第31話:魔王と魔法科試験
ついに潜入開始、鋳鶴く・・・じゃなかった千鶴ちゃんは
魔法科前につくとそこにいきなりとっても美人な先輩に会う
そして魔法科生徒会長、虹野瀬縒佳さんの元へ行くこととなる
美人に手をひかれ少しばかりの緊張を抱いている我等がヒロイン千鶴ちゃん
頭の後ろに大きく揺られたポニーテールがゆさゆさと小刻みにゆれています
魔法科はとてつもなく大きな校舎でかなりのインパクトがありました
普通科より三倍も大きな校門、とてつもなく大きな校舎
しかし何よりもそれよりも・・・
普通科と違い魔法科は人も多いだから千鶴ちゃんの脳内では早く敵の主力、
体育大会に出る強者の能力を聞き出さねばならない
残された期間は5日間、
「あの・・・
生徒会長さんはどんな人なんですか・・・?」
千鶴ちゃんが恐る恐る美人な女性に話しかける
すると女性は後ろを向きニッコリっと微笑んだ
「会長ですわね~・・・
よく分からない人ですわ♪
私もあまりしりませんしそれと私たちの生徒会長の行く前に
やってもらう事がありましてよ♪」
そう言うと美人名女性は前にふりかえった
今はこのエレベーターの様な乗り物にのっており
窓ガラスはなく完璧な密室状態、二人しか居ないこの場で火膣の考えに辿り着きました
ーーーーばれてる!?ーーーー
ーーーー裏声にしてるしスカートが捲れないようにロングスカートも履いてる!ーーーー
ーーーーウィッグもしてるしばれる訳がない!ーーーー
千鶴ちゃんは内心心配しながら一度深呼吸し
美人の女性に質問を繰り出しました
「あのぉ~・・・
お名前は・・・?
それに何年生の方ですか・・・?」
やはり千鶴ちゃんは女性にびびりまくりです
美人な女性はびびりっぱなしの千鶴ちゃんを見て優しく質問に答えました
「私ですか?自己紹介が遅れてしまいましたわ♪
私は魔法科3年、神宮寺寿<じんぐうじ ことぶき>と申しますわ♪
あなたのお名前は?」
「望月いっ・・・
望月千鶴です!」
神宮寺さんは千鶴ちゃんお名前を聞くと頭に疑問符を浮かべ考えはじめました
「望月・・・?
どこかで聞いたことあるようなないような・・・
あっ!普通科の望月君の妹さん・・・?
それか従姉妹さん?」
千鶴ちゃんは鋳鶴君の名を聞くとビクッとしてしまいました
自分が鋳鶴なんですけどねぇ~・・・
「そうです!
あの馬鹿の従姉妹です!
あのヘタレを倒すために普通科から優秀な成績を取ってこの魔法科に志願しました!」
「そうでいらしたの?
でも彼は強い・・・普通科も侮れませんわ
それにいけてるメンズも多いと聞きましたわ♪
おっと着きましたわね」
エレベータのベルが鳴り指定された階についたそうです
ついた部屋には何もなくただただ白いコンクリートの壁と床しか存在していませんでした
しかし部屋の角に4つ監視カメラがついていました
「あのこの部屋はいったい・・・?」
「この部屋は普通科に入るまたは志願した者がうける・・・
いわゆる試験ですわね
ここでは魔力の試験をしていますの♪
では鉄板を出してくださいまし!」
神宮寺さんが大声をあげると白いコンクリートの床が割れ
下から大きな鉄の板が出てきました
千鶴ちゃんの身長を軽くしのぐ3mほどの鉄の板が
千鶴ちゃんと神宮寺さんの目の前に何枚も連なって現れました
鉄の板は寸分の狂いもなく的確に並んでいます
「こっ・・・これをどうするんですか・・・?」
「全てとは言いません、
魔法で破壊してくださいまし♪
場合によっては一発合格というのもありましてよ♪
ただし一発合格に必要なのは
魔法の詠唱のスピード、威力、命中率、全てが完璧でないといけませんわ♪
でも基本すべて破壊すれば合格は出来ますわ♪
そこに魔術書があるでしょう?
その書に記されている初級魔法というものを使ってみてくださいまし♪
ちなみに歴代最高は189枚、今年の確率は・・・
1人約0.13枚ですわね♪ほとんど誰も破壊、ヒビ入れすら出来ていませんもの」
0.13枚!?無理に決まってる
とでも思っているのでしょうか・・・千鶴ちゃんが動かなくなってしまいました
しかし決心がついたのか顔色を女の子から男の子に変えました
今は鋳鶴君状態です
「分かりました!やつてみます!」
噛みましたね・・・盛大に噛みました
鋳鶴君は噛んだことを恥じつつ魔術書を取りに行きました
「いきます・・・!」
そう言うと魔術書を開き詠唱をはじめた
昨日言われた事が鋳鶴君の脳内で繰り広げられた
「望月君、夜分魔法科には試験があります
貴方は魔法を一つも知らないでしょうから私が試験にうかれる魔法に美をチョイスした資料を差し上げます
そのかわり確実に合格してくださいね?」
一つだけ・・・魔法を教えて貰ったな・・・
なんて言うんだっけ・・・
鋳鶴君は頭の中で思い出そうとする
その言葉、詠唱の呪文は自然と口に出ていた
「邪な者を消す魔法よ・・・
我が前に現れたまへ・・・
全ての因果に応報を・・・
ただただ繰り返す螺旋の輪・・・」
その詠唱を聞くと神宮寺さんは通信機を迅速に自分の胸ポケットからひきずり出した
「聞こえていらして!?
壁の強度を上げて!このままでは鉄板もろともこの部屋一帯が吹き飛びましてよ!
早く迅速に動きなさい!」
通信機越しの相手に怒鳴りつけると神宮寺さんは妖艶な笑みを零した
「流石とでもいいましょう・・・
詠唱に夢中で聞いてらっしゃらないでしょう♪
普通科の魔王・・・偵察ご苦労様ですわ♪
そして・・・陽明学園が誇る魔法科にようこそ・・・
望月・・・鋳鶴君♪」
「我の力を通したまへ・・・
ただ前の敵を殲滅せし光の矢
全てを破壊しなぎ払え・・・
我、全てを破壊せさめし者なり・・・」
詠唱が終わると鋳鶴君は右手を鉄板へと翳し眼を見開いた
そこにはいつもの鋳鶴君では無く魔王の眼をした鋳鶴君しか現存していなかった
右手が光り大気が震える全ての魔力を込め放つ
己が魔力で出来たとてつもなき全てを焼き尽くす光の矢を・・・
その日陽明学園を中心に震度4の地震が起こった
それと同時に魔法科の記録が塗り替えられ
望月千鶴の名は1日にして陽明学園内で広まった