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優しい魔王の疲れる日々  作者: n
優しい魔王の疲れる日々5
42/94

第38話:魔王と故友人

開戦して5分は単独行動作戦に移った我等が主人公鋳鶴君

しかしそこには対戦表にunknownと表記されていた人物が

それを見て身構える鋳鶴とunknownが臨戦体勢に入ると

unknownはフードを脱ぎ己の武器を召喚した

フードを降ろしあらわになったunknownの顔は死んだはずの鋳鶴君の彼女

有町沙綾<ありまちさあや>だった





「どうして・・・?

どうして沙綾がここに・・・!?

それも何で魔法科なんかに!」


動揺が隠せない鋳鶴君、

しかしフードを脱いだunknownは容赦なく鋳鶴君に近付き

自分の武器である鎌を振り回し攻撃を始める


「沙綾っ!止めてくれ!

僕は君と戦いたく無い!!

早く!武器を降ろしてくれ!

それに生きてたんだったら今まで何してたんだよ!」


「・・・・・・・・・・・・・・」


unknownは鋳鶴君の質問に答えようともしない

口は一文字に固められていて全く開く様子などない

ただただ鎌を振っている人形と化している


「返事ぐらいしてしてくれよ!

沙綾!沙綾!」


「・・・・・・・・・・・・・・・」




ーーーースタジアム北部屋ーーーー




北部屋には普通科の5人のメンバーが向かっていた


「ちょっと俺は用事あるから寿って奴の所に行ってくる」


と城屋さんは言うと部屋の前で壁を破壊し神宮寺さんの部屋へと向かった


「さぁて・・・始めるか!鬼退治って奴をなぁ!」


「さしずめ青鬼と赤鬼と言った所か」


「城屋さんと鋳鶴が居なくても俺等が普通科の強さを教えてやろうぜ!」


「今回は頑張って戦果をあげるっ!」


意気揚々とする4人

それを見て部屋で待ち受けている魔法科の二人は笑った


「おい・・・とんだ貧乏くじだぜ~・・・

こんな雑魚共相手とか聞いてねぇぜおい!!!!!!!」


「それぐらいしってんよぉ!

どうせ普通科は雑魚ばっかだからな!」


氷の魔術師は両手に氷を浮かべ不適に微笑んだ

炎の魔術師はあくびをしながら自らの魔法である炎を背後に展開した


「しゃあ!いくぜこらぁっ!」


「覚悟しろよ雑魚共がぁぁぁ!」


二人がそう叫んですぐ


スタジアムの天井が崩れ落ちた





ーーーー普通科本陣ーーーー




前回とは違い今回は破壊工作の二人を本陣に加え

本陣の守りを固めた普通科そこで休息を取っている会長の姿があった


「ふぅ~・・・

少し切羽詰まってるよね~?

今回はそう簡単に勝てそうにもないし?


負けるかもという事を考えて君ら二人を防衛に任せてあるからね?」


椅子に座りジュースを飲みながら

駄眼鏡は休息をとっていました


「貴方はいつもそうでしたね・・・

結局最後はいつも通り良い所を取るんですね?

そして自分は目立とうと?」


雛罌粟さんもいつも通りの態度で駄眼鏡と接しています

駄眼鏡は内心驚きながらジュースをすすっていた


「・・・!

何か・・・来る・・・!」


話を聞いて少し微笑みながらまったりしていた土村君の目の色が変わった

それを聞いて駄眼鏡と雛罌粟さんも顔色を変える

三人が身構えていると普通科本陣中央に歪みが生まれた

そしてその歪みから美しく白い光を放つ服の裾が現れた

そしてそこから除く顔


「来てあげたわ・・・

盛大にね?

さぁ始めましょう・・・

今日は体育大会という名のお祭りよ?

それに勿体ないとは思っているけど

私が特別に直々にあなた達と遊んであげるわ

そして未来はこうなるあなた達普通科体育大会出場メンバーは」


歪みから現れたのは魔法科会長の虹野瀬縒佳

そして彼女はそこまで言うと妖しい微笑みと高らかな声をあげた


「これは言うべきかしら?

