表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
優しい魔王の疲れる日々  作者: n
優しい魔王の疲れる日々5.5
53/94

第45話:魔王と混浴

シャル君への妄想それに空の声の私の自重の無さ・・・

まったくもって申し訳ございません・・・

しかし紳士だから仕方ないのかもしれません

そして今回は混浴回!

ハラハラドキドキの混浴が鋳鶴君を肉食に!?



「温泉か・・・

しばらく行ってなかったからな~

家族は全員揃わないし

歩と入った事はあったけど小学6年生で最後だったし・・・

こんなに大きなお風呂は久し振りかもな~・・・」


皆さん・・・聞きましたか?

今のとんでもビックリなカミングアウトを聞きましたよね!?

空耳ではありませんよ!このクソリア充は小学6年生まで幼なじみと風呂ですよ!

リア充爆発しろ!そしてもげろぉぉぉぉぉぉぉ!

ゲフンゲフン!口がだいぶ滑ってしまいました

ローションを塗っていたものですから

それにしても今のは紳士諸君も腹立たしい事でしょう・・・

その気持ちを私が代弁したまでです!

そんなこちらの思いはつい知らず鋳鶴君は服を脱ぎ始めました

魔王科の大浴場には超大型洗濯機も設置されているそうです

鋳鶴君は超大型洗濯機の隣にある大きな洗濯篭に脱いだ服を入れました

体力はあまりないものの良い体してます

これぞ健全な男子中学生の姿なんでしょう

筋肉も程良くついている上にスラリと伸びた背、

男子中学生にはあるまじき肉体とも言えます

これが遺伝ってやつですか

マナーに気を使う鋳鶴君、他の人が居ないのにタオルを巻いています

まぁ大浴場ではタオルを巻くまたは常備するのがマナーだと思いますが

浴槽へ繋がる重いガラス張りの戸をスライドさせるとそこには

1人で入浴するにはあまりにも大きな大浴場が広がっていました


「でかっ・・・」


あまりの浴槽の大きさに驚きを通り越して若干引いている鋳鶴君

腰に巻いていたタオルがはらりと床に落ちますが大事な所は大量に積み上げられた

桶がカバーしてくれています


「身体を洗わなきゃな・・・

昨日、僕はお風呂に入ってなかったな・・・入らないと」


鋳鶴君は積み上げられた桶の中から桶を一つ選び手に取った

そしてシャワーと蛇口がついている鏡の前で腰を下ろした

シャンプーの柄を2回押して石けんを出して一度お湯で流した身体にまんべんなく塗っていきます

一通り身体に塗り終わると今度は頭にシャンプーを塗り髪を洗っていきます

鋳鶴君が頭を洗っていると浴場へ入るガラス戸が音をたてて開きました

鋳鶴君は誰か来たことを察すると頭についたシャンプーをシャワーで洗い流し

その場を去ってお風呂に行こうとしたその時!

何者かが鋳鶴君の腕を掴み鋳鶴君を再び鏡の目に座らせた

鋳鶴君は捕まれた手を振り払おうと後ろを向くと


「あら♪

誰かと思えば望月君じゃない」


「明乃さんっ!?」


鋳鶴君の手を掴んで引っ張った犯人はこの人、

明乃さんでした

ポニーテールを解いて黒く長い髪の毛が垂れ下がっています

明乃さんはタオルを巻いていますが

胸が隠す為に巻いているかは分かりませんが胸が大きすぎて隠せていません

鋳鶴君の視線もついついその大きな胸、いいえデカメロンにいってしまいます


「お背中流しましょうか?」


「いっいえ!別にいいです!

もう背中は洗いましたしっ!

それにここは男湯ですよ!?

なっちょっ!」


鋳鶴君の注意をさらっと回避し

明乃さんはタオルを取ってお湯に漬けました

はい、もうすでに鋳鶴君には逃げ場はありません

洗い場は一番隅にあるうえに鋳鶴君の後ろにしか逃げ場はありません

この場から逃げるには一度明乃さんを見てしまう事になります


「もう降参しますから!

でも背中を流して貰うのは結構です!」


「えぇ~?

お金はいらないわよ~?」


「僕はそんな下劣な人間じゃありません!」


いいえ下劣な人間です


「そうかしら~?

確か対、機械科戦の時、公衆の面前で誰々が好きだぁー!

