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052 ”夢”の最上級職 <04/05(金)AM 11:54>


 ※※※ 注意 ※※※


 ただいま [夢の洞窟] 中です。



 大量だったり、黒かったり、テカってたり・・・そういうのが苦手な方は、しばらく読み飛ばしていただいた方が良いかと思います。ご注意下さい。


 [夢の洞窟]終了まで目印として、無理矢理サブタイトルに”夢”の文字を付けていこうと思います。よろしければ参考にして下さい。



052 ”夢”の最上級職 <04/05(金)AM 11:54>


 出会いの街[ヘアルツ]に到着して2日目、LV12になった俺は”プレイヤーショップ巡り”に繰り出した。そして南口2前の広場付近にやって来たところで、[夢の洞窟]探索の募集を見つけてしまい、参加を決定する。

 その後 南口2方面の西(←)の岩山にある[夢の洞窟]入り口前にて、準備を済ませた俺達3人は、”夢”の様な[夢の洞窟]内へと突入し、LV15以上のモンスターである”G竈カマド”LV16を発見、”狂戦士”であるケイのダメージ調整をしてから、一刀両断で片付けたのだった。



◆◆◆◆◆

TJOには、”狂戦士”という職がある。「一例として戦士を選び~常に強敵と戦い、大ダメージを受けながら戦っていれば狂戦士へ」と紹介されている通り、


『自分のLV以上の敵と戦い、戦闘中に一度以上、一撃(※)で30%以上のダメージを食らう』・・・という戦闘を、100回以上行えば昇格(分岐ルート)出来る。(※この”一撃”は、ごく短時間(数秒以内)の連続攻撃、連続HITでも可)



 そして、1000職あるというTJOでも、”かなり異色である”この”狂戦士”という職は、これが『最上級職』である。つまり”聖騎士”や”忍者マスター”などと同等で、これより上の階級などは無いのだ。”みならい戦士” → 昇格 → ”狂戦士” 終わり、である。

 そうすると下手をすれば、はじまりの街[スパデズ]の内に”最上級職になれてしまう”わけだが、この段階では、それほどの強さには ならないのである。(もちろん他の下級職とは比べものにならないほど強い)


 例によって”正確な数値は提示出来ない”のだが、攻略サイト有志による検証結果などからの推測値データは以下のようになる。


>ざっと基本4職の補正、ボーナスをまとめると以下の様な感じである。

みならい戦士   STR大、DEX、VIT、攻撃&防御&HP回復速度補正

みならい斥候   STR、DEX大、(LUC補正?)

みならい僧侶   INT、VIT大、MAG、治癒&支援&MP回復速度補正

みならい魔法使い INT大、MAG大、魔法&MP回復速度補正


 主人公は現在、以下の様に、”みならい僧侶”と”僧侶”の2つの職の補正が”重複して効果が出ている”。

みならい僧侶 INT、VIT大、MAG、治癒&支援&MP回復速度補正

僧侶     INT、VIT大、MAG、治癒&支援&MP回復速度補正


 しかし狂戦士は以下の様に、”みならい戦士”の補正は”消滅”し、”狂戦士”の補正のみ、となっているのだ。

狂戦士  STR極、全ステータスに+LV%補正、攻撃&HP回復速度補正(極)


※ステータス補正は、1.1倍、大補正は1.3倍、巨(大)補正が1.5倍、極(大)補正は2.0倍、スキル補正などは1.5倍と”言われていた”。


 この”全ステータスに+LV%補正”により、LV1では、+1%でしか無いが、LV100では、STR極補正(2.0倍=+100%)に加え、さらに”全ステータスが+100%される”、さらに攻撃に(極)つまり+100%補正という、極めて凶悪な補正を持つ職である。


 それでは何故多くのプレイヤーが、”簡単になれて最強”の様な、”狂戦士”を目指さないのか?というと、”制約”、”制限”、”条件”が厳しすぎる・・・・・からなのだ。

 一見「自分のLV以上の敵と戦い、戦闘中に一度以上、一撃(短時間の連続HITも可)で30%以上のダメージを食らう」というのは、そこまで”大した条件では無い”様に思えるかと思う。とくに「大ダメージって、たった30%?、しかも1回?」などと感じられるのでは無いだろうか。

 だがしかし、これを『満たし続ける』のは並大抵では無い。



 TJOには”降格”という”マイナスのクラスチェンジ”が存在する。”狂戦士”になったから、と言って、自分の”LV未満”の敵を、”ノーダメージで倒したりしている”と、ただの”戦士”に強制降格クラスチェンジさせられるのだ。そして”狂戦士”には”みならい戦士”からしかなれない = ”元には戻れない”のである。

