第22話:魔王とはらぺこ長女
家に帰る途中でかかってきた電話なんと望月家長女の恐子さんがお腹が空いて死にかけているという情報が!
鋳鶴は内心呆れながら家に向かいます
「しっ・・・死ぬ・・・・」
只今望月家では長女の恐子さんが栄養不足というか・・・
お腹が減りすぎて死にかけています
今は悶え苦しんでいる所です
「神奈ー!カップ麺まだー!?恐子が栄養失調で死ぬぞー!?」
恐子さんの様子を覗いながら内心心配そうにしているのは次女の安奈さん、
一応恐子姉だとか・・・姉さんとかつけましょうよ・・・
「ちょっとまってー!
あっ!お姉ちゃん駄目だよ!それは恐子お姉ちゃんのなんだから!」
「え~・・・私もお腹空いたもん・・・恐子姉ちゃんだけずるい~!
神奈~私も食べたいよぅ・・・」
今必死にカップラーメンを山ほど作ってるのは八女の神奈さんです
一番望月家ではまともだと断言できますね
そのラーメンを作ってる隣で自分のラーメンを確保しようとしているには七女のゆりさん
望月家では一番おてんば・・・とでも言っておきましょうか・・・
彼女は長女である恐子さんがひいきされていると思っているのでしょうかなり必死です
ーーーお姉ちゃん・・・可愛い・・・!
ラーメンそんなにほしいんだね!?
でも許して・・・お兄ちゃんに頼まれたの・・・ごめんね・・・・ーーー
「駄目だよお姉ちゃん?
恐子お姉ちゃん死んじゃうかもしれないんだよ?
だから我慢しようね?ね?」
「仕方ないなぁ~・・・神奈が言うなら我慢するよ~・・・」
どっちが姉だかわかりませんね~・・・
呆れたものです・・・
先ほどの一番まともは無かった事にしてください・・・
神奈さんは超がつくほどのシスコンでブラコンでした・・・
「恐子お姉ちゃん~?出来たよ?
早!もう5つなくなっちゃった!」
「もっと・・・もっと・・・飯を・・・・!
私に・・・!飯を~・・・」
顔が青ざめ呻き声をあげる恐子さん、もう死にそうです
「冴子姉は今日は帰ってこないって・・・
お兄ちゃんはまだなのー!?」
神奈さんはもう限界って感じです
その限界が爆発しかけた時玄関が開きました
「ただいま~・・・
今からご飯作るからあと5分まっててね~今日は朝つくっといたから~」
「お腹空いたよ~・・・ギターを弾く元気もないよ~・・・」
「鋳鶴っ!
怪我は大丈夫なのか!?
私は弁護士なんだ!最低限の弁護はしてやる!」
「飯・・・・・・・・」
「お兄ちゃん~・・・」
「神奈~・・・よく頑張ったな、兄ちゃんは助かったぞ?
みんなもありがと恐子姉今作るからね!」
「お・・・おう・・・」
労いの言葉に対して返事すら返すことすら難しくなっている恐子さん
ゆりさんと神奈さんの頭をなでなでしてあげています
それを見て黙々と料理を作り出す鋳鶴君、お母さんってあんな感じですよね~
今日のご飯はイタリア料理だそうです。
鋳鶴君は家庭科と体育が5段階評価のうち5なので運動神経は抜群ですし家庭的能力も子持ちのお母さん以上の腕前です。
ちなみに知識も豊富で人の体の仕組みや病気や健康の事などもお母さんが世界的なお医者さんなのでそういう事は言えにある本で憶えています。
家庭科の知識はいつも家事をしているのでまぁまぁ万全です
なんやかんやしているうちに
5分が経ちました
「今日はイタリア料理で~・・・もう食べてるし!
