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優しい魔王の疲れる日々  作者: n
優しい魔王の疲れる日々6
58/94

第50話:魔王とイタリア少女

シャル君の正体は女の子または女装趣味男子

という結論にたどり着いた鋳鶴君そのシャル君は

現在大浴場の中、鋳鶴君は事実かを確かめるため

タオル一枚で向かう

まだまだまだぁ!50話じゃぁぁぁぁぁ!



「ふぅ~♪

良いお湯だなぁ~・・・

鋳鶴と入ってあげたいけど・・・仕方ないよね・・・」


シャル君がお湯に浸かりながら疲れを取っています

そんな安心しきっているシャル君に影が忍び寄ります


「本当に良いお湯だよね~

心まで温まるよ~♪」


鋳鶴君がシャル君の隣でお湯に浸かっていました

シャル君は急いで鋳鶴君から遠ざかります

鋳鶴君は間髪入れずに攻め込む

いつもと違うシャル君が今まで見てきた鋳鶴君とは

違う鋳鶴君が顔を出す


「ねぇ・・・シャル・・・

君は一体なんなんだ・・・?」


「へっ・・・?」


シャル君は呆気にとられている

そんなシャル君に容赦無しで鋳鶴君は口撃を開始する


「なんか悩みでもあるの?

僕なら相談に乗るよ?いつでも何処でも

誰にも言わない事も約束するよ」


鋳鶴君はいつもの暖かくて優しい鋳鶴君の面影は無かった

本当に何かを聞き出す警察の事情聴取の様に


「鋳鶴どうしたの・・・?

熱でもあるんじゃないの?

だからお風呂はまだ駄目だって言った・・・」


シャル君が話し終わる前に鋳鶴君はシャル君との間合いを詰めた

気づくとシャル君は大浴場の隅に追いやられてしまっている


「なぁ・・・シャル・・・教えてくれ・・・

君は何で・・・何で・・・」


鋳鶴君はシャル君に聞いてもいいのかと戸惑う

嫌悪が巡る聞いても良いのか聞いたら嫌われるんじゃないか

ただでさえ信用できる自分にとっていい人は彼、彼女しかいない

それを無駄にしていいんだろうか、と


「本当にどうしちゃったの・・・?

鋳鶴変だよ・・・?」


鋳鶴君に質問するシャル君

鋳鶴君は決心がつくと重い口を開いた


「君は・・・どうして男じゃないのに

男のふりをするんだ・・・?」


「・・・・・・・・・」


シャル君は俯き加減に下を向き何も言わなくなった

鋳鶴君はシャルくんの顔を見た

いつもの優しく暖かさの混じった視線で


「ぼっ・・・僕はね・・・」


シャル君は重くなった口を開いた

鋳鶴君を信用して勇気を振り絞って


「僕は・・・」


「知ってるよ

男の子じゃないんだ本当は

それが何をどう間違ったか魔王科では男の子という扱いになっている

君は立派な女の子だというのにねどうやら魔王科は男の子に・・・」


鋳鶴君がシャル君に全て、自分の言いたいことを言う前にシャル君が

鋳鶴君の上に寄り添った


「どうして・・・

どうして知ってるの・・・?」


挙動不審になるシャル君、

今はいつもの鋳鶴君とは性の事についてだけはいつもの鋳鶴君です

シャル君が今まで隠していた胸が一気にさらけ出され鋳鶴君の胸板にその胸がのし掛かる

ただでさえ湯につかり心拍数の上がっている鋳鶴君の心拍数はさらにあがります

シャル君はそれに対し目に涙を浮かべています

全てが鋳鶴君にばれたのですから

この事を言われたら魔王科から追い出されでもするのかと思ったのでしょう

鋳鶴君に縋り付くように寄り掛かっています

ドキドキを抑えながら鋳鶴君は冷静な面持ちになろうと必死になっています

冷静に冷静にと


「どうして・・・

そんなに知ってるの・・・

鋳鶴は僕の事を・・・」


「男の子と思っていたよ

昨日まではねというよりさっきまでかな

ある人が教えてくれたんだまぁ僕には何を言っているかあまり分からなかったけど

でも周りをよく見てみろって事を言われている気がしてさ

でも何か教えてくれない?

さっきも言ったけど僕は何処でも相談に乗るよ?