でも言っておくべきね

あなた達は死ぬ

全員事故死で」


虹野瀬縒佳が右手を振り上げると

スタジアムの天井が落下した




ーーーースタジアム南西側ーーーー




すでに虹野瀬縒佳のサインが起き

南西側の天井は全て落ちていた

城屋さんは南西の部屋につき戦闘を行おうとしていた

しかし天井は崩れ落ち城屋さんは瓦礫の下に埋もれてしまった

そこには黒いレースでミニスカートのドレスを着た神宮寺さんしか居なかった


「城屋様でしたか?

痛いでしょう?いきなり天井が落ちてきましたもの

カバーの仕様がないしそれに貴方は魔法が使えませんもの♪

貴方のお姉様みたいに華麗な魔法は使えないのでしょう!

本当に馬鹿姉弟ですわね

それに普通科の皆さんも知能がお低くて?

この位予想出来ないとペチャンコですわね♪

さて私も・・・」


神宮寺寿がその場を去ろうとした時

一つの野太い腕が瓦礫の中から天に向かって突き出た

その手にはなにやら刻印の様なものが現れている

そしてもう一本、野太い腕が瓦礫の中から顔をだした


「一応言っとく・・・

俺は弔い合戦に来た訳じゃねぇし・・・

姉ちゃんの事はもうどうでもいい・・・

俺には当時と違ってなぁ?

最高の仲間と最高の達が居る

そいつらの為なら命を張れるたとえこんな馬鹿な体育大会でもな

勿論てめぇらに負けるつもりもねぇし降参するつもりなんてさらさらねぇぜ?

俺はあいつ等の為に此処に埋もれてる

今、そうたった今此処でな?

それによ俺にも異能っつうものがあったんだよ本当驚きだよな?

本人が驚くぐらいなら周りはさらに驚くと思うぜ?

結論を言うとだ・・・」



みるみる内に瓦礫の中から普通科最強の不良の身体が出てくる

神宮寺寿はそれに見とれてしまった

普通科の異能力者は優しい魔王と圧倒的普通者しか知らされていない

そして全身が出てくるとその男のカッターシャツの背後には「鬼」の一文字が浮かんでいた

全身からは赤いオーラの様な物質が放たれており

そのオーラが周りの瓦礫を震動させていた


「とにかく俺はてめぇ等をぶっ飛ばす!全力でだ!」


「はっ・・・・!魔法壁!」


神宮寺寿が魔法で壁を何重にも作るも

鬼はそれを軽々と破壊し無に返した

あまりの衝撃に空中から瓦礫の上に投げ出される

驚愕する神宮寺寿を見て城屋誠は余裕の笑みを浮かべた


「どうした?

お前は虹野瀬と同じくらい強いって聞いたけど

これじゃ鋳鶴にも余裕で負けんなほら来いよ・・・

監視カメラ壊すのもお前等の作戦だろ?

さっさと禁術でも何でも使ってみろよ

さぁこい・・・俺が全部防いでやるよこの力でな」


右手を内側に二度傾け

城屋誠はさらに牽制をかけた





ーーーー普通科本陣ーーーー




普通科本陣も瓦礫で埋まっていた

瓦礫の山を見て虹野瀬縒佳は恍惚の笑みを浮かべていた


「あぁ堪らないわこの感じ・・・

ゾクゾクしちゃうでも勿論・・・くたばったりしてないわよね?

それにホイッスルが放送でかからないもの

私たちが壊したもの全て!全部!ALL!

カメラも拡音機もスピーカも全部」


「そうだね・・・?

全部壊されちゃったみたいだ

おかげで二人を救った僕が馬鹿みたいに血を流しているよね?

それに監視カメラが無い限り戦闘不能かどうかも分からないし?

でも久し振りにカチーンときたよ?

さすがに君がいくら可愛くてお嬢様で高飛車であってもね?

