■第10話 〜出会い〜
「学校にいるだけで、こんなにそわそわするなんて思わなかったな。」
自転車をおいた二人(一人と一匹)は、二階に上がろうと階段に足をかけた。そのとき、今来た駐輪場のほうから、珍しく悲鳴が聞こえた。
「きゃー。」
「どうしたんだ。」
登校をしたばかりの生徒が集まってくる。
「何を見てんだよっ。おう、もう行くぜ。どけよっ。」
この神城高校にしては珍しい、いわゆる不良だ。1年生と思われる少女が一人、殴られた形跡もなく、倒れこんでいた。
それを見てごくりとつばを飲み込むミコト。
「あっ、いたポン。ミコト、今の不良グループの肩に乗ってるの、全部で3匹。いたポン。まずいポン。いきなり3匹は…。」
「ああ。よかった。予想してたよりは、まだましだ。…トカゲっぽいよな。」
3人の不良グループが歩き去っていくのを見届けるミコト。その肩には確かに黒く異様な物体がそれぞれ一匹ずつ乗っていた。体長は20センチほどだろうか。それはまさしくトカゲの様態をしていた。せわしく人の体を歩き回る影。これが虚無羅というものなのか。3人には影が見えない。おそらく3人の影を凝縮してあのような形になったと見るのが正しいだろう。
「だいじょうぶ?」
「ありがとう。だいじょうぶよ。ちょっと押されただけだから。」
さきほど倒れていた少女が起き上がる。周囲にいた生徒も安心した様子で、何かをつぶやきながら玄関へと向かい始めた。神城高校では、珍しい光景だったのだろう。興奮気味の男子高校生、「なによ、やな感じのやつら。」と不平不満をぶつけている女子高生。いつもと違った情景が見受けられた。
「よかった。女の子はだいじょうぶそうだな。」
少し遠巻きに見ていたミコトは、ほっと肩をなでおろし、次に何をすればよいかを考えようとしていた。しかし、少女はミコトの方を見つめていた。
(あれっ、どうかしたのか?なかなかかわいい子だな。)
野次馬連中も、その足が教室に向かいだした。なぜか少女はこちらに近づいて来るようだ。少し細身の体で、背もそれほど高くないその少女は、なぜか不思議な雰囲気を放っていた。その少女が、栗色をした肩にかかるかかからない位の髪をリズムよくゆらしながら近づいてきた。
「おはようございます。」
その少女は、不意にあいさつをしてきた。(えっ、俺に?もしかして、この子、俺に気があったとか?)
「ああ、おはよう。」(おっ、なんかドキドキする。)
「ずいぶんかわいいんですね。」
(はっ?)
いつでもレス歓迎です^^
次回はこの少女の名前が分かります。
かなり物語りに関わってくるので、いいキャラにしていきたいとは思っていますが、どのような性格なのかは作者にも分かっていません。エ○ゲリオンの綾○レイをもうちょっとくだけた感じに考えてはいるのですが・・・。
というわけで、いつものように取り留めの無い終わり方ですみません。
次回も読んでもらえると嬉しいです。
★筆者コーナー★
ちなみに、エヴァンゲリオンを見たのは最近です。
これもY−tUBEでみました。
今は「ああっ女神様」をみています。