それに誰にも言わない約束するよ」


「完全に信用する事なんか出来ないよ・・・」


「うぐっ・・・!」


「鋳鶴っ!?」


いきなり苦しみ出す鋳鶴君を見て

シャル君はふと浴槽を見た

鋳鶴君の胸から血がにじみ出ている

浴槽のお湯は少しだけシャル君と鋳鶴君の周りだけ仄かに赤く染まっていた

鋳鶴君は苦い物でも噛まされたような顔をしている

非常に苦しみを訴えるように先ほどまで冷静になっていた表情に脂汗が滲んでいる


「鋳鶴・・・

なんで・・・?

お風呂に入っていけない体だって・・・

傷が開くよって・・・」


「わかってさ・・・

傷が開く事ぐらいっっ・・・!!!!

でもさ・・・シャルの事を放っておけなかったんだ・・・

君が何でっ・・・!無理をしてまで・・・

男装をしてまでっ・・・!

此処に・・・魔王科に来たのかっ・・・

聞きたかったんだ・・・」


鋳鶴君は血の止まらない胸を抱えてシャル君に必死に説明した

自分が治りかけていた傷を開きながらもシャル君が気になっていたことを

鮮血で浴槽を若干、赤く染めながら痛みを堪え説明した


「そんな事で・・・

何でっ!鋳鶴は怪我を負うのっ!

体育大会は明日になっちゃったんだよ!?

なんでそんな事の為に君はっ怪我をするのっ・・・

僕なんかの為にっ・・・」


「困っている女の子を放っておけないからさっ・・・!

シャルの事が女の子って知ってから決意したんだ

でも男の子だって思っていた頃もなんかある

この子は何か抱えってるっ・・・!てねっ・・・!

だから傷を開いてというか・・・開いちゃったんだけどっ・・・!

でも良かった・・・こんな事言うのはおかしいかも知れないけれど・・・

君が女の子でっ・・・!良かった・・・」


弱り切っている鋳鶴君を抱えシャル君は湯船を上がります

鋳鶴君を抱えてタオルや鋳鶴君の目を気にせず

傷口にお湯が入らない所に鋳鶴君を寝かせた


「シャル・・・?」


「これぐらいするのが当然でしょ!

別にいいもんさっきまで僕は男の子だったんだし

それに誰も入らないけれど湯船を鋳鶴の血で赤く染めたりしたら駄目でしょ?

だから引き上げたの」


「そっそうなのっ・・・??ブヘァッ!」


「鋳鶴!?」


「シャルっ!タオル!タオルっ!」


鋳鶴君がシャル君を指さし

体にタオルが巻かれていない事を教える


「へっ?