これはやり過ぎだと思うよ?」


「じゃあ私を3人係で倒すのかしら?

今この普通科本陣で」


「いや?そんな卑怯な真似は僕はしないよ?

二人には寝て貰ってるだけだよ?普通にね?

それにブチキレるところは誰にも見られたくないしね?

監視カメラとかも壊してくれて逆に御礼を言うよ?

とってもありがとうってね?

だからこれから僕はいつも語尾に付ける疑問符を取るよ?

だってとっても怒っているんだから世界を消してしまいたい位とは言わないけどね?」


「貴方なら破壊できるでしょう?


「世界が滅びるなんて普通だと思う」


とか言えば世界は簡単に終わるわ」


「でもそれじゃあつまらない

地球が滅んでしまったらこれからの面白いことを見ていけない

僕は神でも天使でも魔王でも無いけれど世界を滅ぼせる力を持ってる

人間として僕は矛盾した存在だよでも人間として普通に成立している

それに僕は寡黙な神でも無ければ正義の天使でも無い

世界をぶっ壊す!とか思っているRPGの魔王でも無い

普通で普通な普通科にいる生徒会長の普通で普通な風間一平だよ」




「そうだったかしら?

どこもかしこも貴方は異常だらけじゃない

そして私は異常の塊、

普通と主張する異常

異常を主張する異常

どっちが強いかしらね

さぁ・・・始めましょうかここからはルール無用の何でもあり

異常で異常な普通科にいる生徒会長の異常で異常な風間一平

一緒に私とダンスを踊ってくださる?

この異常で異常な魔法科にいる生徒会長の異常で異常な私と

このスタジアムと言われる場所の瓦礫の上で

そしてどちらが先に踊り疲れ足を崩すかこの戦いで決めましょう」


虹野瀬縒佳は魔術書を開き詠唱を開始した

それを見て風間一平は眼鏡をそっと地面に置いてこう言った


「君は僕に普通に勝てない」




ーーーースタジアム南西側ーーーー




「くっ天井が・・・

はっ!沙綾!沙綾!」


鋳鶴君は先ほどまで沙綾さんが居たところの瓦礫を掘り起こしていく

そして掘り起こしていくうちに鎌とフードが見つかった


「沙綾!?沙綾!」


そこには美しい人間離れした蒼白の肌の顔があった

衝撃か何かで気絶しているのか動く気配は一切と言われるほど無い


「良かった・・・

今すぐ出してあげるからね・・・

うんしょっと・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「どうして何も言わないの?

そろそろ口を開けてもいいと思うんだけど・・・

沙綾・・・どうしちゃったの・・・?

やっと会えたんだよ・・・?

顔も白いし病院いこう・・・!

それより久し振りに会ったからさ・・・」


そう言うと鋳鶴君は無表情なままの少女を抱きしめた

しかしその鋳鶴君が喜んだ再会虚しく

一本の鎌が鋳鶴君の左胸を貫いた


「さっ・・・沙綾・・・?」


「・・・・・・・目標の破壊を確認・・・・・・・

これより他の目標を破壊します

マスター虹野瀬指示を・・・」


ただ横たわって見る事しかできない

好きだった人の姿が

一本の鎌によってそれも彼女の持ち物によって

久し振りに再会した抱擁の間に

そして少女は男の耳に口を寄せた


「マスター虹野瀬からの伝達です


「死んだ人間は生き返らない

貴方は盛大に馬鹿ね

そのまま死んでいくといいわ

大丈夫事故死扱いにしておくからそのまま素直に眠りなさい

そして最後には彼女のお墓に骨を入れてあげるわ

それではお休みなさい望月鋳鶴君」


との事ですそれではお休みなさい望月様

大丈夫です貴方用に対魔鎌で刺しておきましたから

魔王の力は使えませんそしてさようなら」


そう言うと鋳鶴君は目を閉じその場で永遠の眠りについた

左胸の蒼い輝きを仄かに残して





北海道に行って更新が遅れてしまいました・・・


申し訳ありません・・・!

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