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新世界  作者: 北極星11
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■第14話 〜二人だけの会話〜

 ミコトは教室の時計を見た。もうすぐ昼休み。先ほどから時間が気になってしょうがなかった。山神セイラと図書室で会う約束をしているのだ。

(昼休み、何を話そう。聞きたいことは山ほどあるな…。まず、今朝会ったとかげの虚無羅きょむらをどうするか。どうやったら浄化できるのか。…あの子はどうして影がみえるようになったんだろう?少しきつそうなタイプだよな…。でも、かなりきれいだ。年下か、「神崎先輩」とか言ってくれるのかな?ああ、でも、さっきは「あなた」なんてよばれたな。旦那じゃないってのに、まったく。でも、かわいいよな。・・・)

「起立、礼。」

(よし、そろそろ行くか。)

 図書室へ移動するミコト。頭には普通の生徒には見えないポンポン(ミコトの守り神)がのっている。昼休みになったばかりなのに、ご飯を食べていないのだろうか、5,6名の生徒がすでに図書室にはいた。奥に入っていくと、すでにセイラはテーブルの上にノートを開き座っていた。

「やあ。」

 声をかけて隣に座るミコト。

「ええ。」

 少し照れているのだろうか、顔を少し紅潮させながらそっけなく答えるセイラ。

「昼ご飯は食べたの?」

「まだよ。あなたは?」

「まだ。…そっか。じゃあ、さっと話しをして、ご飯食べなきゃね。」

(…しまった、早く会話を終わらせたいように聞こえちゃったかな?)

「ええ。そうね。」

(ええ、そうねって…。やっぱ俺のことなんとも思ってないか…。まあ、今朝会ったばかりだもんな。そのほうが当たり前だ。)

「あのさ、今朝の3人組についていたトカゲ、まずはあれをどうするかだよな。」

「そうね。…まずは、あの虚無羅きょむらを本人から引き離さないといけないわ。」

「どうやって?」

「虚無羅が憑いている本人に触れて、祓詞はらいことばを唱えるの。」

「祓い詞?」

「ええ、きっとあなたも使うようになると思って、紙に書いてきたわ。少し長いわよ。」

 先ほどのノートを定規できれいに切り取り、ミコトに見せるセイラ。

「もろもろの…まがごと… つみけ・がれあらんをば…、、、ん?なんて書いてあるんだ?」

「こういうのよ。‘もろもろのまがごと、つみ、けがれあらむをば はらえたまい きよめたまへと もうすことを きこしめせと かしこみかしこみ もうす’いい?」

「うーん、これは、何度も練習がいりそうだな。」

「意味を覚えれば簡単よ。もろもろというのは、意味はそのままよ。色々なとか、そういう意味ね。まがごと、つみ、けがれがあったらお払いしてください。清めてください。そう言っているのよ。」

「そうなんだ。すごいね。…本当にそれで大丈夫?」

(ほんっと、こんなことぜんぜん知らなかったぞ。この子に会わなかったらどうしてたんだろ。…)

「ええ。きっと大丈夫よ。しっかりと念じてね。」

「このことばが通じれば、虚無羅きょむらは本人から離れて、きっと私たちを襲ってくることになるわ。」

「どうして?」

「この詞を唱えると、虚無羅は唱えた人がいなくならない限り、1日〜10日ほどで浄化されるの。…浄化といっても虚無羅にとっては死を意味するようなものだから必死だと思うわ。…」

「そっか。なんか、かわいそうだな。というか、相手もこっちを殺す気で襲ってくるよな…。逃げ切らないとだめってことか。」

(はは…しゃれになってないじゃん。まあ、あのくらいのトカゲなら大丈夫だと思うけど…。火ふいたりしないよな?)

「あとね、浄化期間を待たなくても浄化できる方法があるの。」

「どんな?」

「さっきと同じことを虚無羅相手にするの。虚無羅に触れながら‘祓い詞’を唱えるの。3回ね。」

「そうなんだ。その方が相手に追われるよりも気は楽かも。」

「そうね。でも、逃げたほうが安全の場合も多いと思うわ。ただ、注意しないといけないのは、虚無羅は物体を通り抜けることが出来るの。だから、家の鍵を閉めても無駄よ。」

「へえ。…それは、きびしいね。…じゃあ、ますます祓い詞を唱えるしかないな。」

「でも、虚無羅にも物理的な力が働くものがあるの。簡単に言うと、霊的な力が宿っているものよ。もちろん、霊って言っても死んだ人がなったりする霊じゃないわ。精霊の力、自然界が生み出す目には見えない力の源のことよ。自然界の植物などには、少なからずそういう力が宿っているわ。リリィが言うには、マナっていうらしいの。つまり、私たちが虚無羅に触ることが出来るのも、半分はマナの力を得てるってことなのかも知れないわ。いえ、マナの力が強まったというべきかしら。」

「セイラ、本当によく知ってるね。」

「リリィが教えれくれたから。」

「うちのポンポンもいいやつなんだけど…。」

「ごめんポン」

「気にしない気にしない。」

「そうですわ。守り神にもいろいろな役割があると聞いたことがありますわ。」

リリィにそう言われ、少しほっとしたポンポンであった。



説明的な会話文が長くてすみません。

マナのエネルギーが、この世界のキーワードの一つですね。

まだまだ話は続きます。

寛大な心で見てやってください。

★筆者コーナー★

「ああっ、女神様」って、もう20周年を迎えるんですね。本当にすごいです。名作ですね。アニメもなかなかよくできています。「OPEN YOUR MIND」の歌が牧歌的な響きで好きです。

 皆さんの好きな歌や漫画は何ですか?良かったら感想に付け加えてくださると嬉しいです^^今の読者数ならかなり返信できると思うのでよろしくお願いします。

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