表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/98

N004 転職ショック <03/28(日)AM 10:53>



今回も ネイコさん視点 でのお話となります。



※主人公(達)がスルーしてきた「最初の一度きりの説明」とは、

一体どういうモノなのか?というお話になります。




 チュートリさんの後について、南の門を通り北?へ歩いて行くと、前方に、ゆっくりと回転しながら、ぷかぷか浮いている”青い色の丸い水晶玉”が見えてきた。


「んふふ~、そんじゃ、もっかいコレにさわってみよっか~」

 目の前でふわふわ回転している水晶玉にさわってみる。するとまた、目の前の空間に文字が浮かび上がり、頭の中に誰かの声と、ファンファーレ?が聞こえてきた。


《おめでとうございます!LVが上昇しました! LV1 →LV2》

《このクリスタルではLV2までしかチェック出来ません、以降は別のクリスタルでチェックを行って下さい。》


《おめでとうございます! ”らびっとはんたー(仮)” への転職条件を満たしました。》

《”らびっとはんたー(仮)” へ転職しますか? yes / [no] 》


「らびっとはんたー(仮)?」

「ん~、とりあえず「イエス~」って念じてねん」

 えっと、「イエス~」


 すると目の前の空間に文字が浮かび上がり、頭の中に誰かの声と、先ほどとは別のファンファーレ?が聞こえてくる。


《おめでとうございます!”みならい斥候” → ”らびっとはんたー(仮)” へ転職しました。》



「ほ~い、これが”LVUP”と”転職”ね~」

「”LVUP”と”転職”・・・」

「順に説明するよ~、まず”LVUP”は~、色々な経験をして、経験値をためて、”クリスタルにさわってLVUPのチェック”をした時に、経験値が十分足りていればLVUPするのね~、”クリスタルにさわらないとLVUPは絶対にしない”から~、ちょくちょく触ってチェックした方がいいわよん」

 なるほど、よくあるゲームみたいに、経験値がたまった瞬間にLVUPとかはしないのね。


「それから~”昇格”と”転職”ね、」



◆◆◆◆◆

TJOにおける昇格クラスチェンジ転職ジョブチェンジ、について


TJOでは大まかに、

昇格=クラスチェンジ=階級等が変わる(上昇する)事 (例、みならい戦士 →戦士)

転職=ジョブチェンジ=職種が大きく変わる事 (例、戦士 →商人)

となっている。


基本的には、

・昇進、昇級などの”上級職へ変わる事”を、昇格クラスチェンジと呼び、

・任意の職業変更を、転職ジョブチェンジと呼ぶ、

くらいに考えていれば良いのだが、


例外として、

・赤色ネームになると行われる”賞金首”への、転職ジョブチェンジや、

・上級職から下級職へ変わる、降格クラスチェンジ

といった、”マイナス的な職変更”も存在する。

◆◆◆◆◆



「それじゃ~”スキル一覧~”、はい」

 また?、「スキル一覧~」


《スキル一覧》

《脱兎[ランナウェイ]》



「・・・・・・ええぇ???、一つ?」

 転職前は、6個くらい?スキルがあったのに?


「ね~、こ~んな風に、”転職”とかする場合は~、前の”職業専用だったスキル”とかが、ど~んと”無くなっちゃう事がある”んだよ~、だから”転職とかする場合”は、よ~く考えてね~、もちろん無くならない事もあるわよん」

 え・・・そんな”運まかせ”なの?


「それで~”いきなり”だと困るだろうから、冒険者ギルド3階”資料室”、”オンラインマニュアル”で~、”今”、”転職”、”昇格”出来る職については~事前に調べられるわよん」

 なんだ、事前に調べられるんだ。・・・ん?


「”今”?」

「そうよん、この”サウザンド・ジョブ・オンライン”ってゲームは~、「どんな職があるんだろ~?」、「どうやったら なれるんだろ~?」って~、色々考えたり~挑戦とかするのも~楽しみの一つなのよん、だから~”条件を満たして無い職業”については”調べられない”のよね~」

「そっか、条件を見つけて満たしたなら、どんな職業か?調べる権利が得られるのね?」


「まぁそんなところね~、それでココでは「迂闊うかつに転職しちゃうと~こんな風に後悔しちゃうかもね~」っていう説明なんだよ~、実際には”らびっとはんたー(仮)”っていう職も、そのスキルも存在して無いわよん」

 ・・・どうやら冒険者ギルド3階の”資料室”?には、何度もお世話になりそうね。



「それじゃ~最後に、LVUPボーナスの、ptポイント振りについてよん」

「pt振り?」

「とりあえず~、”ptを振る~”とか”パラメータを振る~”とか念じて~」

 ?「ptポイントを振る~」?


 また、目の前の空間に文字が浮かび上がり、頭の中に誰かの声が聞こえてくる。


《ボーナスポイントを振りわけます。残り 10pt》

《STR DEX INT VIT MAG <今は振らない>》


「表示されたかな~?”STR”とかの意味は~後で自分で調べてね、とりあえず~「全部に1pt~」って念じてみて」

 ?「全部に1pt~」?


《ボーナスポイントを振りわけます。残り 5pt》

《STR+01 DEX+01 INT+01 VIT+01 MAG+01 <今は振らない>》


「あ・・・」

「出来たかな~?、ポイントはLVUPして、すぐ振ってもいいし~残しておいても”消えたりはしない”わよん、それと~何にどう振っても”職には関係しない”から~、好きな時に~自由に振ってね~」

 でもすぐ振った方が強くなるのよね?残してどうするのかな?


