第60話:魔王と国際協定
鋳鶴君が結さんと闘っている中
霧谷さんとドイツの将軍は不穏な会議を始める
「だからこう言ってるんだよww
君らが違法な実験してないww?
さもないとお偉いさん達、皆しょっぴいちゃうよww☆
っていうことなんだww
だから僕は此処に来たww
僕はフィギュアやギャルゲー、エロゲー、ライトノベル、漫画の購入
メイド喫茶、家族に顔を見せに行く、葬式それら以外には動かないつもり
だったんだけどねww
でも僕は今回動いて此処に来てあげたと言った方がいいのかなww?
だって君達の研究は明らかに違法だよww
それに平和な世界を破壊しかけない
だから来たのさこんなアホみたいな所に僕がわざわざww
出向いてあげたと言えばいいのかなww」
「いえ?私たちはそのような実験は施してはいませんよ?
国民の数も変わりませんし何よりそんな事に予算を回していたら
国は破綻してしまいますよそれに充分な戦力があったとしても
我々は世界を乱す様な事はしたくはありません
それに我々もどの国家も、Mr霧谷貴方の敵にはなりたくないのですよ
実質貴方が最強の人間と言っても過言ではないのかもしれませんから
Dr雅も恐ろしいですが貴方とは闘う事すら阻止したいと思うんです
全国民ではありません、何も分からない屑共や愚民共には
貴方の存在が分かっていないから強気でいれるんですよ
我々上の人間の気苦労も知らずに」
ドイツの将軍はため息をついてそう言った
魔女の研究、人工魔女の作成、育成
違法的軍備強化、国の防御力軍事力強化は
世界の協定で禁止されている
もちろん人工的に異常、異質、異なる者または物の製造、作成は極禁
瞬く間に世界のありとあらゆる国からの攻撃を受ける
そしてDr雅とMr霧谷、最強の夫婦、最強の父母がその国への攻撃を開始する
瞬く間に増強された軍備、軍艦、兵士がノミの用に排除されていく
光の力と破壊の力で国をボロボロにしていく
そんな事があったのも10年前の第三次世界大戦
「僕は悪いこととか僕の好きな物を壊さない限りはニコニコしてるよww
でも雅がニコニコしないから僕も全部破壊するまで破壊し尽くすんだけれど
君らのせいだからね?哀れなことして僕の大切な人から笑顔を奪ったんだ
彼女は高校生の頃からずっとああだ
だから僕は色んな事をするんだ
趣味の時間を割いてまで此処まで来てあげたんだ
彼女というか僕の嫁さんの笑顔を取り戻すために
こんな事で僕を呼ばないで欲しいよまったく総理大臣も
あわてん坊だな~wwまったく~ww」
鬼の形相からいつもの笑顔に変わる霧谷さん
霧谷さんにも奥さんを大切にする紳士的な心があったんですね~
私が一番ビックリしています
「おおっと本題を忘れていましたね
取り敢えず此処は何もなかったという事にしておきましょう
おみやげにドイツ出身のイラストレーターが書いたサイン色紙でも差し上げますよ
それに魔の者を家族、いいえ下に持つ者どうし仲良くしていきましょう
争いは何も生みませんだから私の娘の隣には貴方の息子さんが必要なんですよ
魔王と魔女でとても素晴らしいカップルではありませんか」
「本当に僕は貴方をおもしろい方とお見受けしますよww
自分の娘を普通人工魔女製作計画に組み込みますかね・・・
自分の名を偽って自分の最愛の妻を殺してまで
自分の娘を絶望の淵に追いやって
数々の人間の命を弄びそして消しゴムのカスの様に捨てる
本当に気に入らないよ此処が戦場だったら
僕は貴方をとっくに殺している
もう1秒でもここを去りたいんだ
貴方みたいな父親は大嫌いでね
自分の最愛の家族をそう実験の為に使ったり
殺したり
本当に嫌いだ気に入らない全く持って・・・」
霧谷さんはそこまで言うとニコニコしていたまぶたを上げた
真っ赤に光る人間味の全くない目というより眼を見開いた
ドイツ軍将軍、ドイツのトップを見つめた
鋭い眼光と剣幕で見つめる