 また”戦士”からは”騎士”、”双剣使い”、”侍”などの、いわゆる”みならい戦士”系での、花形、人気職にも なれず、戦士職としてプレイするか、商売人、鍛冶屋などへ”転職”するしか無くなるため、他になりたい”みならい戦士”系の職があるプレイヤーは、博打ばくちの様な”狂戦士”を選ばないのである。


 ・・・とはいえ、少々の”楽な戦闘”で強制降格クラスチェンジさせられるわけでは無く、条件を満たさない戦闘が”25%まで”であれば、問題は無い。

 しかし単純な話であるが、雑魚を倒すのは”容易で一瞬”であるが、強敵との戦闘はリスクも高く、時間もかかる。つまり、ちょっと低LVの雑魚の群れを一掃して「うひゃーwww俺TUEEEEwww」などと強さに浸っていると、あっという間に降格してしまうのである。

 そのため高LVの”狂戦士”プレイヤーが、かなり低LVの”アクティブモンスター”に襲われて、一目散に逃走している姿が時折見られる。”実るほど頭を垂れる稲穂かな”、”韓信の股くぐり”などと言っても良いかもしれない。まぁ臆病で逃走しているわけでは無いのだ、これもヤマコウの呪い。


 そういった理由で、低LVの内には そこそこ見かける”最上級職”の”狂戦士”だが、LVが上がるに連れてどんどん少なくなって、高LVで”狂戦士”を維持し続けられるプレイヤーは稀である。つまり、簡単になれるけれども”レア職”であるのだ。



 また、”狂戦士”の異色性の一つに”アクティブスキルが無い”というモノがある。(※”奥義”は除く)

 下級職には”アクティブスキルが無い”モノもそれなりにあるのだが、最上級職となると、ほとんどの職にアクティブスキル、まぁ言ってみれば”必殺技”がある。

 しかし”狂戦士”は以下の様に、基本的に全て[P]、常時発動パッシブスキルであり、その”強力な補正”と”パッシブスキル”を頼みに、ひたすら『通常攻撃を繰り出すだけ』の職という事になる。そのため”単調さ”を嫌って(飽きて)転職してしまう者もいる。


・虫の知らせ[プレモニション][P] LV50以上の時、半径15m範囲の戦闘状態の存在を察知する。

  補足:歴戦の戦士が備える直感、警報:急襲[レイドアラート][P]の”みならい戦士”版のスキル。


・仮初の不死[ワンス・イモータル][P] LV50以上の時、致死ダメージを受けても、120分間に一度だけHP1で耐える。

  補足:発動後120分間はリキャストタイムとなる。継続ダメージや連続攻撃には弱い。


・鋼の肉体[ボディオブスチール][P] 一撃で80%以上のダメージを受けた時、80%以上のダメージをカットし、カットした分の”%MP”を消費する。(上限40%まで)

  補足:常にHPを80%以上に保っていれば死ににくいが、一部の特殊系、即死系のスキルなどには効果が無い。継続ダメージや連続攻撃にも弱い。また”140%以上のダメージ”を受ければ、上限の40%までカットされても、残りが100%を超えるため即死する。


・闘争本能[ファイティングインスティンクト][P] 攻撃時、それまでの累積被ダメージ(受けたダメージ)%分、威力が加算される。

  補足:”戦闘状態”を解除するor攻撃後、”累積被ダメージ%”はリセットされる。



 ”狂戦士”の難しさの一つに、ステ振りがある。被ダメージ = 攻撃力スキルであり、そもそも一撃で30%以上のダメージを受けなければ・・・・・・、いずれ降格させられる。

 つまり、VITに振りすぎてMAXHPを増やし過ぎると、攻撃力スキルでのが落ちる、降格する確率が上昇する、とデメリットになりかねない。しかしMAXHPが少なすぎても、自分より高LVのモンスターと戦うのは厳しくなる。”アクティブスキルが無い”=MAXMPの増加は ほぼ無意味である。MAGやINTに振る意味は皆無であろう。


”狂戦士”という響きやイメージと裏腹に、繊細なプレイと計画性などが要求される難職なのだ。もちろん赤ネームになれば”賞金首”に”強制転職”なので、迂闊うかつな真似をするプレイヤーも少ない。(居ないわけでは無い)