「それから~それぞれの”最大値は+50まで”よん、最大にしちゃったら別のパラメータに振ってね~」

 ふ~ん、最大値は+50まで、ね。


「それじゃ~、残りはSTRに振ってみよっか「STRに残り全部~」、はい」

 「STRに残り全部~」


《ボーナスポイントを振りわけます。残り 0pt》

《STR+06 DEX+01 INT+01 VIT+01 MAG+01 <今は振らない>》


「わかったかな?、一気に振るも、少しずつ振るもアナタ次第だよ~、それで~間違えちゃったら~「キャンセル~」って念じれば、”その表示を消す前なら”キャンセル出来るわよん、はい」

 「キャンセル~」


《ボーナスポイントを振りわけます。残り 10pt》

《STR DEX INT VIT MAG <今は振らない>》


「あ、戻った」

「ね?表示を消して”確定”しちゃうと~、もう変更もキャンセルも出来なくなるんだよ~、気をつけてねん」

 とりあえず振る前に、どれが、どういう意味なのか調べて決めないとね。


「ほいほ~い、お疲れ様~、これで”サウザンド・ジョブ・オンラインに関する基本的な説明”は全て終了だよ~、最後に何か質問はあるかな~?」

 ・・・と言われても「何を質問すればいいのか?」が分からないんだけど。・・・あ!


「あの、この”布の服”?が、あまり着心地良く無いんだけど、その・・・下着とか?売ってる店ってあるの?」

「んふ~、そ~んな質問してきたのは~アナタがはじめてだよ~、下着ね、武器屋さんの裏の方に~、服を売るお店があったはずよん」

 武器屋さんの裏ね、この服も下着もチクチクしてて、凄い気になるんだけど、他の人は気にならないのかな?


「他にあるかな~?」

 ん~、後は冒険者ギルドの3階で調べればいい、のかな?

「多分、無いです」


「ほ~い、それじゃこれで、この”説明用の街”とも お別れになるんだけど~・・・」

 チュートリさんが何か”袋”を取り出し、私に持たせてくれた。


「んふふ、アナタ見込みありそうだし応援しちゃおっかな~、これでいい武器買ってがんばって^^」

 「なんだろう?」そう思った時には、周囲の風景がボヤけてきて、すぐに眩しく光って、それから真っ暗になった。



◆◆◆◆◆

チュートリアルキャラクター チュートリ(CV:能登麻美子)


 ゲーム開始時にプレイヤーに対して、サウザンド・ジョブ・オンライン(Thousand Job Online)TJO の”基本的な説明”を行うサポートキャラクター。


 180cmと長身で、真紅の鎧姿。スレンダーな体形ながら、色白で、真っ赤な唇、真っ赤な瞳、真っ赤なさらさらロングヘアー。その美しい容姿と、ちょっとお茶目?な口ぶりとのギャップが受けて、某掲示板等では”チュートリさん”と呼ばれ人気がある。


 キャラクターメイキング後、ゲーム開始時に、《サウザンド・ジョブ・オンラインに関する基本的な説明を希望しますか? [yes] / no 》と選択肢が表示される。

 ここで yes を選択すると「ほいほ~い、そんじゃ新人さんに、ちゃっちゃか説明するよ~」と、軽い感じでチュートリさんが登場するのであるが、攻略wikiでは、この”説明”は『一度きりなので我慢して受けた方が良い』と強く推奨されている。


 チュートリさんとパーティを組み、チュートリアル専用の”ちょっとしたクエスト”をしながら説明を受けるのだが、チュートリさんとPTを組めるのは、後にも先にも”この一回きり”、「そんな貴重なチャンスを、すてるなんてとんでもない」(チュートリさんFCファンクラブ談)というのが一つ。


 そしてこの”基本的な説明”を受けた場合には、通常スタート時の所持金が10,000Gであるのに対し、チュートリさんの援助(チュートリアル終了報酬)として、もう10,000G支給されるのだ。


 チュートリさんいわく、「んふふ、アナタ見込みありそうだし応援しちゃおっかな~、これでいい武器買ってがんばって^^」・・・との事だが、どんな”へっぽこ”なプレイをやらかして(なんの見込みなんだよw)などと、色々複雑に思うところがあっても、最後までやり遂げれば、しっかり10,000G貰えるので安心だ。


 さて通常10,000Gの内、数日分の宿泊費や冒険用の細々とした道具に3,000G程度、防具の事も考えると武器に回せるのは”無理しても5,000G”である。そして5,000Gで買えるのは棍棒だったり、ワンドとは名ばかりの「コレただの木の枝では?」な代物。


 しかしチュートリアルを受けて最初から20,000Gあれば、”無理すれば15,000G”も武器に回せるのだ。これにより最初から”1ランク上の青銅製の武器”や、ナイフ等の小さめの武器であれば”鉄製品”等が購入でき、結局かなりのスタートダッシュが出来る。

 ”急がば回れ”である、ありがとうチュートリさん。

◆◆◆◆◆



 真っ暗な空間に文字が浮かび上がり、頭の中に誰かの声が聞こえてくる。


《チュートリアル終了報酬:10,000G を獲得しました。 10,000G →20,000G》



《それでは はじまりの街[スパデズ]へ》


 「はじまりの街[スパデズ]?・・・」


LV:1

職業:みならい斥候

所持金:20,000G

武器:なし

防具:布の服

所持品:0/50



「やっぱ~?、最初10,000Gと、20,000Gじゃ、差がありすぎでしょ?って~」

「だよねぇ」

「・・・すくない」

「あの説明、少しでもスキップ出来ればねぇ」

「だね~、はいはい~って?チュートリさんの?言う通りにしてても~1時間以上かかるし~」

「・・・ながい」

「攻略サイトでも書いてたけど”一度きり”だから我慢だねぇ」

「な~んで改善?してくれなかったのかな~?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