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待ちぼうけ

久々の更新なのに短めです。

「さて……こっちの方で合ってるかな?」


 龍矢はクロードにもらった魔法適性判定所までの道順が書かれたメモを見ながら町の中を歩いていた。


 《サンズバルス》の町の区画はしっかりと整理されていたので、クロードのメモの通りに進むことは比較的容易だった。


 しかし、どこの世界にも裏通りと呼ばれる通りがあるらしい。メモには“絶対に入ってはいけない”と示された場所もいくつか書かれていた。


 これだけの情報量のメモを短時間で書き上げたのだから、クロードが如何に門番として手馴れているのかが伺える。


 そんなこんなで龍矢は無事に魔法適性判定所と思われる建物の前に到着した。


「マジかよ……」


 龍矢は魔法適性判定所を見て思わず声を漏らしていた。


 その理由は魔法適性判定所の建物が意外と大きかったからだ。


 通りに面している部分だけを見ても百メートル以上はあることが簡単に見て取れる。それだけではなく、周囲の建物が二階建てまでなのにこの建物は三階まであったのだ。


 当然だが、面積の広い建物は階層立てにするのも難しく、建造コストも大きくなる。そのことを考えるとこの建物は明らかに異質とも言える。


 それ故にこの場所は、思っていたよりも重要な場所であることを龍矢は思い直した。


「それじゃ、気を引き締めていきますか……」


 龍矢は考えを少し改めた後、建物の入り口へ向かった。



===================



「はぁ……」


 龍矢は大きなため息を吐きだしていた。


 現在龍矢がいる場所は読んで字の如く待合室と呼べる場所である。そこは人で賑わい、予想以上に長い時間待たされていたのだ。


 建物の中は外観からわかる通りかなりの広さを持っていた。


 判定したい魔法の系統毎に受付場所が違うらしく、受付カウンターのような場所がいくつも存在している。


 龍矢が見る限りではどこのカウンターにも人が並んでいたので、この世界における魔法は重要なものなのかもしれない。現にクロードのような一つの職務に必須な魔法もあることを考えると、魔法適性の判定は自身の生きる道の一つの基準になることもあるのだろう。


 さらに、建物の中には客と思われる人とは雰囲気が違う人も多く居た。


 その人達の正体はこの施設において事件等が起こらないように、また、起こってしまった場合に対処する為の警備兵だ。


 建物の外でも多くの人が警備をしており、龍矢は入館前に門番役の兵士に呼び止められていた。


 外壁の警備とは違い、かなりしっかりとした警備体制を敷いているらしい。クロード直筆の案内メモを見せるまでは取り調べまがいの事をされ続けていた。


 特段クロード達が適当であった訳ではない。魔法が重要になるのであればそれだけこの場所も重要になると言うことである。


「タツヤ様、タツヤ様はいらっしゃいますか?」


 龍矢を呼ぶ女性の声が聞こえた。龍矢は一度周囲を見回して自分以外に“龍矢”がいないことを確認すると、名乗り出た。


「はい、タツヤは僕です」


 女性が龍矢に気がつくと近付いてきた。


「タツヤ・アキノセ様ですね?」

「そうですよ」

「本日はお越しいただきありがとうございます」


 女性は再度龍矢のことを確認すると、深々とお辞儀をしてきた。


「申し訳ないのですが本魔法適性判定所の所長がお話をさせていただきたいとのことですのでお時間を頂くことはできますか?」


 女性は少し申し訳なさそうな表情で龍矢にそう尋ねてきた。


「構いませんよ」


 龍矢は、女性からの申し出を即断即決で受けることにした。


 申し出を受けた理由はいくつかあるが、現在の目下最大の理由は待たされ過ぎて暇を持て余していたからだった。


「ではご案内いたしますのでこちらへどうぞ」


 龍矢は女性に連れられて判定所の上層階へ続く階段を上って行った。



===================



「どうしよう、ここにもいない……」


 葵は龍矢を探していた。


 小さなトンネルで巻き起った一陣の風。


 その時に龍矢が姿を消してから、龍矢の姿が見当たらなくなってしまったのだ。


 葵はまず、悪戯かと思って周囲を探した。しかし、そんな子供じみた事をする性格ではない龍矢は、案の定見つかることはなかった。


 次に、先に学校に向かってしまったのではないかと思い、道を探しながら学校へ向かった。もちろん通学途中の道でも見つからず、学校に到着してしまった。


 そこからは学校の友達にも聞いたりしたが、やはり見かけた人はいなかった。たまたま誰も見かけていないだけかと思って校内も十分に探した。それでもやっぱり見つからない。


 現在ではお昼の時間になってしまっていた。


 龍矢はお昼には必ず同じ場所に現れる。


 中庭を見下ろすことができるベンチ。そこからは少し顔を上げれば遠くに山も見える。


 しかし、この場所は人気が少ない。


 この場所に来るには校内を大きく回る必要があるため、面倒がる人が多いからだ。そんな理由でここは龍矢の指定席とも言える場所になっていた。


 そんな場所にもやはりいなかった。


「学校じゃなくて家に戻っちゃってた……?」


 葵は龍矢の性格を考えると可能性が0に近いと知りつつも、一縷の望みにかけるしかなくなっていた。


はい。

今日投稿しなかったら未更新状態2ヶ月達成するところです。

だからと言うわけではないですが更新しました。


魔法適正、魔法、術式。

この辺りはたぶん次回に持ち越しです。


所長ってどんな人でしょう。この場所の重要性は?

全部未定です。(ぁ

楽しみにして下さっている方もそんなことがない人も、次回更新を楽しみにしていただければと思います。


更新予定すら未定ですけど。。。

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