第2話 〜自殺の理由〜
こんにちは。第2話に進んでくれてありがとうございます。
シンジとミコトのやり取りがメインです。
ミコトの妹のチサも登場します。
あやふやな情報が確信に変わったのは、やはりTVのブラウン管を通してだった。神城高校2年生のAさんが、体育館倉庫で首を吊り自殺。(…ぜんぜん実感がわかない。なぜだろう。あのときのシンジの顔、きっと何か知っている。できれば、関係がないにこしたことはないけど。それともシンジは本当にサトミが好きで固まってただけなのか?)
翌日の学校は臨時に休校となった。
「ねえ、お兄ちゃんの通ってる学校って、結構頭いいよね。」
「世間一般にはそういわれているけど。どうしてそんなこと聞くんだ?」
「うーん、なんで頭いい人が自殺なんてしちゃうのかなって思って。」
「そうだよな。よっぽど覚悟がないとできないよな。」(そう。何かがあったんだ。)
「なあ、チサは…(自殺を考えたことあるかなんて聞けないな…)どこ受けるんだ?」
「えっ、まだ私中2だよ。あんまり考えてないんだ。お兄ちゃんとおんなじ高校にしようかなって思ってたんだけど。」
「そうか。まあ、悪くないと思うぞ。」
(そう。うちの高校は悪くないと思う。サトミがいじめられているっていうか、うちのクラスにそもそもいじめはなかったはずだ。なんにも起こらない。いや、原因があるとすれば、…成績が下がったか?家庭の問題?失恋?考えてみればいろいろとあるな。)
「…ねえ、お兄ちゃん、聞いてる?」
「えっ、うん。何が?」
「何がじゃないよ。もう、お兄ちゃんは、何か考え出すとすぐマイワールドに入っちゃうんだから。…サトミさんってどういう人だったの?」
「えっ、どうしてサトミって名前知ってるの?」
「そりゃ私だって少しくらい情報網はあるわよ。もう中学2年生よ。」
「そうなのか。サトミって子か、…どういう子っていわれても。まあ、顔はかわいいけど、そういえば、シンジはサトミにホの字だったな。あとは、おとなしめかなあ。」
「へえ。でも、不思議だよね。自殺なんて、…。」
(シンジに電話してみよう。もし、関係があるんだったら、話を聞いてやらなくちゃいけないしな。)
少し重く感じる手を伸ばし、電話に手をやった。ミコトは携帯などはもっていない。専ら家庭の電話機で友達とやり取りしている。
「なあ、シンジか?今だいじょうぶ?」
「ああ。」
「あのさ、昨日のことだけど、シンジは、何か知ってるのか?」
「…ああ、いや、そんなことは関係ないと思うんだけど…。」
(シンジがいつに無く真剣だ。やっぱり、心当たりがあるんだろうか。)
「あのさ、おれ、サトミに告ったんだ。」
「えっ、…そうか。(シンジ、本当に好きだったんだ。ってか、俺にも相談しろよ。)どうだった?」
「いや、だめだったんだ。ただ、このまま友達関係でいようって約束して、それから、…昨日が告ってから3日目だったんだ。俺、何がなんだか分かんないんだよ。」
「落ち着けって。シンジは告った方なんだろ。もし自殺するんなら普通はフラれた方がするって。」
「だよなあ。」
「あっ、ごめん。シンジ、自殺しないよな?」
「当たり前だろ。振られたことは一度や二度じゃないぜ。」
「さすがだな…。」(よかった。そんなことか。サトミの自殺はシンジのせいじゃない。)
「ありがとな。話せて、気がちょっと楽になった。」
「いいよ。俺もちょっと気になってて、知りたかったんだ。まあ、シンジが悩んでそうなのが分かったから電話したんだけど。」
(不思議だな、明日から、サトミがいない学校生活が、また、普通に始まるんだろうな。)
御一読ありがとうございます。
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こんな小説でも、読んでもらえるというのは嬉しいです^^
★筆者コーナー★
ラピュタの女空賊の名前は、ドーラですね^^
今回の紹介は、バンプオブチキンの「花の名」です。
「生きる力をくれたから、生きているうちに返さなきゃ」
という歌詞がいいですね。よかったら聞いてみてください^^
Y−TUVEで聞けます^^