◆◆◆◆◆



「いつ見ても”狂戦士”は凄いですねぇ」

「あ~、色々と面倒なだけはあるよな~、俺にゃ無理だわ」

 色々すぎる・・・ところが、ヤマコウらしい・・・というか何というか。まぁこういう挑戦者魂チャレンジスピリットは俺も嫌いじゃない。ケイ頑張れ。


「それでドロップなんだが、本当にいいのか?」

 ヒイラギが確認してくる。


「えぇ、いつも”こう”だったので大丈夫ですよ」

 ゲーム時代から これでやって来れたから、まぁ問題無いだろう。いよいよとなれば”首輪”もあるしな。


「そうか、それじゃケイ、とりあえず俺が預かっとくぞ?」

「あぁ、頼む」

 俺とケイの返事を聞いて、ヒイラギが”G竈カマド”LV16の残した、”624G”と”竈汁かまどじる”を拾って収納する。


 「………」この[夢の洞窟]の”非アクティブモンスター”達の”通常ドロップ”は、この”汁”類である。知らないっ、何の”汁”なんだか、知りたくも無いっ。もうやだ このダンジョン。


 ・・・あぁ、はいはい、”Gフライ”が不気味な”フライ汁”、”G亀”が臭っさい”亀汁”、”Gブラック”が とにかくヤな”ブラック汁”、”G竈”が得体の知れない”竈汁”、ですよっ。


 なんか”調合素材”として結構”良い値”で取り引きされ・・・知ら~んっ、欲しい奴が取りに来ればいいじゃんっ、自分で取りに来ればいいじゃんっ。みんな取りに来たく無いから、値段が上がって・・って、知るかぁ~、しるが欲しいなら自分で拾いに やってこいやぁー。(ぶちギレ)



 あ~、もう気分転換にさっき(前回)の戦闘の解説、解説~。

 まず”狂戦士”は、簡単に言えば「自分のLV以上の敵に、一撃で30%以上のダメージを食らう」必要がある。ケイは”LV15”であるため、LV14以下の敵は全て無視ムシ。(あははヒイラギさんおもしろーい)


 それでLV16の”G竈カマド”と戦う事になったが、初撃で倒してしまうと”条件”をクリア出来ない、だからとりあえず”キック”という”どうでも良いFA”を取って、相手に攻撃をさせ、一撃で30%以上のダメージを食らえる様に、防具を外したりして”ダメージ調整”をした。


 無事?”一撃で32%ほど”食らって”ダメージ調整”が終了したので、ケイは攻撃に移ったわけだが、ケイはLV15、推測だがセオリー通り”STR極振り”であると仮定すると、STRも15、まず”STR極”補正で、STR+100%、さらに全ステータス+15%(+LV%)補正で、合計でSTRに+115%補正 = STR32相当となる。

 それに攻撃(極)補正で+100%が加算されたのが、ケイの”基本攻撃力”であり、もはや”この時点”でも既に相当な化け物であるのだが、


闘争本能[ファイティングインスティンクト][P] 攻撃時、それまでの累積被ダメージ(受けたダメージ)%分、威力が加算される。


 このスキルによって、”調整中”に食らったG竈の”キック”3回分、”15%”+”28%”+”32%” = 計約75%の累積被ダメージが、”攻撃力75%”に変換?され加算される。

 そして無造作に振り下ろした”鉄の大剣”の切断、衝撃属性の攻撃によって、LVはケイより上なのに、哀れ”G竈”LV16は一撃で真っ二つになってしまった。・・・というわけですよ。夢の『最上級職』、”狂戦士”凄まじい

LV:12(非公開)

職業:みならい僧侶(偽装公開)(僧侶)

サポートペット:ミケネコ/三毛猫型(雌)

所持金:4,961G

武器:なし

防具:布の服

所持品:10/50 初心者用道具セット(小)、干し肉×21、バリ好きー(お得用)90%、樽(中)90%、コップ(木)、サクランボ×1、鋼のナイフ、鉄の斧、青銅のブーツ、賞金首の首輪[†カムイ†]懸賞金:94,000G、鬼王丸×2



「ね~、ご主人さま~、ないようがないよ~」

「あははミケネコさんおもしろーい」

「だいじょうぶ~?」

「なにぃ?・・・1×1= いち、2×2= シノ<ピー>、3×3= アイ<ピー>、4×4=るいるい・・・大丈夫、俺は”正気”だ」

「ご主人さまが~・・・」

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