いっ!いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


先ほどまで男の子だった子が鋳鶴君に指を刺され

女の子に戻っています

シャル君は全身が真っ赤になっています

鋳鶴君も全身真っ赤ですが

シャル君の良く引き締まった体を見て少しだけ興奮でもしたのでしょう

傷口からまた血が出てしまっています


「鋳鶴のエッチ・・・

僕の裸目当てでわざと傷口を開いたんだねっ!」


「傷口を開くのにわざとも自分で開く事もしないよっ!」


傷口を開きながらも突っ込む鋳鶴君、

傷が開いてもツッコミは出来るそうです


「なんで鋳鶴はそんなに女の子だけじゃなくて

初めて顔を合わせた僕に優しくしてくれたの?」


「いやぁ家訓みたいなものかな~・・・

僕の家族はとっても強い女の人なかりなんだ

まぁ母がそういう人だし親父はとっても弱い人だから

僕もこの通りに頼りなくなっちゃたんだ~・・・

まぁ僕の姉達や妹達のが僕よりもパワフルって事もあるけどね~・・・」


鋳鶴君はやれやれと言った感じで語った

シャルは鋳鶴君のすさまじい家族構成に苦笑いが止まらなくなっている

しかしシャルは苦笑いを止めると何かひらめいたかの様に目を輝かせた


「そういえば!鋳鶴のお姉さんって凄い人ばっかりだよね!」


「えっ?そう?」


「うん!特に真宵将軍と結将軍には驚かされるよ~

後お母さんが世界で最も強い人って認知されているし」


鋳鶴君は二人の名前を聞いたところで鋳鶴君の表情が曇った


「凄くないよ・・・

二人はあまり帰ってこないんだ

だから最近は妹達が寂しがったりするし長女の暴飲暴食は激しくなるし・・・

シャルの家族はどうなの?」


「僕の家族は普通だよ

なんの変哲もないって言いたいけれど・・・

鋳鶴は何でも知ってるからね・・・

僕の家はアットレイ社・・・

多分鋳鶴も知っていると思う

僕の一族の第1代目のフォーマル・アットレイが作った企業なんだ・・・」


「だからか・・・」


「僕の家は代々機械を専門の家系で男が必須だったんだ

機械を扱ったり重い物を運んだりする事もあるだろうし

なにより油や塗料の臭いもきついからね

だからそういう面を考えると男の人の方が良かったんだ

ところが第8代目、エリクソン・アットレイは子だからに恵まれなかった・・・

そこでやっと1人の子供が産まれたんだ・・・それが僕・・・シャルア・アットレイ

母は僕を産んですぐ死んでしまったんだ・・・まるで僕と入れ替わる様に・・・

父は女の子として産まれた事に嘆き僕を幼少期から男として育てたんだ・・・

外見だけはね・・・服や身につける物、小学校低学年までは男の子扱いだったんだ

でもそれが僕が中学年になって変わった・・・

僕を隔離して授業を受けさせることにしたんだ

その頃にはもうアットレイ社は世界でも名をはぜる有名企業になってた

その1人息子を隔離教育、世間はアットレイ社を批判した

世間の批判によりアットレイ社は没落、企業として最悪の出来事が起きた

しかし父は僕の再教育を始めた・・・

僕を宣伝材料にする為に・・・僕を僕自身を広告にする為に

マスコミはお父さんの力で買収されたんだ・・・

隔離教育されているはずが僕がイタリアで一流の小学校に通っている事にしてね

確かに企業は没落したよけどそれもほんの数週間、

僕は小学校高学年で様々な功績を得たんだ・・・男の子として

学校での成績では無く企業のマスコットやモデルとして・・・

でもお父さんは僕を褒めてくれないんだ・・・一向にね

僕は嫌気がさして僕はお父さんに普通の教育が受けたいと言ったんだ

父は此処を紹介したんだ・・・

まだ出来たばっかりの陽明学園の魔王科に・・・僕を入学させた

当時から日本の陽明学園の評価は高かった特に物珍しい魔王科ともなると

その注目度も凄かっただって魔王科はここまで完璧に設備されている

通っているのはほとんど大金持ちのご令嬢や大企業の社長の娘さん

そして様々な傷を負った女の子達が此処に通いつめたんだ

そんな所に男子で唯一1人の男子生徒として僕はこの学園に入学した

僕は嬉しかった・・・普通に勉強できて普通にスポーツ出来るのが・・・

何にも縛られずのびのびと過ごせた・・・男としてね・・・

学園に入っても僕は女の子でいられなかった

それを分かっていてお父さんは僕を入学させたんだ・・・

だって男子生徒として入学した子が本当は女子だったたら

たちまち陽明学園の不手際として世界に広まる

僕は両サイドから口封じをされた・・・

陽明学園にも学園長様に事実を語っていけないと言われ

お父さんの命令にも逆らう事が出来なかった・・・

だから・・・僕はっ・・・ここにいるんだっ・・・」


シャル君の瞳から涙がこぼれ落ちる

本当は男のふりをしていなければいなかったのだが

今はなんの鎧もつけていない男子用の制服も男物の服も

涙をこぼすシャル君を見て鋳鶴君はシャルをそっと抱きしめた

呆気にとられるシャル君、でも鋳鶴君はそんなシャル君を無視して抱きしめた

程良い力で優しく、包み込むように


「鋳・・・鶴・・・?」


「シャル・・・僕は君とはたった数日しか君と一緒に過ごしていない・・・

そんな関係でこんな事言うのは烏滸がましいし馴れ馴れしいと思う

信用だってしてくれないと思うし信用してくれとも言わない

僕に今できるのはこんな事しかないよ

でもさつらかったり男でいる事が嫌になったら僕の所にいいつでもきてよ・・・

僕の前ではシャルは男の子のシャルじゃなくて女の子のシャルでいてほしいから

無理にしなくていいよ・・・僕の前では普通のシャルでいてほしんだ

せめて僕の前だけでは楽にしていいからね・・・」


「鋳鶴・・・」


「湯冷めしちゃうしそろそろあがろうか」


鋳鶴君がそう言って浴場に入る扉まで向かおうとすると

シャルが腕を伸ばして鋳鶴君の手首を掴んで止めた


「あのさ・・・

鋳鶴・・・僕のお願い聞いてくれる・・・?」


「何?それと僕と喋る時は私でいいよ

シャルは女の子なんだから!」


「鋳鶴・・・

鋳鶴って優しいね・・・

なんでこんなに優しいんだろうって不思議になるくらい優しい・・・

あのね・・・私・・・

お願いがあるんだっ・・・」


「うっうん?何?」


「やっ!やっぱなんでもないっ!