大気は震えその場に居る人間達は立つことすらもままならない
立っているのはドイツの将軍と霧谷さんだけ
赤峰さんでさえ立っているのがやっと
将軍の後ろに先ほどまで立っていた兵士の二人はまるで跪いているかの様に
膝をつきなんとか意識を保っていた
「本当に反吐が出る
もう出そうだ咽まで来ているよ
それとも僕が真面目すぎるのかな」
「眼の色も随分と赤いものですね
それが本当の「原型を模倣する紅朱色の眼」ですか
我々も手に入れたいモノです
どうしてもその眼だけは貴方の物と言うことで
魔女の眼ならいくらでも作れるのですがね
そしてその試験体も苗床も大量にあるというのに
どうもあなたの眼はどんな人間にも備え付けるのは無理そうですね
本当に素晴らしい眼だその目では見えないものはないような
そんな事を思わせる不思議な眼ですねぇ」
ドイツの将軍が微笑しながら机にあったコーヒーを手に取りコップに口をつける
そして将軍がコーヒーを啜ろうとカップを傾けたその時
見えない何かが将軍のカップの取っ手だけを残しその場から消えた
赤峰さんは動揺の表情そしてドイツ軍の兵士達も
霧谷さんが将軍に向かって何かを解き放ったのだ
微弱だが鋭い確実に鉄をも貫けるもどの威力の何かを霧谷さんは将軍に向かって発した
「ごめんごめんww
手が滑っちゃったww
テヘペロww
でも君が悪いww
空中に油かローションが塗りたくってあって指が滑っちゃたよww
それで偶然術式が発動しちゃってさww
めんごめんご~ww」
霧谷さんの放った技、
術式は確実にドイツの将軍に直撃するように造られていました
将軍が少しでも動いていれば将軍の顔に銀製のカップをも木っ端微塵にする程の
魔法が顔に直撃していたのだから将軍も驚きを隠さずにはいられない
自分の地位も考えこの男は人を殺すのに躊躇いがないと心から将軍は感じ取った
そんな自分を殺そうとした男は屈託のない笑みを浮かべている
その男の部下の赤髪の少女は腰から崩れ落ちている
恐ろしいことだと彼女は分かっているのだろう
将軍の後ろにいた兵士達も顔を真っ青にしながら腰から崩れ落ちていた
「君っ!将軍が誰だか分かっているのか!」
「えっww分かってるよww?
ドイツ軍、陸・海・空軍全ての軍で総大将を勤め
10年前死んだと思われていたが復帰したww」
そこまで霧谷さんは言うと口を閉じた
赤峰さんはようやく立ち上がりスーツの皺を伸ばす
兵士達も脱げた軍帽を広い埃を払って軍帽を被り直す
そして霧谷さんは右手を振り上げ将軍を指さした
「ハンニバル・ポーカハイド名誉将軍」
「だからどうしたのかね?
望月霧谷日本総理大臣代行?」
将軍はカップの取っ手を机においてそう言った
「貴方は本当に愉快で滑稽で愚かだよww
僕以上にねww
娘を魔女にしてまでww
国をここまで変えておいてww
すごいよww愚かだww実に愚かだww
でも・・・将軍、君は間違っちゃいないよww
この腐りきった世の中じゃそういう行き方が正しいww
正しくなっちゃいけないんだろうけどねww
でも僕はそういう生き方は嫌いじゃないww
でもそういう悪いことする人間には災いが降りかかるよww
神様じゃなくて僕が裁き的なのを下すからww
中二みたいなセリフでごめんね将軍ww」
霧谷さんは将軍に敬礼をした
将軍は笑顔を浮かべ敬礼を返した
「いえいえ構いませんよ
貴方にも悪気は無かったようですし
今日はこれでお開きにしましょう」
「そうだねww
僕も疲れたから帰るよww
それじゃあね将軍ww
財政安定に向けて頑張ってww」
「失礼しましたそれでは失礼します」
「玄関まで兵士達にお見送りさせましょう
それでは荷物がまとまったらお教え下さい」
そういうと霧谷さんと赤峰さんは顔を見合わせた
ーーーースタジアム1階ーーーー
「なぁ鋳鶴!
新婚旅行はどうしようか!
ハワイか!?グアムか!?それとも国内がいいか!?
さぁ何処が良い!?私は何処でもお前となら行こう!
