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優しい魔王の疲れる日々  作者: n
優しい魔王の疲れる日々3,5
29/94

番外編:魔王の母

いつだっただろうか・・・

「この子を生かすためには人の血は駄目なんです!ここに私が極秘に採取した魔王の血があります!この薬と適合さえすれば雅先生の息子さんは必ず!いいえ!絶対に治るはずです!」

私が息子を魔王にしたんだっけか?

覚えてねぇや・・・




ーーーー望月雅ーーーー




いつだったか・・・覚えてねぇや・・・

私は息子を魔王に仕立て上げたというより魔王にした。

初めて出来た息子だった今はそうは思う事も無くなったかもしれないが、私は昔・・・

と言っても10年前ぐらいまでは息子を溺愛していたような気がする。






ーーーー10年前ーーーー





「今日も残業だ。

お前等がキビキビ働いてくれれば仕事も早く終わるし

私は家に帰らんがお前等は久し振りに家に帰れるかもしれんぞ

私はお前達に仕事を押しつけているんじゃないぞ?

私の病院に入った以上私が頂点ではないがここは世界から患者がくる。

寝る間も無い程忙しい日もあるうえにつまらん仕事だ。

人を救いたいが為に此処に入ったのなら私の手となり足となれ!」


久々に言ったな、三日ぶりか?

まぁ・・・実際此処は忙しい世界から患者という患者が送られてくる。

沢山の人間が今まで辞めていったが今私の助手というか、下僕的なやつは3人程居る。

特に反抗期てきなのは一番奥の机に座ってるあの馬鹿だな


「院長!なんど言いやぁわかんだよコラァ!

仕事多すぎンだよ馬鹿じゃねぇの!?仕事おしつけんな!たまには働け!」


こいつはえぇっ~と・・・

あっそうだ佐藤とか言ったか?

2人名前を覚える暇もないな、一人は私が名付けたから分かるが・・・

すぐ忘れてしまうもうすぐ辞めそうな奴とかの名前なんて記憶する価値にすら値しないと私の脳が記憶する事を拒否する。

雅さんそれじゃ駄目でしょうよ!

皆さんおはこんばんちは!空の声です。

雅さん自分の部下の名前くらい覚えましょうよ・・・

それにしても流石雅さんです。10年前から目付き悪いし目の隈ありまくりです。

そしてそんな雅さんにキレているこちらの方は犬塚亮<いぬづかりょう>さん、

名前の通り犬歯が鋭いですし髪の毛もボサボサです。

それに鼻ピアスも付けています・・・この人が医者の卵なんですか!?

まぁ・・・いいでしょう・・・それにしても雅さんに喧嘩を売るとは・・・

なんという犬でしょうか・・・


「院長~!いつ離婚するんですかぁ?

私待ちきれませんよぉ!早く離婚してください!

そうすれば私の事を娶って貰えますもん!最高ですよ!

尊敬していた雅さんと結婚したいしたいですよぉ~!」


とてつもなくアニメ声の五月蠅い声が院内に響き渡りました。

彼女の名前は里中嗣<さとなかみつぐ>さん、雅さんに憧れ医者になったお馬鹿さんです。

でもホントは凄い人なんですよ!?犬塚さんもですが雅さんが入っている病院には超エリート並に頭のいい人しか入れないのですそれプラス忍耐能力ですよ・・・貴様のような下等戦士にはなれないんだよぉ!って感じです。それにしても雅撒と結婚するのは無理でしょう・・・

夫が自分同様16英雄の生き残りの1人なのですから。


「先生・・・出来た・・・次欲しい・・・

私・・・仕事・・・大好き・・・

院長も・・・犬と嗣も好き・・・

だから仕事頂戴・・・いっぱい働くから・・・」


そして最後の1人、幸が薄そうで髪で顔が隠れてしまう程髪が長い女性は、

蓮<れん>さんです。雅さんが昔拾った人なので名字も無い、

名前も無く雅さんが蓮と名付けたそうです。

それにしても顔を見せませんねぇ・・・この中には絶対美人が!

