■第22話 〜戦いの後のひと時〜
虚無羅との戦いを終え、ミコトの‘力’を確認した後、二人は学校へともどることにした。
「鼻血だいじょうぶ?」
「ああ。今日は色々とありがとう…。初めてづくしだったから。でも、なんか、これで自分も本当に虚無羅と対峙出来るかなって、ようやく少し自信がわいてきたよ。」
「ウフッ。無理しないようにね。」
いつまでも戻りたくないという感情がミコトにはあった。もしかしたら、山神セイラにもそういう気持ちがあったのかもしれない。
神城高校は丘の上の少し高い場所に位置している。神社を離れ高校へともどる二人は、灯りのともり始めた町並みを見下ろすことのできる、神高生の自慢の一つである絶景ポイントを歩いていた。
(彼女いない暦16年間の俺だけど、これは…なんてラッキーなシチュエーションなんだ。)
神崎ミコトはあまりにも神秘的でロマンチックな情景と、先ほどの興奮も合わさって、今までに無い高揚感を覚えていた。
「セイラ…」
何も考えずに出た言葉だった。ただ、この時間、少しでもセイラと話していたいという思いがあったのだろうか。
「えっ、何?」
曇りの無い瞳でミコトを見つめるセイラ。それをじっと見つめるミコト。
「プッ。」
いきなり笑い出したセイラ。
「ご…ごめんなさい。ミコトが、その顔であんまり真剣に見るから…。」
「その顔?…あっ。」
ミコトは自分の鼻にティッシュがくるめて入れてあることを思い出し、さらに顔を真っ赤にさせた。(やばっ、かっこわる。)ふとセイラの方を覗く。今まで見たことの無いような笑い顔を見せている。
「よかった。セイラって、笑うとすげーかわいいね。」
自分でもそんなことをすらっと言ってしまうことが不思議でしょうがなかった。いや、男が10人いれば、10人ともそういったであろう台詞かもしれない。
「えっ。」
不意をつかれたセイラも顔を赤く染めて俯いた。
こういう話もありかなと思い、作ってみました。
ミコトとセイラの関係はどうなるんでしょうか?
筆者にも分かりません。ちなみに、二人とも奥手という設定です。
いつまでたっても進展せず腹立たしくなっても、どうぞご愛嬌を。
★筆者コーナー★
奥手といえば森里恵一ですね。でも、それがいいと個人的には思っています。
ちなみに、「ああっ女神様」の話です。