それともお姉ちゃんと一日中愛し合うか!
そうだ!それがいい!それがいい!」
「どれも嫌だよ!
それに僕は結姉とは結婚しないから!
僕にだって好きな人だっているし愛したい人もいるんだっ!」
激しい剣撃の中二人の会話は弾んでいた
姉弟喧嘩を超えた姉弟喧嘩、姉弟同士の殺し合い、降しあい
一撃一撃が風圧を呼び砂塵を巻き起こす
鉄のぶつかり合う音と鉄が削れ合う度に出る火花が散っていた
鋳鶴君は結さんの剣撃を受けては流し受けては流し
防戦一方の展開一方結さんは
鋳鶴君との戦いをまるで楽しんでいるかのように大声を上げていた
「僕は負けないさ・・・!
決めたんだ・・・結姉には負けない!」
「お前は負ける!私に討たれる!お前は私に勝つことは出来ない!
私には勝てないんだ!鋳鶴!お前じゃ私は倒せない!」
結さんが剣を特異な型で構える
鋳鶴君はその型を何度か見たことがある
鋳鶴君の腹部を切り裂いた特異な剣術の型
望月壱拾弐ノ剣方それのどれかの型だろう
鋳鶴君は把握しきれてはいなかったがとにかく高くジャンプした
地面を思いっきり蹴り宙に一時的に浮く
「望月壱拾弐ノ剣方・・・・・・」
結さんが刀を腰に下げた鞘に一旦収める
それも刃の向きを逆さ、逆にして
今までに見たことのない構えを見て鋳鶴君焦りを隠せない
刃を逆さにした納刀をするという事はおそらく
次の刀を抜くときに上に振り上げる動作が出来る
つまり今一時的という時間の中でも宙に浮いている鋳鶴君を切るには絶好の型
鋳鶴君は危険を感じて身を空中で身を回転させる
その決断が間違っているか否か
「第捌式 葉月・・・」
結さんが納刀した刀を一気に上に振り上げる
回転しながらそれを避ける鋳鶴君は避けようとするが・・・
間に合わない鋳鶴君の来ていた魔王の服を結さんの刀が
鱗を取るかの様に鋳鶴君の服を裂いた
宙で鋳鶴君の服の切れ端が舞う
そしてさらに
「第玖式 長月・・・」
宙に舞っている鋳鶴君が地に着地出来ないまるでさせない為に
長月を発動したしかし鋳鶴君は浮遊魔法を覚えていないため
着地するしかなかった観客は目を瞑りまるで鋳鶴君が死ぬかの様に
思い目を閉じた着地した瞬間に結さんの長月の餌食となり死ぬと考えたからである
タンッ!という音が聞こえると同時に鉄のぶつかり合う音と何かが剔られるような
音が響く鋳鶴君が刀を地面に突き刺しそれで結さんの長月を辛うじて防いでいた
地面に突き刺した刀は結さんの刀との鍔迫り合いをしながら地面を切り裂いていく
しかしそれは鋳鶴君の力ではなく結さんの長月の一振りを地面に突き刺した刀が
その場で耐えきれず地を切り裂き溝を作っていた
「その回避方法があったか
ふむふむ流石鋳鶴と言った所か
昔は木刀で特訓していたからな
私に感謝してほしいものだなその強さ」
「教えて貰ってなんかいないよ
僕が自分1人で頑張って覚えたんだ
そこんとこよろしく!」
そう言うと鋳鶴君は刀を溝から引き抜き体を回転させ
結さんが発動した長月の刀の上に平均台のように乗った
バランスをとって結さんに接近しようと長月の上を駆け抜ける
長月は刀を伸縮自在にする訳ではない
伸縮の伸は自由自在と言った方が良い
その為戻す
いわゆる縮は時間が遅く戻す時間が長い
その間、結さんは何も出来ない辛うじて出来る事は
もう一方の手での攻撃
長月による振り下ろし、叩きつけ、振り払いと行動は限られる
鋳鶴君は長月によって伸ばされた刀の上に全体重を乗せて着地した
鋳鶴君は平均的日本の男子中学生の体重だが
今は手甲などで体重が蓄積されている
鋳鶴君の着地の衝撃と長月の長さで結さんは刀を落としそうになる
そんな結さんを見て鋳鶴君は刀の上を走る
今もしかしたら一度しか無いのかもしれないチャンスを生かすために
鋳鶴君は刀の上を駆ける
そして全力疾走のかいあり結さんの懐付近に近づく
結さんの刀を落とそうと剣の鍔をを攻撃しようと刀を振りかぶる
しかし結さんは妖しく微笑んだその微笑みを垣間見て
鋳鶴君は結さんの刀を蹴って後方に下がる
「よかったのか鋳鶴?