居るような気がするだけです・・・すいません・・・


「蓮、お前はもういいぞ?

お前がなんだかんだ言って一番働いているしなお前はもう着替えてきていいぞ?

犬塚も里中ももうすぐ終わるだろう?後は二人に任せて風呂でも入ってこい。」


「はぁ!?なんで蓮だけ風呂はいれんだよ!俺も帰りたい!

早く風呂入って犬とじゃれあいたいぜ畜生!」


「院長!今日も帰りませんよ!

私は院長の側にずっといますよ!?

寝るときもトイレの時もお着替えの時も夫婦の営みの時も!

私は院長と一緒にいます一緒にに一生います!

それでもって院長を旦那さんから寝取って私がお父さんになります!」


こいつらはいつも五月蠅い・・・

まぁその方が活気があっていいんだがクソ五月蠅い・・・

いつものやるか・・・

深いため息をつく雅さん、何か起こりそうな予感です


「じゃあ後十分でこの仕事できなかったら、

犬塚は1週間私のパシリ

、里中は総院長の所につれてってあのクソじじいにマッサージだのなんだのしてもらおうか?

えぇ?それも出来ないというんだったら仕事辞めちまうか、

さっさと仕事終わらせろ、早い話そうなったが?」


二人の手の動きが変わりました受験生の猛勉強って感じです。

詳しく言おうものなら受験3日くらい前の状態です。

そりゃそうでしょう・・・二人とも自分的にもっとも嫌な罰ゲームのようなものなのですから。


「院長・・・私も手伝う・・・」


ボソッと二人を気遣い手伝いの許可を雅さんから貰おうとする蓮さん

しかし雅さんは首を横に振りました。


「駄目だ。これは馬鹿二人にやらせる。

その方が私もサボれるし二人の能力も上がると思う、

それに蓮は住み込みだし良く仕事するしでも暗いな501号室の宮本さんから暗すぎるって苦情がきたぞ?

もっと明るくできるといいんだがなぁ・・・

とにかく私と風呂入りたいなら正直に言えよ?後10分はここに居るからな。」


ボッ!っとまるで爆発でもしたかの様に顔を真っ赤にする蓮さん、

もしやあなたも・・・ゆ・・・ゲフンゲフン!

でも彼女は雅さんを母の様に思っています。

それ以上に神の様な存在でもあるのです。


「入りたい・・・洗いっこしたい・・・久々に・・・」


蓮さんのその発言に叫びを上げる者が一人・・・


「ずるいですよぉ!院長!どういう事ですかぁ!?

私も院長とお風呂入りたいですよぉ!蓮羨ましい!羨ましすぎる!この泥棒猫ぉ~・・・」


イライラしながら仕事を進める二人、

蓮さんは着替えを取りに行きました。

そして十分後・・・


「終わったぁ~!やっと帰れるぜMYHOMEに!院長の仕事終わった後の家は最高だぜぇ~・・・

もう俺は帰りますんで!んじゃ!」


ウッヒョー♪っと声を出しながら家に帰る犬塚さん、

よほど嬉しいんでしょうスキップしながら帰っていきます

。しかし・・・仕事を終わって嬉しい犬塚さんに対してふてくされている里中さん、どんだけ雅さんが大好きなんですか!


「院長~・・・お疲れ様ですぅ~・・・うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


「何で泣いてんだ・・・?まぁいい、蓮風呂入るぞ~」


「はい・・・!」


カポーンとお風呂の音的なものが鳴ります

お二人は・・・ちっ・・・タオルを巻いて来やがったか・・・

・・・?済みません!私とした事が取り乱してしまいました!

お風呂場でも髪が前に垂れっぱなしの蓮さん

、雅さんはその髪を後ろに降ろせと命令しました。

そこには、なんと色白美人が!なんでしょうか!めっちくちゃ可愛いですよ!?

こんな女性が長髪を前に垂らしているなんて勿体ない!

なんなら私がお嫁にもらっ・・・ゲフンゲフン!!!!!!!!!!!!!!