恐子姉はこっちのやつね?みんなのは食べちゃ駄目だよ?」
「わかっ・・・ている・・・!」
「お兄ちゃんおいしい~♪」
「いつものおいしい味だね♪」
「苦労をかけるな・・・
まぁ・・・母さんが帰ってこないのも悪いが・・・
あの人に料理させるよりはましだしな・・・」
望月母はどんな料理をするのでしょうか・・・
それにしても恐子さんはもの凄い食べっぷりです・・・
何㎏食べるんでしょうか・・・
妹二人と珍しく褒めてくれた安奈さん鋳鶴君にも笑みが溢れます
するとまた玄関の扉が開きました
「ただいまぁ~!穂詰ちゃんが帰って来たぞー!」
飲んだくれがやっと帰ってきました
「うわっ!酒臭っ!早くお風呂!早く!」
「仕事多くてさ~♪高橋ちゃんに押しつけちゃった~♪」
てへっ♪という感じを彷彿とさせるポーズをとる穂詰さん、
正直これを高橋さんが見たらブチキレそうです・・・
「梓はいつもの通り居ないと・・・
冴子姉と真宵姉は今日も帰ってこないか・・・
そろそろ帰って来てくれないかな・・・」
「そうだよね・・・みんな揃うことなんて中々ないもん・・・
お父さんが一番忙しいし・・・
みんなでご飯食べたいな・・・」
泣きそうになる神奈さん、恐子さんが神奈さんの頭をなで始めました
「私たちは普通の家族にはほど遠いしな・・・
まぁ・・・私はいつも帰ってくるからな・・・まぁ安心しろ・・・!
絶対全員揃って飯を食える日がくる・・・私がいうんだ信じろ・・・」
こういう時はちゃんと良いことを言ってくれる恐子さんなんとも頼もしいですねぇ・・・
そんな感動している話に浸っている中
あの飲んだくれが走ってお風呂から出てきました
「ちょっと!テレビ!テレビつけて!早く!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「テレビ?いいよ、わかった」
リモコンのボタンをおしテレビをつける鋳鶴君、
そこには眼鏡のお兄さんが映っていました
「えぇ~と・・・
娘達~ww元気かい~ww?
お父さんは生きていますよ~ww
えぇ~と、とにかく近いうちには帰れそうだから~ww
雅にもよろしく言っておいて~ww」
ニュース番組でカメラマンのカメラを奪い望月家の馬鹿親父は家族に自分の生存を報告していました
ちなみに・・・望月家の大黒柱は公務員です・・・
日本滅亡まじかです。
「おっ・・・親父・・・」
「頭痛くなってきた・・・私は寝る・・・」
「お父さん・・・何してるの!?」
「そんな事どうでもいいじゃん!神奈~お風呂はいろ~」
皿洗いをしながら親父さんが映っているテレビをみつめる鋳鶴君
恐子さんがやっとご飯を食べ終わりました
「恐子姉に食べてもらうとさ作りがいがあるね」
「私は・・・食い物は何でもくうしな・・・
それにお前の作る飯は正直言って旨い・・・悔しいがな・・・
あとは長男なんだからな・・・一応・・・
それにそのうち真宵と冴子も帰ってくるだおう・・・・
まぁ・・・嫌でもあの馬鹿のニュースは見ただろうしな・・・」
「神奈が一番苦労してるよね・・・
末っ子だし・・・・なにより神奈が一番家族を好きだしね・・・」
「そうだな・・・
私達は基本忙しい・・・
家には鋳鶴と神奈とゆりと私しか居ないこととかもあるしな・・・
安奈は弁護士、穂詰は陽明の代表校医、梓は留学中、真宵は軍に入っていて・・・
冴子は魔王科大将・・・
馬鹿は特殊公務員だし母さんは世界の医者だしな・・・帰ってこれないのは当たり前か・・・」
「僕がみんなを繋ぐよ・・・家族をね!」
偉いことを言う鋳鶴君、
頭の上に恐子さんの優しいチョップが落とされました
「じゃあ・・・頑張れ・・・
明日は白米倍増な・・・?」
「倍増!?お米なくなっちゃうよ!?」
「長男なんだ・・・それぐらいしてみせろ・・・♪」
恐子さんがいつもは
死んでいるような目が垂れ下がりそこには笑顔がうまれていました
「恐子姉が笑った・・・・!?
まぁ・・・一応頑張ってみるよ・・・」
今日もなにやら騒がしい望月家でした
第23話!いかがだったでしょうか・・・!
感想等頂けたらうれしいです!