知恵とともに民と歩む――「お前がこの国を背負うのか?」
これで一部終わりです!
1.王の対峙
玉座の間は、息を呑むほど静かだった。
長い列の先に、疲れ切った老王が座っている。
その前へ、アリアは一歩また一歩と進む。
「……アリアか。
よく……戻ってきたな」
「はい、父上。」
しかし――アリアは膝をつかない。
その瞬間、貴族たちが色めき立った。
「無礼だ!」
「王女殿下、跪かれよ!」
「反逆の意か!?」
ダリウスが一歩前へ出て、剣の柄に手を置く。
その冷たい眼光に、誰も続く言葉を失った。
アリアの声は静かで、しかし強かった。
「父上。
この国は、限界にあります。」
「……わかっておる。」
「では――なぜ、何もされなかったのですか?」
玉座の間が静まり返る。
王は弱々しく目を伏せた。
「……力が、なかったのだ。
王子の暴走を止められなかった。
私は……あまりに……」
「だからこそ――退かれるべきです。」
その言葉は、鋼より重かった。
貴族たちがざわめく。
「退位……!?王女殿下が……!」
「ここまで……やるのか……」
しかしアリアは揺るがない。
「父上。
どうか王位を降りてください。
この国を再び歩かせるために。」
沈黙。
長い長い沈黙。
やがて老王はゆっくりと立ち上がり――
玉座へ触れ、その手を静かに離す。
「……そうか。
そこまでの覚悟で、ここに来たか。」
「はい。」
王は深く息を吸った。
「ならば、余生を……第一王妃の縁者のいる
グランフィールで過ごすとしよう。
あそこは……心安らぐ土地だった。」
「ありがとうございます、父上。」
王はアリアに歩み寄り――
鋭い眼差しで、最後の問いを投げた。
「……だがアリアよ。
本当に、お前に王が務まるのか?
財政は破綻しかけておる。
王子は亡命した。
帝国も睨んでおる。」
一息ついた後、これまでとはうって変わって、
威厳のある態度でアリアに厳しく問うた。
「それでも……
お前がこの国を背負うのか?」
アリアは震え、言葉を詰まらせる。
だが――仲間たちの声が背中を押した。
「殿下は……もう、作ってきたじゃないですか。
民の心をつなぐという最も重要なインフラを。」
「王、向いてますよ。殿下。
描きますから。その未来、私が。」
「殿下、歌で人の心を動かせるって誰より証明してますって!」
「歴史上の名君は、覚悟した時に生まれます。
殿下はもう、その地点に立っていますよ。」
「わが剣はあなたの覚悟とともに」
アリアはゆっくりと顔を上げた。
「……はい。
私が、この国を背負います。
必ず……救ってみせます。」
老王は小さく微笑んだ。
「……ならば安心だ。
この王座は――お前のものだ。」
そして王座から身を退く。
アリアの前に、空席の王座があった。
2.歌姫の戴冠
その後のことは、すべてが光のように過ぎた。
貴族たちは動揺しながらも、民意と軍勢の圧力に屈し、
アリアの王位継承を承認した。
王冠がアリアの頭に載せられ――
新しい時代が始まる。
そして王城バルコニー。
広場は民衆で埋め尽くされていた。
「新王アリア様——!!」
「万歳!!」
「民と歩く王だ!!」
アリアは静かに前へ出る。
その横には――
•ハルト
•ミツキ
•コージ
•アヤ
そして両側に
•ダリウス
•ロッシュ
まさに 六つの柱 が王を支えていた。
アリアが深く息を吸い、
民へ向けて微笑む。
「みなさん……
これからも、共に歩きましょう。」
その言葉を合図に、コージが立ち上がる。
「陛下ァァァ!!
いきますよ——新王のための歌!!
国歌『知恵とともに With Wisdom』」
アリアが独唱する
一番:民と歩む(along with people)
知恵を武器とし 王歩む
道を選ぼう 民共に
力ではなく、声を聞き
共に築かん この国を
それに民が応える
二番:歩む王(King walks)
我ら支えん 歩む王
知恵ある声に 心寄せ
我らの願い 託しつつ
王は進まん 未来へと
最後に皆で
三番:われらあゆまん(We walk)
われら歩まん 知恵友に
声を合わせて 国を成し
王・民ともに 隔てなく
明日へ進まん 共にいこう
歌が響き渡る。
広場だけでなく——王都全土に広がる。
これは革命であり、誕生でもあった。
「民とともに歩める王」の誕生。
夕陽が王城を染める。
第一部・完。
ここまで歩んできた物語に
お付き合いいただきありがとうございました。
オタクが活躍するストーリーを書いていたはずが、
いつの間にか国歌が出来上がってました。
何が起こったのかわからない、恐ろしいものの片鱗を味わいましたね。
キャラが勝手に自走するってこういうことだなって。
さて、この国最大の問題が片付いておりません。
第二部はそこにどうけりをつけるかが課題となります。
もう書き終わっているので、すぐに始まります。
とりあえず一回一部完結タグをつけて、
2/1から再開しようかと思いますが、
一度予約したら予約解除できない、、、
ひょっとしたら予定を変えるかもしれません。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
もし時間があればブックマークや評価があれば私は喜びます。
たとえしていただけなくても、今後もお楽しみいただければ幸いです。




