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【TJO仕様&設定 その03】 賞金首について


【TJO仕様&設定】


 サウザンド・ジョブ・オンライン(Thousand Job Online)略してTJOには、色々と特有な仕様と設定が存在しています。それらは主人公達に語らせて説明するべきなのでしょうが、実力不足により出来そうもありません。

 しかしこの主人公はTJO経験者で、これらをある程度熟知しているため、それを知らない、読んでいただける皆様にフェアで無くなり、説明していないと「何故そうなったのか?」「どうしてそうするのか?」がイマイチ理解出来ないと思います。

 そういった”説明しておかざるを得ない仕様と設定”に関しては、その都度こうして1話分とって解説させていただきたいと思います。申し訳ありません。



※「いや、そういうの興味無いから」という方は、とりあえず読み飛ばしてください。

今後「これどういう事?」と思った時にでも参考にしていただければ、と思います。



◆◆◆賞金首について◆◆◆


 TJOには善行悪行値ぜんこうあくぎょうちという要素があり、良い行いでプラスされ、悪い行いでマイナスされる。


 そしてそれはネームカラーで区別される。

青(善良) > 白(一般) > 黄(軽犯罪者) > 赤(賞金首) である。


 その中で”白(一般)”と”赤(賞金首)”には、色の濃淡が無い。



 赤色の”レッドネームプレイヤーになると、”非表示”に設定してあっても、”強制的にLVが表示”され、職業は”賞金首”となり、悪事に応じた賞金額が表示される。


現在の主人公の場合、”LV非表示”、”職は偽装”しているため、

・マサヨシ みならい僧侶  …と表示されているが、

・LV10 マサヨシ 賞金首:500,000G  …の様になる。


 これは黒ネーム(死亡時)の様に、”一時的に”ではなく、”強制転職”という扱いで、元が聖騎士だろうと大司祭だろうと皆、”賞金首”となり、復帰しても元には戻らない。(クビとか、懲戒解雇とか、そういう扱いなのである)



 前述の通り、レッドネームに”色の濃淡は無い”のだが、賞金額の1/1000 時間が、罰則の期限にもなっていて、1時間毎に賞金が1,000Gずつ下がり続け、賞金額が0Gになる=逃げ切り(時効)が成立する。(先ほどの主人公の場合、賞金首:500,000G(500k) = 500時間で時効)

 ただし、この1時間は”街、村の中”以外、かつ”安全地帯”以外で無ければカウントされない、ようするに”賞金稼ぎに狩られる場所”で過ごし、逃げきらなければならない。

 そして睡眠と同様『連続した1時間経過』、で”1,000G下がる”ので、”安全地帯”などの近くで、数秒や数分ずつ出たり入ったりしていても一向に減少しない。


 また当然の事ながら、さらに悪事を重ねると、その都度”賞金額が上乗せ”されていき、時効までの時間も延びていく。


 逃げ切り(時効)が成立すると、”真っ黄色ネームに戻る”のだが、職業は強制的に”前科者”という職業となり、社会復帰までの日数(108日)と一緒に強制的に表示される、これも非表示や偽装は出来ない。

(主人公の場合、”LV10 マサヨシ 前科者:108日”の様になる)



◆◆◆職業:賞金首、前科者の仕組み◆◆◆


 ”賞金首”、”前科者”は基本4職の”さらに下の職扱い”で、かなりの装備制限、クエスト制限などがある。また当然ながら、『そんな”最下級職”に”強制転職”するため、それまでの職補正、職ボーナスは”全て消滅”し、スキルも”何も無い”状態』となる。

※これはTJOにおいて非常に重いペナルティである。

 簡単に言うと、この”賞金首”、”前科者”、そしてゲーム開始直後の”村人”の3職は『1000職の中で最弱』という事であるからだ。



 これら職補正、職ボーナスなどの”詳しいデータは提示出来ない”ため、作中の「攻略サイト有志による検証結果からの推測」と比較すると、


 基本4職の補正、ボーナス

みならい戦士   STR大、DEX、VIT、攻撃&防御&HP回復速度補正

みならい斥候   STR、DEX大、(LUC補正?)