それと今日は私の部屋で寝てね!

結さんが私に監視させたほうが良いって言ってたし!

それじゃあ先にあがるね!?

覗かないでねっっ!」


「えっ!?シャルの部屋!?」


鋳鶴君はシャル君が服を着るまで1人で大浴場の中で立ったままだった




ーーーーシャルの部屋ーーーー


お風呂の件から数時間

鋳鶴君とシャル君はシャル君の部屋で休んでいました

それからも二人でたくさんのお話、それぞれの悩みを口にした

それから数時間、歯みがきを等寝る前にする一連の事を終えて

二人はベットの中に入った消灯時間なのかシャル君の部屋にはなんの灯りも着いていません

鋳鶴君が寝息をかいて寝だしたのを確認すると鋳鶴君のベットにシャル君が近付きました

いい顔で寝息をかいて寝ている鋳鶴君を見てシャル君は少し微笑みを顕わにしました


「もう寝ちゃったよね・・・

鋳鶴は優しいな・・・

僕・・・こんなに優しくされた事なかったんだ・・・

隔離教育の中で異性とかとも関わりなかったし

でもお父さんはそんな異性になれと言われ続けた

たくさんの男の子が読む漫画や小説を読んだんだ

優しい男の子、強い男の子、冷静な男の子

そんぐらいしか僕は知れない・・・

でも・・・鋳鶴は漫画の人たちに負けてないよ

自分は家族に比べれば駄目とか弱いとか言うけど・・・

そんな事無いよ鋳鶴は優しくて・・・格好良くて・・・強くて

王子様みたいだよ・・・」


シャル君が赤面して鋳鶴君のベットに近付きます

鋳鶴君は寝息をかいています

そんな鋳鶴君を見てシャル君は頬をさらに赤くしました

自分にとって王子様みたいな人がいい顔して寝てやがります

本当にいい顔して寝ています久し振りの完全睡眠ですね

鋳鶴君は毎日忙しいのできちんと寝られる日が少ないのでしょう


「僕は今、何ももってないし・・・お金も無い

だから・・・僕の初めて・・・貰って・・・」


シャル君はそう呟くと寝息をかいている鋳鶴君の頬に軽く

唇をつけました鋳鶴君を起こさないように最低限のソフトタッチで


「おっ!おやすみっ!」


鋳鶴君が寝ているにもかかわらずシャル君は寝るおやすみと鋳鶴君に言った

それから数十分、シャル君が寝息をきかき始めた時

シャル君の隣のベットで寝ている鋳鶴君は身を起こした


「はぁっ!はぁっ!

ドキドキしたー!

何で僕がドキドキしてんだろうまったく!

最近おかしいなぁ・・・全部虹野瀬のせいだ・・・」


鋳鶴君は某魔法科超ドサドスティック会長虹野瀬さんの名前を出した鋳鶴君

勝手に名前出すとそぎ落とされてしまいますよ・・・?しかも呼び捨てです

色んな意味で彼のこの発言をサドスティック会長に報告してあげたいものです

しかし鋳鶴君、シャル君を寝かせておいて何をするつもりなんでしょうか・・・

まさか!寝ているシャル君を襲っ・・・!

そんな事ないですよねぇ~?


