急展開――「私たちは……あなたの決断を待っています。」
1.風雲急を告げる
投石機やバリスタの量産が始まり、
コージは軍楽隊の掛け声を作り、
ミツキは図面でインクまみれになり、
ハルトは輸送馬の配置で倒れそうになり、
アヤは締め切りに追われてキレかけていた――。
まさに革命軍の忙殺期である。
そんな折、
グランフィールの門番が血相を変えて駆け込んできた。
「た、大変です!!
三百名がこちらに寝返ると宣言して到着!!」
「!?!?」
ダリウスが即座に立ち上がった。
「……三百だと? 本気か?」
「はい!! 彼らは殿下の御旗のもとに参じると言っております!!」
アヤは驚愕に言葉を失った。
「え、ちょっと待って……
王都の兵、そんなに簡単に裏切っていいの……?」
「王都の混乱は相当らしいな……
王子の暴走で兵たちの士気は地の底だろう。」
アヤが計算を始める
「これで総戦力は……」
素早く紙に書き込む。
•鉱山三勢力+都市兵:2150
•新規寝返り兵:300
合計 2450
「援軍はいくら前線へ送られる予定だったんですか!」
「はい、1000送る予定のうち300が裏切ったとの報告がありました。」
「つまり、もともとの3000が2000に?近衛が300残っていても2300.
こちらの方が、王都守備隊より兵力が多くなっちゃった。」
「……本当に? 私たちがそんな大軍に?」
「ライブ会場が拡大していく……!」
「それは違いますコージさん!!」
ダリウスが分析を続ける
「敵国の動きも活発だ。
王都も崩れかけている。
もう、のんびり待っている場合ではないかもしれん。」
「……っ」
アリアの表情には明確な動揺があった。
自分が旗印にされている。
人々が動き始めている。
しかし戦を率いる覚悟はまだ持ちきれていない。
その時、アヤが立ち上がった。
2.アヤの戦略講義:天の時・人の和・地の利
「落ち着いて。
こんなときこそ、戦略の基本三要素で整理するの。」
ダリウスが尋ねる
「……三要素?それは歴史の知恵か?」
「そう。
天の時・人の和・地の利。」
手早く板に書く。
● 天の時
「王国と帝国が戦争で疲弊している、
その渦中に私たち召喚された四人が現れた。
これは偶然でなく天の後押しよ。」
「……そう言われるとロマンあるな。」
● 人の和(団結・大義)
「王都はバラバラ、王子は信用ゼロ。
王女であるアリアは、
鉱山で希望を示した。
リバートンでも、グランフィールでも、
あなたの歌が人を動かした。」
「殿下はもう完全に推しとして完成してます!!」
「黙れオタク。」
「わ、私はそんな……!」
「いや事実だ。殿下こそ我らの中心。」
● 地の利(地形・供給・位置取り)
アヤは続ける
「北方は中立。南は味方。
東は敵国が膨張中。
そして――」
アヤはハルトを指差した。
「最後に地理オタクのハルト!!」
「おーーーーーーーーい!!!
確かに地理大好きだけど!!
駄洒落じゃないんだ!!無理やりにもほどがある」
アヤはアリアと正面で向き合う。
「そう、地理オタクが世界を救うなんて無理やりです。
アリア殿下。
天の時・人の和・地の利が全部そろうなんて、
歴史では滅多にないです。物語の中だけです。
でも今は、少なくとも二つはそろっている。」
「…………」
「最後に必要なのは指導者の意思。
すべての条件がそろっているかなんて、意味がない。
歴史の英雄たちだって、
いつも不完全な状況で決断してきた。」
一歩近づき、静かに問う。
「殿下。
どうされますか?
私たちは……あなたの決断を待っています。」
3.アリア、ついに指導者として立つ
息が止まるほどの沈黙。
アリアは震えた手を胸に当て、
ゆっくりと皆を見回した。
鉱山で汗を流した仲間。
リバートンで理解を示した人々。
グランフィールで未来を描いた者たち。
そして――異世界から来た四人の若者。
「……私を……支えてくれた皆さん。
私は、もう逃げません。」
深く、深く頭を下げる。
「どうか……
あなたたちの力を貸してください。
一緒に、この国を守りましょう。」
その瞬間、
部屋の空気が変わった。
ダリウスは恭しく膝をつく。
「殿下。
私の剣は、あなたと人々のために。」
ルークスも胸に手を当てて答える
「私も、命を預けます。」
ハルトは力強くうなづく
「もちろんだよ。殿下。」
ミツキは涙目になる
「うん……命令も、武器も、全部描くね……!」
コージが絶叫する
「殿下ァァァァァァァァ!!!!
推しが覚醒する瞬間を生で見られるなんて!!!」
アヤは冷静に答える
「うるさいぞオタク。
……でも、私も殿下と戦います。」
アリアは涙をこぼしながら微笑んだ。
「ありがとう。
必ず、勝ちましょう。」
こうしてのちに歌姫革命と呼ばれる革命における
最後の幕が上がった。
「地理オタクが世界を救うなんて無理やりです。」
これについて釈明しておきます。すでに何度かネタバレしているように、
本来、地理オタクが担う役割を歴女のアヤに担わせています。
ですから、地理オタクなら本来リバートンとグランフィールを救う提案ができたのです。
ここは話を面白くするため、あと天地人のネタを考えた際にあえて言わせてみました。
文系鉄オタは、なぜそこに線路が引かれたか、それがどうなったかに興味も持ちます。
『鉄道ゲージが変えた現代史』という本があるくらいなので、歴史も政治も経済もかなり興味を持ちます。
まあ、ぶっちゃけ、アヤとハルトは鉄オタである私の文系部分と理系部分を分離させた存在なので、
地理も歴史も私は大好きです。
ということで、本当だったあり得た未来。
ハルト「なんかもともと主人公だったのに枠がとられて俺不憫」
アヤ「なんか私、解説ポジ、嫌われポジ、おまぬけポジ。私のほうこそ不憫」
アリア「お、お二人の活躍には感謝しております。そんな不憫不憫言わないで」
ハルト「後から出てきた、思いつかれたキャラなのに、いつの間にやらタイトル乗っ取るし!」
アヤ「そうよ、本当だったら、私こそ美人軍師枠で一番人気取るはずだったの。
あなたのせいでこんな地味で嫌がられるポジションになったのよ!」
ハルト+アヤ「フュージョン」
鉄オタ「次回 鉄オタ革命史 鉄オタの下克上――スキル産業革命で王国を乗っ取れ」
ミツキ「アヤちゃん、ハルト君をとらないで――――」
コージ「お、おれは?とりあえず、魔法に勝てる歌でも考えとくー」
アリア「お二人がラスボス??いやーーーーー」
ここまで読んでくださってありがとうございます。
基本は書き終わっていますが、今、あとがきで遊んでいます。
もし時間があればブックマークや評価があれば私は喜びます。
たとえしていただけなくても、今後もお楽しみいただければ幸いです。




