。
地下に潜るレジスタンスの如く、密かにラーメンを食べ歩く主人公とヒロインであるラーメンさん(これがまた可愛い)
コメディタッチな展開とそして独特の擬音が、あなたの五感をこれでもかと刺激する。
読了後のあなたは黄金色の細麺と、濃厚スープを「ずびずばー」とすすりたくなるはず!
かく言う私も夜中にパントリーをあさってカップ麺を発見し、貪るように食してしまった。
善良な市民の欲望を痛烈に刺激するこんなケシカラン作品は、衆人環視の元に晒してみなさまの判断を仰ぐべきだと思うのですが、いかがでしょうか?
ああ、書いててまた、ラーメンが食べたくなってきた。
どうですか? 特に前半の作品紹介のあたりは我ながら上手く作品の世界観が表現できたと思っているのですが。こうやって私は自分の書いたレビューを読み返してニヤニヤするのが大好きです。
みなさんも自分なりに工夫して、読んだ人が思わず小説のリンクをクリックしてしまうようなレビューを書いてみましょうよ。それが、自分の名前そして自分の小説を売りこむことにも繋がるはずです。
書いててまたもやラーメンが食べたくなってきたので、今日はこの辺で。
今回快く作品を出すことを引き受けてくださった夕凪もぐら様、誠にありがとうございました。
『魁! らーめん百景』、まだの人はぜひ読んでみてね。面白いから。