第33話:魔王と脱走開始
千鶴ちゃんが勉強している裏の部屋で神宮寺さんと虹野瀬さんが
怪しい会議をしている様です・・・
何か・・・暗いです
漆黒の中に漆黒のテーブルがありその両端に二つの玉座があった
そしてその玉座には黒いレースのワンピースを着た蒼白美少女と
先ほどまで着ていた白いレースのワンピースを脱ぎあられもない下着姿になった美女がいた
「ふぅ~・・・
この部屋以外で服を着て過ごす事すら面倒だわ・・・」
「それは貴方が露出狂なのではありません?
かと言って私も服を着たり脱いだりするのは面倒だと思っていらしてよ?」
漆黒に包まれた場にはテーブル、二つの玉座、
虹野瀬縒佳と神宮寺寿しか存在していなかった
まわりには物体らしきものは無くまるで天体の無い宇宙空間の様な景色が広がっていた
蝋燭が無ければ蛍光灯も配備されておらず窓は閉め切られていて外からの日光も差し込んではこない
「それにしても・・・
昨日のは凄かったわね・・・
久し振りに魔術師としてゾクゾクしたわ
あんな魔法を使うとは私も予想だにしてなかったわ
なぜ彼にあれほどの魔力と詠唱力が・・・
それにあの呪文」
「たしかにそうですわね
多分、普通科の雛罌粟とか言う輩の根回しでしょう
魔力と詠唱力は」
「魔王だからですわね」
「魔王だからに決まっているわ」
二人は声を揃えてそう言い放った
二人はけして同じ事を言おうと思ってもいなかった
二人の意見が珍しく同意したのだ
「貴方と意見が合うなんて・・・
私も落ちたモノね・・・」
「それはこっちの台詞ですわ!
どういう神経しているんだかまったく・・・」
「でも彼はとても面白い・・・
私も貴方も久し振りに興味を持った人物なのよ?
魔王を除いても私は彼が欲しいわ
望月鋳鶴という人間は計り知れないわ
魔王じゃなかったとしても・・・
母と父が彼の場合通常の人間とは違う上に
父母の遺伝を受け継いでるか知らないけれど・・・秀でた何かがある
今になって魔王?だからなに?って感じになったわ・・・
貴方は知らないでしょうから魔法科で独自に調べたプロフィールがあるわ」
そういうと虹野瀬縒佳は指を鳴らし漆黒の中から漆黒の封筒を取りだした
封筒を開けるとそこには11枚の漆黒のプリントが入っていた
「これは・・・?」
「望月家族のプロフィールとでも言っておくわね
まぁ・・・くだらない事もあるけれどまぁ体格とかしかないわ
あとどんな仕事をしているかとかね・・・」
神宮寺寿は封筒の中から11枚分の紙を取り出すと
プリントを閲覧を開始した
望月 霧谷
44歳 男性
身長186cm
職業:国家公務員
武器:秋葉原愛
望月 雅
44歳 女性
身長182cm
職業:世界統合医療機関(WIMF)医療庁長 world integrative medicine facility
武器:銃式打出鋼拳
望月 恐子
26歳 女性
身長176cm
職業:ファミレス店長
武器:グローブ
望月 杏
24歳 女性
身長 176cm
職業:弁護士
武器:六法全書など他多数の書物
望月 穂詰
23歳 女性
身長 179cm
職業:陽明学園代表保健医
武器:酒と己の身体
望月 真宵
22歳 女性
身長 178cm
職業:世界武力統合機構(WMPUM)大将 world military power unification mechanism
武器:刀と弟愛
望月 梓
20歳 女性
身長 175cm
職業:大学生
武器:無し
望月 結
18歳 女性
身長 177cm
職業:高校生 魔王科生徒会長
武器:木刀と弟愛
望月 鋳鶴
15歳 男性
身長 175cm
職業:中学生 普通科
武器:魔王の力?
望月 ゆり
14歳 女性
身長 165cm
職業:中学生 普通科
武器:笑顔
望月 神奈
14歳 女性
身長 173cm
職業:中学生 普通科
武器:自分より小さい者達を持ち上げに持ち上げ精神的に破壊する事
「とんでもない家族ですわね・・・
半分ふざけたような内容でしたけれど・・・」
神宮寺さんはプリントを見終わると
呆れたような面持ちで再び漆黒のプリントを漆黒の封筒の中に入れた
それを見た虹野瀬さんは先ほどまで眠そうに細目をしていた目を見開き微笑んでいた
「でもとても面白い家族だとは思わない?
私はこういう人たちが好きなのよ
これこそ怪奇が起こる源になってくれるとは思わない?」
「まぁ・・・そうですわね・・・
確かに不思議なご家庭という事は認めてもいいと思いますわ
でも・・・敵にまわすとやっかいですわね・・・」
神宮寺さんが目を細め何かいい手はないかと模索している
するとひらめいたのか右手と左手をパンと合わせ
「そういえば・・・
普通科と闘うのは今週でしたわよね?」
「そうだけれど?
それがどうかしたわけ?」
「さっきの話しは置いておいて
そろそろ実行しません?
もう彼の素性など女装癖まで分かりましたし・・・
もう調べる事も無いと思いますわ
それに魔王としての力は限りなく0に等しい
それに普通科なんていつでも潰せますわ
でも腐っても魔王君には・・・普通科に参戦出来ないようにしないと・・・」
「確かにそうかもしれないわね
でもまだ来て2日よ?
もう少し居てもらいたいしそれに彼を洗脳する時間も欲しいわ
それでも、もう彼を解放してしまうのかしら?」
虹野瀬さんのその言葉を聞いて神宮寺さんは妖しく微笑む
その表情はまるで獲物を見つけた蛇の様な目付きになった
「さて・・・
では始めましょう・・・」
「頃合いとでも言っておこうかしら」
神宮寺さんは漆黒の中指を鳴らした
すると放送機器がそこに出現しスイッチを付けマイクを手に取った
「あ~あ~マイクのテスト中ですわ
えぇコホン・・・
皆様・・・聞いていらして・・・?
今、魔法科生徒会室で会長が普通科の望月鋳鶴という者に監禁されています」
そう言うと神宮寺さんは虹野瀬さんにマイクを向けサインを出した
そのサインの見て虹野瀬さんは咳ばらいをし
「あんっ・・・
そこはっ・・・
あっ・・・あぁ~!」
演技力の良さを生かしその喘ぎ声を全力でマイクの前で響かせた
「許せん!我等が虹野瀬様になんて事を!」
「魔王を捕まえて切り刻んでやるわ!」
「私も・・・
いつ服を脱がされ犯される事か・・・
皆さんの力が必要です・・・
お願いしますわ・・・
私達を助けて下さいまし・・・」
「「魔王ぶっ殺す!」」
魔法科生徒達はその放送を聞くとエレベーター前に駆けつけた
その頃・・・
「あったあったこれだ!早く持って帰らないと!
これで作戦完了!
あとは普通科へ持ち帰るだけ!
ここには名残惜しいけど早くいかないとな・・・」
その鋳鶴君の行動を隠し扉の隙間から見た神宮寺さんは
妖しいほほえみをうかべ、マイクを手から離した
最近気分が悪い事が多いです・・・
また休みが長引いてしまうかもです・・・