■第19話 〜戦いの後〜
緊張していた肩の力が少し抜けたこととは裏腹に、衝撃的な映像をみたミコトは自分を落ち着かせようと頭の中を整理することにした。
「今の、さっきのトカゲだよな?」
「…ええ。そうよ。」
「あれが、浄化?」
「…ええ。そうね。」
「…ああ。そうか、やったな。とにかく、浄化できて。」
自分の口からでた言葉とは別に、何か心から喜べないものをミコトは感じていた。
「…本当は、虚無羅の浄化の仕方として、もう一つ方法があったの。虚無羅の核を壊すこと。」
「…そうか。まあ、そんなところだとは、思ったよ。」
「さっきの、…力を緩めたりしたら、きっと虚無羅はミコトを襲ってたと思う。」
「ああ。そうか。」
「…ごめんなさい。」
「…いや、あやまるなよ。…漫画とかじゃ、よくある話だ。(たしかに、一瞬、虚無羅に同情した。でも、もしかしたら、あいつに食われていたのは、自分かもしれないんだ…。)
「お礼をいわなきゃな。ありがとう。」
「…いいえ。そんなことないわ。私も、あまり好きじゃないの。」
「だよな。…おれ、じいちゃんに言われたことがあるんだ。『今の人間は、この牛や豚や鶏がどうやって食卓に運ばれているか知りゃあせん。牛や豚だって泣きながら殺される。この命は、人間に食べられるために生まれてきたんじゃない。人間はおごっちゃいかん。命をもらっちょるということを知らにゃいかんとばい』って。きっと、それと似たような感じだよな。」
「…?そうね。」
セイラはなんとなく分かったような分からないような曖昧な返事を返した。
(うーん、例えが悪かったか。)
「あのさ、さっきのが、セイラの力ってやつ?」
「ええ。そうよ。」
「すごいんだな。木を操れるんだ。」
「ええ。ここには、ちょうどいい木がたくさんあるから。」
「それって、やっぱり自分のカラーに関係するの?」
「そうみたいね。私の場合は、森だから、こういう力が使えるみたい。」
セイラの体が緑色の光に包まれ、リリィが出てきた。
「やあ。」
気軽に話しかけるミコト。
「こんにちは。リリィです。」
「こんにちは…。」
「私から、少し説明いたしますね。」
人はきっと何かに守られて生きているはず。
夜、眠りに着く前、一日の出来事を思い出し、
それに感謝の詞を思い浮かべてみてください。
きっと体は温かいものに包まれ、
守り神の存在が感じられるはずです。
〜なーんて後書きもたまにはいいじゃないですか^^〜
★筆者コーナー★
「スチームボーイ」というアニメ映画を見ましたが、映像がきれいで良かったです。
話の構成も案外しっかりとしていて好きでした。ロポットとかメカを作れる人にあこがれますね。