みたいな事言ってなかったかしら?」


うふふと笑う明乃さん、

流石です相手の弱点とまでは言えませんが

思い出させたくない事を思い出させるその物言い

ドSの真骨頂ですね!


「あれはですね・・・

あの色々・・・」


「反論できないならやめておきなさい♪」


鋳鶴君が何かを言おうとしても

笑って返されてしまいます

二人が楽しげに話していると再び浴場に入るガラス戸が音をたてて開きました


「明乃さんじゃないですよね・・・?

明乃さんは此処にいますし・・・」


「私は二人にはなれないわよ♪

でもお楽しみの人が来てくれたわ」


明乃さんは笑みをうかべると

鋳鶴君を連れて浴槽に浸かった

暖かいお湯が鋳鶴君の疲れ切った身体に染み渡ります

そりゃそうです鋳鶴君には基本、休みはありませんし

大家族なうえに家族が中々揃わないのに温泉やら旅行やら行けるわけがありません

日頃の疲れやら疲労やらが声になって漏れ出します

ちなみに魔王科の温泉には効能がたくさんあります

ここにあるエロフェッショナルメモによると


・美肌効果


・体調万全


・切り傷、すり傷など傷の回復


・骨折にもきく


・女湯を覗けば男に効能あり


そうです他にも様々な効能があるらしいのですが

字が汚くて読めませんね

最後のはあまり気にしないでください

何の効能か分かりませんので


「それにしても疲れが溜まっているのね

背骨と首の骨の音が凄く聞こえるわ♪」


「そうですか?

あっ本当だ」


鋳鶴君が首を左に右に傾けると

パキパキと鳴っているのが分かります

いつもご苦労様です

浴槽に入っている二人に介入しようとする影が

湯煙の向こう側から影がやってきました

そこには剣道場にいるいつもの胴着でもなく

魔王科将軍としての勲章も腕章もつけていない

胸から太腿にかけてタオルを巻いていない

結さんが現れました


「良い湯だな

これぞ秘湯という事か」


鋳鶴君は開いた口が塞がっていませんし

明乃さんは笑ったまま動きません


「何で全裸なの!?

それになんで来たの!?ここ男湯だよ!?

ねぇ!明乃さん!」


「そっ・・・そうねぇ・・・」


表情がひきつっている明乃さん

結さんはニヤニヤしながら鋳鶴君と明乃さんの間に無理矢理入った

これぞ両手に花ですね腹が立ちますね

左を向けばデカメロンをつけた豊満な女性

右を向けばタオルを着けていないデカメロンをしょった姉です

ある意味鋳鶴君は限界を超えています

えっ?何の限界?理性ですよ


「鋳鶴、ここは将軍湯と言ってな?

私と魔王科のまぁなんだ

偉い人しか入れないんだ

まず魔王科に男は・・・」


「駄目!結!それ以上は駄目っ!」


湯船から飛び出す勢いで明乃さんは結さんの口を両手で塞いだ

明乃さんに巻かれていたタオルは外れ

結さんの胸と明乃さんの胸がサンドウィッチ状態になっています

鋳鶴君はもう限界です爆死寸前です


「ちょっと!結!

ここにはシャル君がいるでしょう!?

それにその事は私たち二人しか知らないんだから!

それに彼女が望んだ事、今ここで口走っちゃ駄目でしょ!?」


「あっああ、すまなかった

鋳鶴の前だと何でも話してしまってな

いかんいかんっもう癖になってしまっているな

気を引き締めないとな」


「二人ともっ!

僕は男だから!

もう一度、言っておくよ!?

男だから!」


「それは重々承知している

お前は男だ弟では無い

無論、恋愛対象だ」


とんでもない事を言い出す結さん

鋳鶴君はツッコミを入れる気力すら残っていません


「ところで鋳鶴、

魔王科に入学する決意は固まったか?」


唐突に尋ねる結さん

先ほどまで笑顔だった表情は何処へ行ったのか

真剣な眼差しで鋳鶴君を見ています


「しないさ

する気なんて微塵も起きない

僕は異常者じゃない

彼女達みたいな不幸なめにはたくさんあってる

勿論それ以上の不幸にもあってる

でもさ?考えてもみなよ

まず魔王科に男子生徒がいたら可笑しい

それに僕は魔王って事が着々と広まってるのかもしれないからね

魔王が魔王科にいるなんておかしいよ

確かに肩書きは魔王科だけど中身は全然違う

魔王なんて1人もいないよ

だだ少し世間を知らない様な女の子達ばかりだ

そこに本物の魔王が入ってみなよ

此処は魔王科だよ?結姉のホームグラウンドだ

考えてもみなよ僕が魔王科に入ったら

結姉の待遇だってとか噂されるかもしれない

それでいじめられるかもしれない

結姉は男も女もいけるたちだからね

全員が駒になっていてもおかしくない

素直に言ってみれば?