とまぁ・・・美人です。

髪の毛は青というより美しく表現すると蒼とでもいいましょうか、ボサボサな髪です。

しかしきちんと髪を解かせば、美しい髪になりそうです。


「蓮、髪はきちんと解かせと言ったろう?

まったく・・・お前は仕事の言うことは聞いても

自分の髪とか服装を直せて言ってもまったく言うことをきかんしな・・・

私の家の頑固娘達にそっくりだ・・・」


嬉しそうな顔を上手く表現出来ない雅さん

、蓮さんは彼女の顔の微妙な変化だけで笑いたいのに笑えないとか

哀しいのに哀しいふりをしているのが分かります。

娘達の事を思い出し、嬉しくも哀しい表情をしている雅さん、娘達に会いたいんでしょうねぇ・・・


「院長・・・寂しそう・・・でも嬉しそうな顔をしてる・・・」


「そうか・・・?まぁ・・・息子も1人だけ居るしな・・・あいつ等は元気にやっているかな~とな

長女が働いてくれているしな・・・」


やっぱり寂しそうな雅さん、やっぱり忙しくても家族に会いたいんでしょうか


「院長・・・休んでいいよ・・・?

ここは私と・・・犬と・・・嗣で頑張るから・・・ね・・・?休んできて・・・?」


雅さんの表情と心理を読み取る蓮さん、顔が見えているので蓮さんの心理が分かる雅さん、


ふっ・・・私なんかを心配してくれているのか・・・

こんな気持ちはいつぶりだろうか・・・懐かしいな・・・

こんな優しい気持ちになれるのは・・・


「ありがとな・・・じゃあ今度休みもらうな、

だが私が居なくて大丈夫か?総院長は厳しいぞ~?

お前は可愛いからな・・・手も出されるかもしれんぞ~?

私はけつ触られた時思いっきり顔面に蹴りあびせてやったがな。」


「院長・・・今度じゃ駄目・・・

明日から行って・・・三人で頑張るから・・・

お願い・・・私たちに任せて・・・

院長が大好きだから・・・

院長は私を拾ってくれた・・・

だから・・・私が今度は院長に恩返しする・・・私ももう16歳・・・!」


ふっ・・・っと雅さんは笑うと・・・


「そうだな・・・ありがとな蓮・・・」


ギュッと蓮さんを抱きしめました。

蓮さん!?目がうつろですよ!?大丈夫ですか!?


ーーーー院長・・・!暖かい・・・!あっ・・・でも・・・ちゃんと休んでって・・・言わなきゃ・・・!

院長お肌スベスベ・・・院長の胸大きい・・・院長・・・大好き・・・ーーーー


「む?寝てしまったか・・・風呂に入れた後ベットにでも運んでやるか・・・」


ほんの少しだけ笑みを浮かべながら雅さんは蓮さんの体を丁寧に洗い、湯船に入れてあげました


ちなみに此処は病院から少し外れにあります。

雅さんが悩める看護婦や自分の部下達の為に山を砕いて水脈を発見し、

それがたまたま温泉だった為そこに温泉施設を作り女医や看護婦のみが入れる温泉にしたそうです。


「まぁ・・・明日は久し振りに会いにでも行ってやるか・・・久し振りに家族に会えるか・・・」


お風呂で雅さんはボソッと呟きました




ーーーー朝ーーーー




「んじゃ私は1日だけ旅行に行ってくるんで後よろしく~」


「あぁ!?ふっざけんな!何で俺たちがしご・・・!」


雅さんに何か言おうとした犬塚さん、里中さんに口を塞がれ伝えたいことを伝えられません


「行ってらしてくださいねぇ♪院長とは会えないの寂しいんですけどぉ~・・・

子供達の顔を見てきてくださいねぇ~・・・」


「院長・・・行ってらっしゃい・・・♪」


「おう、行ってくる~」




ありがとうな・・・お前等・・・行ってくる・・・


自分用のヘリを飛ばし、望月家に向かう雅さんなのでした。



少し長くなりすぎたので続きは魔王の母2にて!

次回はショタ鋳鶴も出るかも!?

感想などもおまちしております!

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