■第21話 〜ミコトの力(2)〜
ミコトの体が一瞬身にまとう光を強めた。
「風を集めてみたらどうかなポン」
「ポンポン、いるのか。」
「うん。どうやらポンの意識もちゃんとあるみたいだポン。右手に意識を集中してみるポン。」
「OK。風を集めるんだよな。こうか?」
「つかもうとしてもだめポン。」
「何やってるの?」
不思議な動きをするミコトにセイラがつっこんだ。
「ああ、頭の中でポンポンと会話してる。」
「なんだ。よかった。」
右手にもう一度意識を集中させるミコト。次第に風が集まってくる感覚を覚えた。(右手が温かい。風のもつエネルギーを感じる。)それは手の平の上で回転を始めた。
「すごい。私の目にもしっかりと見えるわ。」
こぶし大の風の塊はすでに砂や埃をまとい、普通の肉眼でも確認できるような状態になっていた。
「先ほどの詞をもう一回唱えると、力がぐうんとあがりますわ。」
「ミコト。その詞を唱えながら的にめがけてぶつけてみるポン。」
「よーし。‘オン コロコロ …・ブラフマン ソワカー’」
ミコトの体はまばゆい輝きを放ち、風の塊を5mほど先の的にめがけて投げつけるミコト。風の塊はまるで荒れ狂う龍のように、的としていた木にめがけて飛んでいった。
バキバキバキッという音と共に、相撲取りの周囲くらいあるような巨木に、同じくその横周りくらいの穴が開いた。
「うわああ」
思わぬ激痛にその場に倒れるミコト。はじき出されるように出たポンポン。運の悪いことにちょうどミコトの方向へ先ほど穴を開けた巨木が倒れこんできた。
(か…体が動かない…。やばいっ。)
「‘オン コロコロ マカリシエイ ソワカ’」
倒れてくる木があと少しでミコトの顔にぶつかってしまうという瞬間に、木が二つに割れ、ミコトを裂けるように倒れた。」
ドシンと倒れた木の上にはセイラが座っていた。
「もう、はらはらさせて。それに、木をむやみに倒しちゃだめよ。」
「ああ。ごめん。」
先ほどとまっていた鼻血が、ちょうど木が鼻に当たっていたのか、再びスーッと流れ出てきた。
木は何かに命を与えられたかのようにもとの木の状態へともどっていった。
ミコトの力、いいですよね。
別に「なる○」の’らせんが○’のパクリとか言わないでくださいね。
別に忍者じゃないので勘弁してください。どうしても、自然の力をベースにすると発想が似てしまうんですよ。
後、関係ないことですが、日本は自然の豊かな国なのか、アニミズムや神性が高いよなあとふと感じます。
★筆者コーナー★
ガンダムシリーズで、今連載中のアスナが主役のZガンダム時代のウェーゴとティターンズの構想を描いた漫画も好きです。
アスナがだんだんたくましくなっていきますが、お惚け天然キャラの方が筆者的には好きでした。




