第3話 〜少年と少女の事情〜
第3話です。
いよいよ新世界のメインである、守護神との接触です。
今までシリアルでしたが、基本的にはこれからの話のほうが本題に近いです。
ただ、シリアルな部分もださないと、現代の心の問題に迫れないと思い、苦手ですが
シリアルな心の描写もしていけたらと思います。(だったら書くなよ・・・ですね^^:)
サトミの心の声から始まります。
「ねえ、シンジ君。どうして私なんかに告白したの?わたし、もう嫌なんだ。男の子にふりまわされたり、勉強したり、親の顔色みたり、いろんなこと我慢して。」
「えっ。別に、大して考えて無いんだけど…。ほら、体育で一緒のチームで楽しくやってるじゃんか。サトミも楽しくやってたでしょ?だから、もしよかったら、付き合えないかなと思って。」
「楽しく?そうね。男の子はいいわよね。何でも本心でいえて。どうして楽しいと思ったの?わたし、別に楽しいなんて思わなかったわ。みんなに合わせて、笑ったりしていただけ。」
「えっ、そうなの?」
「そうなの。」
「なんか、サトミって、思ったより、冷たいよな。」
「それはあなたが勝手にそう思ってたいだけでしょう。」
「いいよ。結局、だめなんだろ。別に。いいや。なんか、そんなやつって思わなかった。」
「そうね。わたしも、…(もういやっ!もういや、もういや。)」
「えっ、なんで、泣くんだよ…。」
「あなたに関係ないでしょ?ほっておいてよ。」
(おかしいの。私の心はおかしいの。告白されて、少しは嬉しいはずなのに、悲しいの。告白してくれても、すぐに冷たくされる。お父さんも、お母さんも同じ。いつも冷たい。そりゃ、私だって家に帰ったらわがまま言ったり、言うこと聞かなかったりするけど、でも、がんばってるじゃない。どうして、誰もわかってくれないの?誰もみてくれないの?)
「あのさ、一応、俺が言い出したことだから、…ごめんな。」
(あやまってもだめよ。あなたが私を好きって言ったのに、「そんなやつって思わなかった」っていったじゃない。どっちよ。私って、そんなやつなの?そんなやつ…)
「まあ、これからは、いつもどおりの友達として、やってこうな。」
(信じられない。そんな、やっていけるわけ無いじゃない。いや、シンジ君も嫌。)
「そうね。(あなたとは、関わりたくないの。みんなとも…)」
「サトミって、一ヶ月くらい前からなんか変わったよね。」
「家で何かあったのかな?」
「ちょっと暗くなったよね。」
「うん。前まで、明るかったように思えたのに。」
「あっ、サトミがこっちくるよ。」
(こっち見て何か言ってるわ。どうしよう。怖い。いつから?どうしてこんなに友達が怖いの?おかしいよ。わたし、おかしくなっちゃったの?)
「あっ、どうしたの?」
「ううん、なんでもない。」
「そう。…あのさ、何か言いたいことあったら、直接言ってくれる?」(えっ、こんなこと私がいってるの?)
「えっ。ほんとに、なんでもないから。」
「何、あの言い方。ウザイよね。」
「どうかしてるよね。」
「サトミ、また漫画ばっかりよんで。勉強はしたの?」
「ほっておいてよ。後でするから。」(もう、家ですきなことしたっていいじゃない。)
「いつも後で後でって言ってるでしょ。」
「いいのよ。うるさいなあ。母さんはいいよね。仕事もしてないし、宿題だって無いし。父さんがいないと何にもできないじゃん。」
「どうしてサトミはそんなこというの?信じられない?」
(もういや、ほっておいてよ、学校?家?わたしはどこにいればいいの?誰からも愛されない。誰からも認められない。)
「なんで母さんは分かってくれないの?」
「あなただって、母さんのことわからないじゃない!もう高校生でしょ。甘えるんじゃないわよ!」
(もういや、もういや、もういや、全部いや、もういやー!)
(あーあ、どうして私、生まれてきたんだろう。さみしいな。きっと、私だけだよね。みんなはあんなに笑ってる。いいなあ。もう、わたしには、無理だよ。)
(ちょっと待ってよ。待てって。何これは?サトミの心?うそだろ。)
「…く運びなさい。おいっ。神崎。神崎!」
(ここは?保健室?どうしてこんなところにいるの?そうか、尾崎先生に、サトミの机を運ぶように言われて、それで…。うっ、思い出した。あれは、夢?机から声が聞こえたんだ。)
「神崎君、大丈夫?」
保健の浅井先生だ。相変わらず香水が強い。嫌なにおいじゃないけど、きつい。なんで保健の先生って近くにいるとどきどきするんだろう?これが大人の魅力ってやつか?
「あっ、ありがとうございます。」
「びっくりしたわ。いきなり尾崎先生が『診てくれ』って運んでくるんだもの。」
「あっ、そうだったんですか。あの、浅井先生…」
「あら、どうしたの?」
神崎ミコトは、汗を一筋ながしながら、浅井先生の背後を指さした。
「ところで…その、後ろのおじ…。」
(やばい、まだ夢の中にいるみたいだ。…口も、体も動かない。おい、あんた誰だ?誰なんだ?なんで体がすけてるんだー!)
「ん?何?どうしたの?」
(確かにいる。まだこちらを見てる。)
「浅井先生、お電話です。」
「はーい。今行きます。それじゃ、神崎君、ちょっとここで待っていてね。」
(これは、やばい。開け。俺の口。なんだよ。これは…。
「あの、…どなた…です?」
「ほうほう。みえるんじゃな。ほっほっほ。お主は、なぜ生きてるんじゃ?」
「はあー?」
今回はちょっとシリアスでした。
この話から、だいぶ方向が変化します。
でも、作者の意図は、どちらかというと初めから霊とか、スピリチュアルとか、
そういうのを目指していましたので、ようやくここで主人公が目覚めるといったところですね。ちょっと遅いですね。
アニメ系になるかもしれませんが、「現代の生き方を問う」という大それた主題は忘れないようにしたいと思います。
ではでは^^
★筆者コーナー★
今回の紹介はベルダンディーです。
漫画です。
漫画のタイトルは分かりますか?
名作ですね。
森里恵一のサイドカーつきバイクがいいですね。




