第9話:魔王と悩みそして・・・
昨日の魔王科の白マントの闘いで傷を負った鋳鶴<いづる>君、それでも学校に行きます。しかし彼の悩みは尽きません。
「僕は魔王なんかじゃない・・・僕は・・・」
昨日の事が忘れられないのでしょうか、鋳鶴君は悩んでいます。
自分の情けなさに苛立ち始める鋳鶴君、なんともいえない負の感情が抑えられません・・・
「「なぜ怒る?事実ではないか!お前が周りを苦しめ!悩ませ!終いには殺していく!
それが魔王だ!それがお前だ望月鋳鶴!」」
記憶が鮮明に醜く蘇る
「僕は・・・居ない方がいいのかな・・・
僕が居るとみんなが死んでしまう・・・くっ・・・うっ・・・」
あまりの悲しさに泣いてしまう・・・ただ自分の非力・情けなさではない。ただ自分が魔王というだけ・・・それだけで嗚咽、涙、感情が溢れ出してくる。
「自分を魔王じゃないって言えばいいのよ♪
そうすればあの人達も言わなくなるって♪」
望月家三女の穂詰<ほつみ>さんが鋳鶴君にフォローを入れます。
そのフォローに鋳鶴君は、
「うるさいよ・・・穂詰姉に何が分かるんだよ!僕に関わらないでくれよ!この飲んだくれ!」
あらら・・・鋳鶴君、そういうことは言っちゃ駄目でしょう・・・
すると・・・穂詰さんはギュッと鋳鶴君を抱きしめ・・・
「私達は家族でしょ・・・とくに鋳鶴は長男なんだから!
こんな事で泣いたりしてどうする!娘に死ねって言われて泣く私たちの父さんより酷いわよ!?」
これも姉の愛情というやつなんですかね・・・望月父はどんな人なのでしょうか・・・少なくともガラスのハートですね。
「でも・・・僕が居たら・・・みんな死ぬかもしれない・・・」
「死なないわよ♪死ぬわけないじゃない!
私たちの母さんを思い出してみなさい!」
表情が変わる鋳鶴君、コクコクと頷きました。
「死ぬわけないよ・・・ね♪」
「はい!そうと決まったら朝ご飯作りなさい!みんなお腹すいてんだから!」
「そうだね♪よし!朝ご飯つくるか!」
やる気の入る鋳鶴君、微笑ましいです♪
彼の朝は大変です。それでも彼は今の生活が大好きです。
彼が彼らしく生き暮らしていけるのですから、
そして朝の準備、みんなの出迎えも終わり鋳鶴君も学校に行きます。
「鋳鶴~!おせぇぞ~」
「遅い・・・!写真5枚も撮れた・・・」
「鋳鶴・・・すまなかった・・・私は・・・」
「いいんだよ♪気にしないで、歩がした事は正解だよだから、ね♪気にしないで。」
「何かあったのか~wwお二人さんww」
「怪しい・・・」
「なっ!何もないから!うん!早く行こう!遅刻しかけるよ!?」
「そうだな♪行くか!」
今日も元気で四人が学校に走って行きます。まさに青春って感じですね~♪こうして魔王兼主人公の望月鋳鶴の一日がスタートするのです。
そのころ・・・陽明の普通科のある部屋では・・・
「魔王が普通科に居る?冗談でしょ?」
眼鏡をかけた男が口を開く
「会長、冗談ではありません、これをご覧下さい。」
冷静沈着に秘書らしき女性が答える
そこには、昨日の家の前での鋳鶴君の姿が・・・
「いやいやいや!CGでしょ!CGだよ!絶対CG!」
「何回言うんですか・・・困った人ですね・・・」
「普通科に魔王か~・・・困ったな~・・・」
「どうしますか?」
「相談は無し!うん!魔王が普通科に居てもいいじゃないか!それに僕も普通じゃないしね!」
「自信満々に言われても・・・」
「でも一度会ってみたいなぁ・・・僕は圧倒的普通者だからね♪彼に敬遠はされないでしょ♪」
「はぁ・・・この駄眼鏡は・・・」
第9話いかがだったでしょうか!そろそろ番外編などなど作っていきたいと思っています!感想等々お待ちしております!