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王子の決断――「反乱軍を潰すのに使うのだありがたく思え!」」

1.王都セレスティア

 王城横の王子の居館の執務室。

 ベルトランは苛立ちを隠さずに机を叩いた。

「なぜだ!

 なぜ援軍が来ぬ!!

 北方領クレイトンは何をしている!!」


「はっ……クレイトン公からの返書には……

 『前線維持のために兵を送った。

 兵はジェネラル・ロックウェルの指揮下にある』

 と……。」


「前線? そんなもの放っておけ!!

 この国は私の継ぐ国だぞ!!」


 側近は口を噤む。

 さらに報告が続く。


「東方の国境砦からも……

 兵糧不足につき、早急に援護を求むとのことです。」

 ベルトラン

「兵糧不足!?

 気合で何とかしろ――!」



2. 王との面会


 ついにはベルトランは、

 父王の私室前まで押しかけた。

「父上! 私の軍を侮る反逆者が出ているのです!

 このままでは王家の威信が――!」


 だが王は、薄い息をつきながら言った。

「……兄弟喧嘩に、構っている余裕などない。

 この国は今、外敵の脅威にあるのだ。

 お前たちの争いなど……どうでもよい……。」


「ど、どうでも……っ!」


 扉が静かに閉じられる。

「父上……!

 私が……王になるのだぞ……!?

 誰がこの国を守ると……!」


 側近たちは目を逸らした。



3. 王都守備兵だけは動かせる


その時、古くからの王子の側近が注進した。

「殿下。

 王都守備兵は……殿下の直轄です。

 この兵なら、動かせます。」


 ベルトランの顔が一気に明るくなった。

「そうだ!

 奴らがいるではないか!

 近衛の残党と、王都守備兵、

 そして徴収兵を加えれば……

 まだ二千……いや、三千は動かせる!!」



4.リバートンと農村の怪しい動き


 別の側近が駆け込む。

「殿下! リバートンが……出兵用意をしています!

 鉱山と何やら物流が増え、

 商業ギルドの馬車が王都へ来なくなりました!」


「ふん!

 あの田舎商人どもが姉上と組んで何をしようと、

 この王子には関係ない!!

 金が足りぬなら徴発すればよい!」


 そして――

 王子の最悪の行動が始まる。

 王都周辺の農村から、

 無理矢理に兵と物資を集めさせた。

 輸送用の馬、兵糧としての干し肉や穀物、

 動ける若者がいるとみるや徴収兵とし、

 さらには農具までも奪い取る


「殿下、今年の収穫が……!」


「黙れ。国のためだ!

 反乱軍を潰すのに使うのだありがたく思え!」


 兵が乱暴に麦袋を運び出すたび、

 農民たちの目は冷えていった。



5.ある地名を思い出す


 新たに集まった兵数はおよそ四百。

「ふぅ……合計二千七百。ようやく軍になった。

 あとは奴らを叩き潰すだけだ。」


 その時――

 一人の側近が地図を差し出した。

「殿下。

 どこで迎撃なさいますか?」


 ベルトランは地図を見下ろし、

 にやりと笑った。

「決まっている。

 オルド河原だ。」


「……あの地を?」


「昔、遠い昔……

 この国がまだ小さかった頃、

 守備側が勝ったと伝わる土地だ。

 縁起がいい。」


側近も同意する

「事実、平地が広うございます!

 近衛を含めた騎兵が活きます!!

 乾季だから川にもほとんど水はありません!!

 あれほど戦いやすい場所はございません!!」


 ベルトランは高らかに命じた。

「全軍、オルド河原へ進軍!!

 秩序を乱す者どもに、王家の力を見せつけよ!!」

ここまで読んでくださってありがとうございます。

基本は書き終わっていますが、今、あとがきで遊んでいます。

もし時間があればブックマークや評価があれば私は喜びます。

たとえしていただけなくても、今後もお楽しみいただければ幸いです。

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