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福岡ファイトれでぃ~ごう  作者: 那田野狐
第弐章 トーナメント
8/26

いわゆる邪武のライバル登場

バトルファイト博多スターレーン会場の決勝は武の予定通り神獣ライトニングパロン率いるチームサンダーと武を名目上のリーダーとしたチームにゃん(邪武のわがままにより強引に決まった)との一戦となった。

「おっちゃ~ん」

邪武は叫びながら猪突猛進という言葉がピッタリとくる猛スピードで売店に駆け込む。

「きゃっ」

「あ痛」

邪武は売店の入口で誰かにぶつかった。

「どこに目をつけてるですか」

「どこに目をつけてるにゃ」

ぶつかった者同士が同時に抗議の声をあげる。

「ああ邪武」

「ああアル」

アルと呼ばれたタレ目気味のながみみ少女と邪武は同時に互いの顔を指差す。

「指差すな」

「指差すにゃ」

「う~」

「う~」

そこに鏡があるかのような二人の動作はみていて笑えるものがある。

「どうしたのですかアル」

「あ、エル姉」

アルは後ろを振り向く。そこには『くうくうフーズの中華マン』というロゴの入った紙袋をもった優雅なながみみ女性が立っている。アルは彼女をエル姉と呼んでいるが、あまり似ていない。(とくに胸)

「おや?エルさんじゃないですか。確かベイサイドプレイスで闘っているはずじゃ」

やっとこさ追いついた武がエルをみつけて声をかける。

「ベイサイドプレイスですか?それなら一時間も前にながみみ堂が決めていますわ」

エルはにっこり微笑む。

「じゃあここには偵察ですか?」

「いいえ。これを買いに来たんです」

そういってエルは『くうくうフーズの中華マン』というロゴの入った紙袋を武の前に差し出す。

「冗談ですわ。あなたがそうですね?わたくしエルといいます」

ひきつったまま固まった武を尻目に、エルは左手を差し出す。

「楠木巴だ。エンブレム付きのベレーはだてじゃないかな」

巴は左手を差し出して握手する。

「ユーはグレイトだといっておこうかな」

「いえ。こちらこそ。失礼いたしました」

一見すると和やかだが、かなり緊張したものがある。その証拠に邪武本人は気がついていないが、シッポの毛がすこしボワボワになっている。

「試合。楽しみですわ」

エルは軽く会釈すると、アルの手を引いて観客席入口へと向かう。

「なにかやったんですか?」

「なに。握手した瞬間お互いに関節を極めにいったんだ。でもお互い極められなかった。だからお互い称えたんだ」

巴は左手の指をバラバラに動かしてニヤリと笑う。

「称えたのかにゃ?」

邪武はボワボワのシッポを撫で付けながらぼそりとつぶやく。

「邪武ちゃ~ん」

「いえなんでもないにゃ」

せっかくなでつけた邪武のシッポが再びボワボワになる。

「くうくうフーズの中華マンって何がお薦めなの?」

「あにゃ。試合前なら大型あんまん。試合が無いなら激辛ビーフカレーまんをのむのむドリンクのエスプレッソモカといっしょに食べるのが絶品にゃ」

恐怖におののいてるという実にわかりやすいリアクションで邪武は答える。

「わかった。武。くうくうフーズの中華まん全種類一個づつ。大型あんまんと激辛ビーフカレーまんはそれぞれ一個増しだ。邪武ちゃん好きな中華まん好きなだけ注文していいわよ。わたしがおごってやる」

巴は非常に上機嫌な口調で命令する。

「了解です」

「わあ~ありがとうにゃ」

ふたりは勇んで売店に入っていく。

「エルか・・・対戦が実に楽しみだ」

巴は満面の笑みを浮かべた。

ありがとうございます

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