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新世界  作者: 北極星11
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■第11話 〜緑色の目の少女〜

■第11話 〜緑色の目の少女〜


(ずいぶんかわいい?俺のことか?何をいっているんだ?いや、かわいいのかな、俺…。んなわけないよなあ。…この子のバッジは、確かに一年生だよな。)

神城高校は学年に応じてそれぞれの胸にバッジをつけて識別している。

「ううんっ。君は、えーと、1年生の子だよね。どうかしたの?」

「あなた、名前は?」

(あ…あなた?そ…その聞き方はなんだ?というか、おれの言ったことが耳に入ってないのか?)

「えーと、いいかな、君は、…」

 ふと、その少女が手を伸ばす。不思議なことに先ほどまでごく普通の目をしていた少女が、明らかに輝きを放つエメラルドの色をした緑の目に変わっている。

「もしかして、君…。」

 少女はミコトの目を見つめた。吸い込まれるような深い緑色の目にミコトはしばらく言葉を失った。なにやら少女は少し笑みを浮かべている。

「はじめまして。」

少女がミコトに話しかけた。落ち着いていて、なおかつ透き通るような声。ミコトはその声にどこか懐かしさを感じずにはいられなかった。

「ああ、はじめまして。」

(不思議な子だな。なんでこんなに落ち着いているんだろう。しかも、よく見ると肌の色すげー白い。はっきり言って、美人だよなあ。…やばっ。見とれてた。)

「私の名前は、山神セイラ。そしてこっちが、…」

 少女の体が淡い緑色の光につつまれ、形を成すものが姿を現した。それはまるでゆりの花のように白く気高い雰囲気を漂わせていた。白い羽をもった天子のような守り神だ。

「おおっ。きれいだっ。」(うちのポンポンとはえらい違いだ…。)

「失礼ポン!!」

「ああ、ごめんごめん。」

「ウフフ。ありがとうございます。私の名前はルシアン・ミシハルト・リリィです。リリィと呼んでください。」

「ああ、俺の名前は神崎ミコト。こっちが、えっと、…ポンポン。はじめまして。」

「よろしくポン。ちなみに、本当はポンポンじゃないポン。ポンテ・ポンタ・ラクリマス・リータだポン。」

(普通に覚えてなかった。ごめん、ポンポン。)

「あら、かわいらしい名前。初めまして。あなたの守り神は、空の性質ね。」

「えっ、そうなの?」

(なんか、知らないことばっかりだな。空の性質って、冒険者のゲームみたいだ。)

「ええ。わたしもリリィが言ってくれたことしか分からないけど、それぞれの守り神には生まれ故郷があるらしいの。あなたは、どうして守り神が見えるようになったの?」

「えっ、どうしてって言われてもなあ…。どうしてっていわれて、すぐに返せる答えが無いんだ。いきなり爺さんみたいな神様が出てきて、使命を与えに来たとか言って、それでこの目になったんだ。君も、虚無きょむが視えるんだろ?」

 そう言ってカラーコンタクトをはずしてみせるミコト。ミコトの目もまた、青く輝きを見せていた。

「あなた、カラーコンタクトをわざわざしているのね。どうして?」

「どうして君はしてないの?と、こちらが聞きたいな。」

「見てて。」

 セイラはミコトの目を見ながら、その場で緑色の目から、もとの黒い目へと変化させて見せた。

「す…すげー。」

「あら、そう?」

「そんなことできるんだ。」(カラーコンタクト買う前に知りたかった。俺の財布は空っぽさ…ふっ。)

「うん。でも、やっぱりカラーコンタクト、いいかも。そうか、その手があったわね。」

「どういうこと?」

「ええと、まずね、目の色を黒くするには、リラックスして、心の中で、『もどっていいよ』って優しく唱えるの。」

「こうか?どう?できてる?」

「おおっ。できてるポン。でも顔が微妙に怖いポン。」

「仕方ないだろ。優しく微笑ほほえんでる感じなんだから。あっ、こんなにすぐできるなんて思わなかった。すげー。俺って天才?」

「調子にのらないポン。」

「すごいわ。天才かどうかは分からないけど。でも、やっぱり、集中したり、興奮したりすると、目の色はもどってしまうの。それに、影も見えなくなるでしょ?」

「あっ、本当だ。虚無きょむが見えない。」

 走っている生徒に目をやるミコト。さっきまで誰にでもあった影(こころの虚無)が見えない。

「その目でも、虚無羅みたいに強い力の影を見ることが出来るけど、力がうまく使えないの。」

「そうなんだ。って、力?力って何?」

「そうね。いえ、あなた、本当に守り神さんから、何も聞いてないのね。それでよく学校へ来れたわね。怖くなかったの?」

「本当だよ。ポンポン。どうして教えてくれなかったんだ?」

「ポンポンもミコトの力なんて知らないポン。きっと、爺ちゃんなら知ってると思うポンが…。」

「まあ、いいや。きっと、本当にポンポンは知らないんじゃない?人間だっていろいろあるだろ?」

「ええ。まあ、いいわ。結局のところ、あなたも私も虚無羅を浄化するのが目的よね。これからはお互いに仲良くやりません?」

「もちろん。心強いよ。こちらこそよろしく。」

「私は1年B組にいるわ。あなたは。」

「俺は2年B組。同じB組なんだね。」

「そうね。10分の1の確率ね。」




新キャラクターの登場です。

彼女が出てきて、話の流れが大きく変わってきます。

ハラハラドキドキ系が多くなるかもしれません。

話の上でつじつまが合っていないところがあれば、教えてください。

★筆者コーナー★

「ブレイブストーリー」漫画も映画も見ました。小説は読んでません。><

漫画のほうがいいなと思います。

絵がきれいですね。

カバーはミュシャを思わせます。

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