みならい僧侶   INT、VIT大、MAG、治癒&支援&MP回復速度補正

みならい魔法使い INT大、MAG大、魔法&MP回復速度補正


村人       無し

前科者      LUCマイナス大

賞金首      LUCマイナス極


 ・・・といった感じである。

 ”前科者”と”賞金首”は、LUCに”かなりのマイナス補正がかかる”ため、罠にかかりやすい、ドロップなどが少ない、クリティカルを受けやすい、などの”不運”に見舞われやすくなる。


 こちらも主人公を例に上げると、


みならい僧侶 INT、VIT大、MAG、治癒&支援&MP回復速度補正

僧侶     INT、VIT大、MAG、治癒&支援&MP回復速度補正

 という、2つの職の補正が”重複して効果が出ていた”のに、


賞金首   LUCマイナス極

 ”だけ”となる。


 ”賞金首”に”転職”すると全ての補正が無くなり、LUCマイナス補正だけになるという事だ。また”みならい僧侶”系のスキルである、治癒魔法[ヒーリング]なども全て失われ使用出来なくなる。



 最後に”前科者”の場合、108日間とにかく地道に宿屋代などを稼いで、基本4職に戻るのを待たなければならない。108日過ぎれば晴れて”社会復帰”となり、一番最初に選んだ基本4職に戻り、再スタートとなる。残念ながら、ログアウトしている間の時間、日数はカウントされない。

※前科者の場合、最初”真っ黄色=末期色”であるので、何か悪事を行うと、すぐさま”賞金首”に逆戻りとなる。”保護観察処分”の様な扱いとなる。



◆◆◆賞金首の懸賞金などの仕組み◆◆◆


 レッドネームに対する懸賞金は、”王国”が”冒険者ギルド経由”で懸けた、という扱いで、その悪事に応じて、増額=時効までの時間が延びる。そして”手軽にGが稼げる”ため、高LVプレイヤーや、Gが不足しがちな職業やクランなどに追い回される。


 当たり前であるが、高額であればあるほど、より高LVプレイヤーや強力なクランに目を付けられる。そして、同じく金に困っている”黄赤ネーム”にも襲われる。白ネームプレイヤーを殺害しても、デスペナルティは所持金の1/100、しかし黄赤ネームであれば1/10であり、効率が良いためだ。

 このため”賞金首”は基本的に、他の誰も信用できず、一人で逃げ回るしか無い事が多い。まぁ実際の”賞金首”なども、仲間や知人に裏切られ売られる、というのは良く聞く話だろう。



 賞金首の懸賞金の最低額は、時効換算で”7日”、24時間×7日=168時間。168時間×1,000G=168,000Gである。

 つまり軽犯罪の”累積”でレッド化した様な、軽度?の賞金首であれば、とにかく”1週間逃げきれば良い”という事になる。


 またTJOには『処罰』という仕組みも存在する。通常のプレイでのPKや、パーティ、クランなどの同行者との戦闘中の誤爆、FFフレンドリーファイアも問わず、『他のプレイヤーから攻撃を受けた』場合には、それらの処分を選択する事が出来る。

※ただし両者の合意のもとで、ギルドで行う決闘、決戦等は記録されない。また当然の如く、王国公認で殺害許可の出ている”賞金首”の間も記録されない。”賞金首”に人権は無いのだ。


 メニューバーの「オプション設定」に「処罰」という項目があり、それを選択すると”72時間(3日)以内に自分を攻撃したプレイヤー”が一覧で表示される。


例)

《損害に対する対応を選択して下さい。残り6件》

《ブラックリスト登録と処罰をする場合は、先にBL登録を行って下さい》

※ブラックリスト=迷惑プレイヤー登録


《名:A男 損害:殺害  処罰 BL登録 許す <保留> 00:10前》

《名:A男 損害:負傷  処罰 BL登録 許す <保留> 00:10前》

《名:A男 損害:負傷  処罰 BL登録 許す <保留> 00:11前》

《名:A男 損害:負傷  処罰 BL登録 許す <保留> 00:12前》

《名:B子(同行者) 損害:負傷  BL登録 許す <保留> 27:46前》

《名:C男 損害:負傷  処罰 BL登録 許す <保留> 70:27前》


1時間=1,000G(1k)として、

・”負傷”に対し処罰を行った場合、対象に10時間分(10,000G)のペナルティが課せられる。

・”殺害”に対し処罰を行った場合、対象に100時間分(100,000G)のペナルティが課せられる。

 イエローネームであった場合は、黄色が濃くなっていき、場合によっては”賞金首”になり、すでに”賞金首”であった場合は、懸賞金に上乗せされ時効が遠のいていく。


 ただし、パーティ、クラン等の”同行者”の場合は、BL登録しか出来ず、”処罰”は出来ない。悪質な相手であればBL登録して、今後はパーティを組まない、クランを抜ける、クランから追放するなど、各自で対応を考えるしかない。

