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新世界  作者: 北極星11
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第2話 〜自殺の理由〜

こんにちは。第2話に進んでくれてありがとうございます。

シンジとミコトのやり取りがメインです。

ミコトの妹のチサも登場します。


 あやふやな情報が確信に変わったのは、やはりTVのブラウン管を通してだった。神城かみしろ高校2年生のAさんが、体育館倉庫で首を吊り自殺。(…ぜんぜん実感がわかない。なぜだろう。あのときのシンジの顔、きっと何か知っている。できれば、関係がないにこしたことはないけど。それともシンジは本当にサトミが好きで固まってただけなのか?)

 翌日の学校は臨時に休校となった。

「ねえ、お兄ちゃんの通ってる学校って、結構頭いいよね。」

「世間一般にはそういわれているけど。どうしてそんなこと聞くんだ?」

「うーん、なんで頭いい人が自殺なんてしちゃうのかなって思って。」

「そうだよな。よっぽど覚悟がないとできないよな。」(そう。何かがあったんだ。)

「なあ、チサは…(自殺を考えたことあるかなんて聞けないな…)どこ受けるんだ?」

「えっ、まだ私中2だよ。あんまり考えてないんだ。お兄ちゃんとおんなじ高校にしようかなって思ってたんだけど。」

「そうか。まあ、悪くないと思うぞ。」

(そう。うちの高校は悪くないと思う。サトミがいじめられているっていうか、うちのクラスにそもそもいじめはなかったはずだ。なんにも起こらない。いや、原因があるとすれば、…成績が下がったか?家庭の問題?失恋?考えてみればいろいろとあるな。)

「…ねえ、お兄ちゃん、聞いてる?」

「えっ、うん。何が?」

「何がじゃないよ。もう、お兄ちゃんは、何か考え出すとすぐマイワールドに入っちゃうんだから。…サトミさんってどういう人だったの?」

「えっ、どうしてサトミって名前知ってるの?」

「そりゃ私だって少しくらい情報網はあるわよ。もう中学2年生よ。」

「そうなのか。サトミって子か、…どういう子っていわれても。まあ、顔はかわいいけど、そういえば、シンジはサトミにホの字だったな。あとは、おとなしめかなあ。」

「へえ。でも、不思議だよね。自殺なんて、…。」


(シンジに電話してみよう。もし、関係があるんだったら、話を聞いてやらなくちゃいけないしな。)

 少し重く感じる手を伸ばし、電話に手をやった。ミコトは携帯などはもっていない。専ら家庭の電話機で友達とやり取りしている。

「なあ、シンジか?今だいじょうぶ?」

「ああ。」

「あのさ、昨日のことだけど、シンジは、何か知ってるのか?」

「…ああ、いや、そんなことは関係ないと思うんだけど…。」

(シンジがいつに無く真剣だ。やっぱり、心当たりがあるんだろうか。)

「あのさ、おれ、サトミに告ったんだ。」

「えっ、…そうか。(シンジ、本当に好きだったんだ。ってか、俺にも相談しろよ。)どうだった?」

「いや、だめだったんだ。ただ、このまま友達関係でいようって約束して、それから、…昨日が告ってから3日目だったんだ。俺、何がなんだか分かんないんだよ。」

「落ち着けって。シンジは告った方なんだろ。もし自殺するんなら普通はフラれた方がするって。」

「だよなあ。」

「あっ、ごめん。シンジ、自殺しないよな?」

「当たり前だろ。振られたことは一度や二度じゃないぜ。」

「さすがだな…。」(よかった。そんなことか。サトミの自殺はシンジのせいじゃない。)

「ありがとな。話せて、気がちょっと楽になった。」

「いいよ。俺もちょっと気になってて、知りたかったんだ。まあ、シンジが悩んでそうなのが分かったから電話したんだけど。」

(不思議だな、明日から、サトミがいない学校生活が、また、普通に始まるんだろうな。)


御一読ありがとうございます。

よかったらレスお願いします。

こんな小説でも、読んでもらえるというのは嬉しいです^^


★筆者コーナー★

ラピュタの女空賊の名前は、ドーラですね^^


今回の紹介は、バンプオブチキンの「花の名」です。

「生きる力をくれたから、生きているうちに返さなきゃ」

という歌詞がいいですね。よかったら聞いてみてください^^

Y−TUVEで聞けます^^

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