私に一撃お見舞いするチャンスだったのに
勿体ない貴重なチャンスを潰したな
なんという甘さなんという危機感の無さだ
お姉ちゃんはガッカリしたぞ」
結さんは再び刀を納刀して鋳鶴君に悲観の声を浴びせた
鋳鶴君はもう垂れ始めた汗を拭った
「結姉が無警戒で僕の攻撃を受けてくれるとは思えなかった
それに何かを感じたんだ
だから僕は咄嗟にその場から離れた
だって僕が負けてはいけないから
甘さも危機感も無い訳じゃない結姉の策略は通用しない
今の僕は冷静に精神を保てているから
誰だって見えない斬撃は喰らいたくない
それに範囲は狭いけれどあの距離なら当てられていた
第拾式 神無月なら一撃必殺のカウンタープラス
ほぼ懐にくらえば一撃必殺だからね」
鋳鶴君は核心に迫ったかの様な喜びの笑みを浮かべていた
しかし結さんの妖しい笑みは留めるところをしらなかった
クスクスと声を出して笑っている
「昔の私が使って神無月なら一撃必殺のカウンター
でしかなかっただが今の私は成長している」
結さんがそこまで言うと鋳鶴君の服が中央から破れ始めた
すると鋳鶴君の腹部から大量の血が流失した
まるで噴水の様に溢れかえるように鋳鶴君の血が噴き出した
「だが今の私の神無月は遠くへとばせるのだよ
私だって強くなるそれは当然と言ってはおかしくはない
人間だれしも成長するし衰退もする
だがそれはベクトルによって作用する力作用しない力に分かれる
私はお前以外に恋をしない
いわゆる他人との恋を捨てお前と恋をする事を選んだ
そこでベクトルは強さと鋳鶴を求める力に作用した
そして他人との愛と自分の弱さを認める事に作用しなくなった
私はと良くなる事と愛の増幅の成長を得る代わりに
お前以外の男を愛せないこの複雑な愛の衰退を受けた
人は何かを成し遂げる為には犠牲がつきものだ
火を付けたければマッチを使う
新しい人間が生まれる為に古い人間が死ぬ
成し遂げる事、それは犠牲を代償に自分を成長させる
幸福感を与える高揚感を与える
しかしなにかを失う
お前の様に強くなりたくて犠牲を介した人間
私の様に愛を捨てた人間
人間は何かを得る為には犠牲が必要なのだよ
それを捨てないお前は私には勝てない
全員を守るそれもいい
家族を守るそれもいい
魔王になんかならないそれもいい
私に勝つそれもいい
だがお前に全部実行して犠牲無しで出来るかな?
だから私がお前を管理しようとしているんだよ鋳鶴
お姉ちゃんの元にこればお前は苦しむ事は無くなるんだ
最も犠牲を嫌う男が犠牲を出す事が出来るかな?」
結さんはそう言って刀を納刀した
鋳鶴君の体から血は止まっていない
次々と血が流れ血だまりの面積が広がる
ーーーー陽明学園正門ーーーー
学校の前に大きなリムジンが止まる
黒光りしたフォルムそして贅沢な飾り
そのリムジンのドアがゆっくりと開く
「ここが鋳鶴の学校かー!
ひろいのう!実に大きな学校じゃ!
素晴らしい!それでスタジアムは何処じゃ?」
白髪のおじいさんが声を張り上げる
リムジンから出て早々テンションを上げ力こぶを作っている
「そうですね・・・
ええと東方向ですか鶴君が居るのは・・・
お爺様!」
「先に行っておるぞ!
さっさと梓も来るんじゃぞ!
ではな!」
銀髪の老人はそう言うと東側に向かって跳躍をした
梓さんは老人の背中を見ると少し微笑みながら
歩を進めた
爺&秘書
到着