「シャル・・・ありがとう

嬉しかった・・・心の底から

それじゃあね・・・またどっかで会えるかもしれないし

さてと・・・本気で帰ろうとするか・・・」


鋳鶴君は寝ているシャル君の頭を二、三回撫でてシャル君の被っている布団を直して

その場を物音させずに立ち去った

扉を開くとそこは昼とは全く違った夜の魔王科の校舎に繋がった

何も無い廊下を歩く日の光も人もいない廊下を鋳鶴君は鼻息を立てず

まるで息をしていないのかの様に心臓の鼓動の音さえも消した

誰にも察知されずに行くために

鋳鶴君はなおも歩いた夜は短いうえに魔王科で活動の無い時間帯はほとんど無い

だから鋳鶴君は歩いた広い校舎内を歩いて歩いて休む事無く歩き続ける

シャル君と回った多量の施設、庭園、プール、体育館、色々な所を巡り回る

しかし一向に校門または魔王科から出る門らしきものは一つも無かった

鋳鶴君はふと思い出した

あの春休みの事を


「あの時もこんなに暗い時間帯に僕は襲われたっけ・・・」


今年の春休みを思い出す

去年まで普通だった自分の生活はガラリと変わった

謎の美女に襲われてから吸血鬼女に襲われたあの日に

まずは身体能力、足は速くなり筋力も増えた

普通の男子中学生の力量を遥か量がする程の力を

魔力も著しくあがった全くと言って良いほど魔力の無かった一般人に膨大な魔力が生じた

免疫や肉体的疲労の軽減なども全身に生じた

次に自分の家族が変わった

それも二人、

父親と母親は昔から今と変わらない

しかし自分の姉の二人、真宵と結、

家族の闇と家族を結ぶ意味を込められた二人

この2人が劇的に変わった変わってしまった

1人は世界統合の施設の将軍となり

もう1人は自分の通う学校の特別科の会長になった

望月家は世界で一番不思議で不可解な家族と言ってもいい

それはいつも鋳鶴君が所持している生徒手帳の中にあるわら半紙がそう語っている

わら半紙には

家族一、上品で優雅?で強く、世界の全ての人間が恐れおののく母親

家族全員の事を隠し守り通す霧の父親

全ての人間、生物に恐れをもたらし恐怖を与える長女

杏の花の様に美しく凜とした面影を持つ次女

稲穂の様に日に照らされ輝くそれをしき詰めた塊のような三女

家族全員がゆったり出来る梓の樹のように家族を見守る四女

家族の闇を消し去り明るさ、真宵を作り出す五女

家族の全ての関係、信頼を繋ぐ、結ぶ六女

威厳、純潔、無垢まるで花の様な女の子七女

まるで神から産まれたかの様に恵まれた存在、才能の原石八女

そして、家族の離れ離れになった関係を修復する為に飛ぶ鶴の長男

これは各々、望月家全員の役目を綴ったようなわら半紙

勿論書いたのは父親の霧谷さんと母親の雅さん

わら半紙を観ながら懐かしい思い出に耽っているといると背後に気配を感じた

いつも感じていた優しいかったはずのその気配、でもそれは去年までの話

敵とは認知したくはないだって家族だから

姉弟だから彼女も1人の大切な人だから

考えたことと考える事を止め鋳鶴君は後ろにゆっくりと振り向いた


「やっぱり・・・

ばれてたんだね

やっぱり姉弟が考える事は一緒なのかもね」


背後にいた人が雲が隠した月が現れどんどん顕わになっていく


「そうだな

やはり同じ事を考えているのかもしれない

だから此処で私はお前を倒してどうしても体育体会への参加を辞退してしたいようだ

たとえ愛するお前を切り刻んだとしても」


月光に照らされたそこには結さんが

木刀ではなく真剣を持って鋳鶴君の前に立ち塞がった

此処にまるで鋳鶴君が来ることを予想していたかの様に

結さんは真剣を持ち鋳鶴君を待ちかまえていた


「さぁ私と戦おう

明日を賭けて、お前の友人達を賭けて」


結さんの発言に触発される様に

鋳鶴君は左胸の蒼い炎を灯した

闇夜の中に灯りが灯る

月の光以外に魔王の炎が

鋳鶴君の目は赤く染まり髪は銀髪になっていく

それをさらに月が照らし反射をもたらすほどに綺麗な銀髪が映える

結さんにはそれが一枚の芸術的な写真に見えた


「月下の魔王か・・・」


「さぁ・・・

始めようか・・・

姉弟喧嘩を今度は負ける気がしないよ

今回は一昨日と違う・・・!

全力でいかせてもらう!」


「負ける気がしないな鋳鶴

私に剣を取らせたら日本で私に勝ちうる戦士は数少ないということを今ここで教えてやる」


結さんは真剣を構えた

その切っ先を鋳鶴君に突き付けて

鋳鶴君をまっすぐ見据えた

それに鋳鶴君も答えるように構え

結さんを見据えた

そして二人が見据え合って数秒、二人の姉弟喧嘩は始まってしまった


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