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グランフィールのマルクス ――「我らは味方できない。だが、取引ならできる。」

いよいよグランフィール編本格スタートです。

1.門は開く。だが空気は冷たい

 農業都市グランフィールの城門前。

 豊かな麦畑と巨大な穀物倉庫を背に、

 一行は領主マルクスへの面会を申し出た。


 しばらくしたのち、領主の館から使いが戻ってきた。

 その使いからの伝言を聞いて、

 門番は深く頭を下げる。

「アリア殿下……

 ようこそ、農業都市グランフィールへ。

 領主様がお待ちしております。」


「ありがとうございます。」


ルークスがほっとする

「……門前払いではない、か。」


 だが案内の兵たちの表情は、

 どこか固く、緊張感があった。



2.領主マルクスとの対面


 領主館の広間。

 領主マルクスが重々しく席に座っていた。

 五十代後半、

 質素ながら威厳のある服装。

 額には深い皺、

 穏やかな目だが迷いの影があった。


「……よくぞお越しくださいました、アリア殿下。

 あなたの母君――エルメア殿下には、大いに恩がありました。」


「母のことを覚えていてくださり……ありがとうございます。」


「ええ。しかし……」

 マルクスの表情が曇る。

「現在の国王陛下の忠臣として、

 あなた方の味方になることはできません。」


「……やはり、そうなりますか。」

 緊張が走る。



3.エリアスが商人としての道を拓く


 その場の空気が重くなったところで――

 エリアスが一歩前に出た。

「領主殿。

 私たちは同盟の強要に来たわけではありません。」


「……ほう?」


「取引がしたいのです。」


「取引……?」


「殿下や4人の知恵で、

 あなた方の抱える問題の一つでも改善できるなら、

 その対価として、

 彼らに必要な食料や支援を商業契約として提供していただく。」

 ロッシュに仕込まれた商人の論理が冴える。

「政治的同盟ではなく、

 利益と契約による結びつきです。

 王家に対する裏切りにはなりません。」


 マルクスの眉がぴくりと動いた。

「……ふむ。

 確かに商業契約なら、我らの立場も守れる。」


「もちろん、私たちは義務も責任も負います。」


「リバトーンの現状を救った、

 鉱山を改善した知恵を最大限提供させていただきます」


「……よかろう。

 では一つ、我々が抱える問題を聞いてもらおう。」



4.グランフィールの深刻な問題


 マルクスは地図を広げた。

「我らが最も悩まされているのは……

 山岳民族による襲撃と妨害 だ。」


「山岳民族……?」


「国境付近の山地に住む一族だ。

 つい最近まで交易も活発だったが、王都の圧政で関係が悪化し、

 今では敵対勢力と言ってよい。」


「どんな被害があるんですか?」


「最大の問題は――」

 地図の川筋を指す。

「上流の取水口を破壊されることだ。」


「……水を止められたら、農地が……!」


「そう。農作物は枯れる。

 水車も止まり、製粉もできん。

 彼らは狙いが正確すぎる。」


「なぜ、今そんなに激しく?」


「国内が乱れれば、地方の防衛も弱る。

 彼らは今が好機と見て襲撃を増やしている。」


「……王都が乱れた影響が、ここにも及んでいるのですね。」


「我らは防衛に追われ、農業は疲弊し、

 このままでは食料供給まで崩壊しかねない。」


「……これは……深刻ですね。」


 アヤは真剣な目で地図を見ていた。

「取水口が破壊される頻度は?」


「ここ数ヶ月で七度。」


「そんなに……!」


「……そこで聞きたい。」


 領主は一行を見据えた。

「何か良い策はないか?」



5.「まず見なければ始まらない」


 まずハルトが応えた

「地形次第で、取水口の防護や改良はできますが……」


 ミツキも不安そうに考える

「図にしてみないとなんとも……!」

「僕たちが現場を見る必要がありますね

 領主殿、見学を許可していただけませんか?」


「……よかろう。

 案内兵をつける。

 明日の朝、取水口へ向かえ。」


「ありがとうございます。

 必ず……お力になります。」


「期待している、殿下……いや、エルメア殿下の娘よ。」

 その言葉は、温かくも、どこか試すようでもあった。


 そこにおずおずとアヤが提案した

「あの、私は町に残って見回っていていいですが?」


「ほう、なぜいっしょに行かぬ」


「街の雰囲気から、ひょっとしたらなにか提案できることがあるかも、、、」


 みんなは心の中で突っ込んだ

(絶対観光したいだけだ)


「あ、それなら僕も残らせて、町がどんな雰囲気か知っておきたい」

(町で歌いたいだけじゃないのか?)


「わが都市の治安は良いぞ。すきにするがいい」


「「ありがとうございます!!」」


6.各自の思い

 こうして一行は、

 グランフィール最大の問題である

 山岳民族の襲撃

 を直視するため、

 翌朝現場へ向かうことになった。


「さあ……ここからが本番です。(何が食べられるかな?)」


「この川なら鉄橋はトラス橋?悩むな……!」


「水車の構造、スケッチしたい……!」


「農業都市ライブ……どこならできるだろう……!」



「(こいつら本当に頼りになるのか……?)」

 とルークスは内心不安に思っていたが、

 大人だったので顔には出さなかったと思っていた。

 実は顔に出ていたのだが、4人は気にしていなかった。


 アリアは胸に小さく決意を秘めた。

「必ず……この街を救います。」

ここまで読んでくださってありがとうございます。

基本は書き終わっていますが、今、あとがきで遊んでいます。

もし時間があればブックマークや評価があれば私は喜びます。

たとえしていただけなくても、今後もお楽しみいただければ幸いです。


2026/1/1の投稿になるはずです。

あけましておめでとうございます。

あと一か月程度。皆様、ごゆるりとお楽しみください。

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