 黄色ネームだと”探索募集などを断られる”、”クランなどに入れてもらえない”、”師弟になってもらえない”などは、このためでもある。自衛は当然の権利なのだ。


 これらは、システム的に課せられるペナルティに、”上乗せして課せられる”ものであり、基本的には、悪質であったり、故意であったりが、明確な場合に行われる。


 また72時間の猶予があるため、逆恨みを警戒し即座に処罰せずに、2、3日目の早朝、深夜などに行われる事が多い。

 このため すでに”逮捕””殺害”され、懸賞金が支払われた後だと、賞金稼ぎが”差額分の損”をしていたため、アップデートにより、支払い後に上乗せがあれば、まとめて”72時間後に所持金に加算”され、『賞金首の首輪』を所持していた場合は、上乗せされる度に、そちらに加算される様に修正された。


 また72時間経過すると、自動で <許す> を選択した事になるため、故意の攻撃を受けた等で”処罰”する時以外は、放置しておけば良い。

 パーティ内での不幸な事故による、やむを得ない誤爆、FFフレンドリーファイアで、悪質性が無い事が明白な場合は、何もしなくて良いという事だ。(無論さっさと”許す”を行い、速やかに処罰リストから消す事も可能である)



◆◆◆賞金首の”逮捕”と”殺害”について◆◆◆


TJOでは、”賞金首”は”西部劇の手配書”などと同様、DEAD or ALIVE、つまり「生死を問わず = 生きたまま捕まえるか、無理なら殺せ」である。


 さてレッドネームプレイヤーは、その”賞金首”であるので、”逮捕”と”殺害”が選べるのだが、『逮捕だと賞金満額』支払われるのだが、『殺害だと賞金半額』となってしまう。


 もちろん賞金首を”攻撃”しても”殺害”しても、善行悪行値にペナルティは無い、ただし街中で”警告”を無視して”戦闘状態”に切り替えると、当然ペナルティとなり、そのうち守衛がやってくる。

 しかしこの仕様で”安心しきっている高額賞金首”などが居ると、黄色覚悟で”戦闘状態”に切り替えて、守衛が来る前に”殺害””逮捕”しようとするプレイヤーも居る。また元々黄赤ネームなどは、街中など関係無く平気で襲ってくる。(「まったく、高額懸賞金に目の色を変えおって、なげかわしいのぅ」とは、元”賞金首”のジイさんの言葉である。おま言う)



 『殺害』の場合、証拠として”賞金首が死亡した場合にのみドロップ”する『賞金首の首輪』を、”最寄りの冒険者ギルド”に持っていけば良いのだが、”賞金が半額”になるのは”本人が討ち取ったのか”、”モンスターなどに敗れたのか”等々が、判断出来ないため(という設定)らしい。

 実際、死亡したプレイヤーに賞金がかかっていれば、たまたま発見した死体ブラックネームから、デスペナルティの袋(G)と一緒に落ちている『賞金首の首輪』を入手し、最寄りの”冒険者ギルド”に届ければ賞金(半額)が貰える。ようするに『賞金首の首輪』も 突発的な宝箱 という扱いである。

※ちなみに最初は”賞金首の首輪”は”満額表示だった”のだが、「まぎらわしい」「実際に貰える額を表示しろ」というクレームが多かったため、首輪は”最初から半額で表示される”様に変更された。


 『逮捕』の場合、”賞金首”プレイヤーのHPを19%以下にすると、”賞金首”プレイヤーは強制的に”気絶状態になる”ので、道具セットなどに入っている”ロープ”等を使用して”逮捕”し、最寄りの冒険者ギルドに連れていけばよい。この”逮捕時”はペットの様にスムーズに引き連れて移動できる。

 すぐに”逮捕”しなかった場合1分後に正気に戻る。しかし19%以下になると何度でも”気絶”する。通常の狩りなども不便で危険となるが、これも賞金首へのペナルティとなっている。(ようするにHPが19%以下になる度に”ピヨる”という事である、ちなみにレバガチャ無効)

※この”気絶”、”逮捕中”のプレイヤーの状態は、死亡時と同様に”専用のペナルティ映像と音楽”をお楽しみ中なので、反撃や逃亡など気にせず、安心して”逮捕”、”連行”してギルドに引き渡せば良い。


