第7話 〜動き出した歯車〜
ミコトは誰もいない教室に戻り、帰り支度をした。
結局ミコトはカラーコンタクトを入れることにした。深く帽子をかぶり、眼鏡屋に行った。
(あーあ、財布の中身が空っぽだ。せっかく溜めておいたのに。でも、これで家で変なこと聞かれなくて済むぞ。)
あれから、少し考えた。自分は守り神の爺さんに、虚無が視える目をもらった。確かに人間多少の違いはあれ、黒い影がみえる。きっと、あれが虚無だろう。
「うーん、あれくらいならいいポン。放っておいた方がいいポン。」
「そうなの。ってゆうか、どうすればいいのかなんて、聞いてないけど。」
「そうそう、一つ、注意してほしいポン。虚無は、全部が全部悪いわけじゃないんだポン。だから、少しは虚無を残しておかないといけないんだポン。」
「残すったって、虚無の取り払い方なんて知らないぞ。あの爺さん、いや、守り神のおじい様は、何にも言わずに行っちゃったからな。」
「ミコトの体に、どこか変わったところはかいかポン?」
「いや、うーん、別にないけど。目以外は。」
「そっかポン。きっと、大丈夫だポン。それより、ミコトに心してほしいことがあるポン。」
「何?」
「ミコトは、黒い影が見えるって言ったポン」
「うん。だって、爺さんがそうしてくれたんだろ。その割には、放っておいていいって言うし。良く分からないよ。」
「うん。そこなんだポン。ミコトは、これから、虚無と戦うことになると思うんだポン」
「虚無と戦う?あんな影と?無理無理。ってか、おそってくるとか、そういうの、ぶっちゃけやめてほしいな。」
「残念だポン。虚無は、きっと、今のミコトを襲ってくるポン。」
「黒い影が?そんなようには見えなかった。」
「黒い影とは、ちょっと違うポン。虚無は、確かに誰にでもあるんだポン。でも、虚無を自然界の力以上に膨らませるやつがいるんだポン。」
「それって、悪霊の仲間とか?」
「まあ、そんな感じポン。ポン達は虚無羅っていっているポン。それは、影ではなく、実際に形をもっているんだポン。だから、やばいのはすぐに分かるポン。」
「そうか。それに憑かれてる人をさがして、そいつをやっつければいいんだ。」
「うーん、そんな感じポン。」
「で、どうやってやっつければいいの?」
「うーん、ポンが知っているのは、まずは引き離して、虚無羅に触れて、呪文を唱えるんだポン。」
「襲ったりはしてこないのか?」
「ポンが知っている限り、かなり襲ってくるポン。」
「心が読めるから、正直に言うけど、やりたくないな。」
「そんなこと言わないポン。虚無羅に憑かれた子は、事件を起こしたり、自殺したり、いいこと無いポン。それに、虚無羅は、…。ううん、なんでもないポン。」
そんなことを話したり、考えたりしながら、すでにご飯を終わらせ、シャワーを浴び、寝る仕度をしていた。
(そっか、でも、安心したことは、うちの家族には虚無羅は憑いてないってことだ。さすが、守り神がいてくれることだけはある。あれ、呪文とか言ってたよね?言えるのか?全然知らないぞ。まあ、明日、聞こう。ああ、やっぱり、こうやって目に見えると、全然違うな。あったけー。ポンポンが守ってくれてんのかな?サンキュー。おやすみ、ポンポン。)
こんにちは。作者です。
人の影ってなんなんでしょうね?
この説明は少し苦労しました。
みんな心の影の部分はあるので、それが見えたらという仮定で作りました。
分かりやすいように、虚無羅という存在も作りました。
次回は、この虚無羅が出てきます。いわゆる悪役ですね。
悪役としては魅力が無いですが、魅力の有る悪役は後々登場予定です。(MAYBE・・・)
★筆者コーナー★
みなさん、「シャーマンキング」って、知ってますか?そう、霊が乗り移ったりする漫画です。
あれも嫌いじゃないですが、個人的にはあの人が描いた、前作の「仏ゾーン」がかなり好きですね。
仏像の世界に惹かれました。