僕が欲しいって」


「そう言って鋳鶴は私の物になるのか?

私はそうは思えない

お前はあきらめが悪いからな

それに往生際も

家族で一番、いや望月家ナンバーワンと言ってもいいぐらい

確かに男子生徒が魔王科にいるのはおかしい

しかしそれは私たち、すなわち魔王科の人間だけだ

現実はどう受け止めると思う?

軍事評論家や普通の人間でさえも此処の事を耳にしたらどう思うと思う?

答えは簡単だ

誰も美少女の花園とは思わないだろう

なぜなら「魔王科」だから

魔王は恐れる者

魔王は卑しき者

魔王は醜き者

魔王は善意の無い者

それが世界のイメージとなっている今

そんな想像が出来るだろうか

ただでさえつまらん世の中がそう思ってくれるだろうか」


「確かにそう思う人がいるかも

というか居なきゃおかしい

世界に魔王を恐れない人はいないね

でもいるとしたら僕らの両親とゆとり世代の僕たちぐらいだ

普通科のみんなもね

みんなは彼らをバカにする

魔王科、魔法科、銃器科、科学科、機械科

すべて、でもその中の全員とは限らない

でも彼らが恐れている者を僕らは恐れていない

だって近くに魔王ともっと怖い鬼がいるから

魔王はいつも自分を筆頭に

全国女子中学生剣道大会1位のポニーテール侍

愚鈍のふりをする天才

プロフェッショナルならぬエロフェッショナル

誰もが名を聞いたら恐れるオオカミ少女

愚鈍の天才に恋をした学年主席

圧倒的普通で普通の普通科会長に

寡黙な凄腕秘書

悪鬼羅刹、喧嘩負け無しの鬼

これだけいるんだ

そりゃ怖くもなくなるさ

怖くなるならまでしもみんなは僕らを応援してくれている

もうすぐ歴史的快挙が起ころうとしているからね

普通科の先生達も期待してくれている

もうすぐ歴史が覆る」


「覆させはしない

ルール改定もしたうえに魔王科の参加人数も増えた

私たちが負ける訳がない」


鋳鶴君は結さんがそう言うと

浴槽から立ち上がった


「覆してみせる

無理だなんだとか僕は嫌いだ

不可能を可能にする事は無理かもしれない

けれど僕らが勝つ要員はある

それだけ言っておく

僕はもうのぼせたから出るよ

お先に失礼します」


鋳鶴君はガラス戸の目の前にまで向かうと

その前でタオルを棒状に纏め

雑巾をしぼるようにタオルを絞った

絞り終わると明乃さんと結さんに一礼してガラス戸を閉めた


「ふられちゃたわね

将軍様なのに」


少し明乃さんは嬉しそうに結さんに話しかけた

結さんは不機嫌そうでもなくむしろ楽しんだ表情をしていた


「将軍は関係ない

そして決勝戦は魔王科も普通科も関係ない

これはただの姉弟喧嘩だ

世界で一番凶暴な母と秋葉の神を父に持つ姉弟のな

だが、もうシナリオは決まった

鋳鶴は私に泣きつき魔王科に来るという素晴らしいシナリオがな」


「そう上手くいくものなの?

まぁいいわ♪

私もゾクゾクしてきちゃった・・・

久し振りに大暴れ出来そうね♪」


「これ以上は覆らない

いいや、覆させない普通科は普通科で大人しくしていればいい

それを普通科の人間に教えなくてはいけない

私の鋳鶴を醜く・・・汚した奴等にな!」


明乃さんは妖艶な笑みを浮かべ

結さんは高らかに大声をあげて笑った

鋳鶴君はそれを更衣室で聞いていた

息を殺し着替えもままならないまま

ずっと、初めから二人の話の内容を全て耳にしていた

だが今は何も出来ない

何かを決意すると鋳鶴君は左胸にそっと触れるように拳を当てた


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