 ちなみに”殺害”された場合は、最後に触れたクリスタル前で復活し、その復活にあわせて、そこかしこからやって来た無数の”守衛”に取り押さえられ連行ドナドナされる、後は”逮捕”された場合と同様の扱いとなる。


 ”逮捕””殺害”された賞金首は、いったん各冒険者ギルドの牢に6日間投獄される。そして7日目、所持金や、足りなければ所持品等を売り払って”保釈金”を払えれば、すぐに”前科者”となって釈放される。

 しかし、保釈金が払えない、払いたくない場合は、保釈金分を稼ぐまで炭鉱等での”強制労働”となる。(某地下帝国みたいなところで、”石”や”岩”といった無機物モンスター?を、ひたすら狩り続ける楽しいゲームが待っています、ちゃんと時給1,000G出ますので安心して保釈金分を稼いで下さい、ビールおつまみ売ってマス)


 ちなみに、この保釈金は、投獄された時点での”賞金額の2倍”である。

 つまり王国は”懸賞金を一時的に肩代わり”していただけで、懸賞金+肩代わり料として50%、もう50%は冒険者ギルドの収益というかたちとなる。


 よって結局のところ賞金首は、王国と冒険者ギルドにとっても”貴重な収入源”となっており、『賞金首の懸賞金は、全てその”賞金首”自身が払っている』という事になる。ヤマコウえげつないな。



 さてTJOでは死亡時にはデスペナルティ(死んだ罰則)として以下の罰則がある。

・赤ネームだと所持金の1/10を落とすうえ、LVが1ダウンする


 このためレッドネームを嫌うプレイヤーや、個人的な恨みがあるプレイヤー等は『受け取れる”賞金が半額”になろうとも”殺害”して、レッドネームプレイヤーの”LVダウン”を狙う』という。

 逆にとにかく稼ぎたい高LVプレイヤーやクラン等は、”満額”目当てで”逮捕”を選ぶ事が多い。



◆◆◆やり直しについて◆◆◆


最後にキャラクターの削除と新規キャラクターについて


 TJOでは1アカウント1キャラクターのみである。つまりやり直すには、キャラクターを削除するしか無い。しかし”賞金首”、”前科者”、”強制労働”が嫌で、キャラクターを削除してやり直そうとすると、


《キャラクターの全てのデータを削除して やり直します。》

《警告:貴方は賞金首(前科者)なので、新規キャラクターは賞金首(前科者)からのスタートとなります。》


《キャラクターを削除しますか? yes / [no] 》



 ・・・などと警告される。知らなかったのか?ヤマコウからは逃げられない。


◆◆◆◆◆



 以上の様に、サウザンド・ジョブ・オンライン(Thousand Job Online)略してTJOは、それなりに自由度が高く、やろうと思えば色々な事が出来る・・・のだが、悪事、犯罪行為には厳しい、ヤマコウクオリティ〔※1〕のため、それらをよく知らない初心者以外は、そこそこマナーを守り常識的な行動をしていた。


〔※1〕TJO総合統括プロデューサー 山岡 光一 ヤマコウ(通称)(CV:小山力也)

 長所短所、メリットデメリット、リスクリターンといった事を重要視する。挑戦者魂チャレンジスピリット開拓精神フロンティアスピリットを評価し、停滞、安定、マンネリを嫌う、TJOの理念に大きく影響を与える人物。

 彼の理念により、ただ得する、ただ損する、何のリスクも無いのに強力、苦労したのに儲けが無い、などといった理不尽さが、ほぼ存在しないゲーム性となっている。強力な攻撃、効果には必ずなんらかのリスク、代償を伴う。

 またゲーム内、ゲーム外を問わず、悪事、犯罪行為には厳しい。過去作でも迷惑行為、RMTチートbotなど、容赦なくBANしてきた実績を持つ。



「ん~、ちんぷんかんぷんだよ、ご主人さま~」

「まぁ、お天道様はお見通し、身から出たサビ、天網恢々てんもうかいかいそにして漏らさず、因果応報・・・とか、そういう事だな」


「おてんとう、からでた、カイカイ、おほ~?」

「混ぜるな、まぁ”こんな設定なので、TJOは自由度が高くても、大半のプレイヤーは悪事をせずプレイしてますよ”って事だ」

「わるもの、すくない~?」

「そうだ、まぁゲーム時代よりも、何故か未経験者が多い?みたいだから、少し事情が違う様だが」

「ふ~ん?」

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