農業都市への道中 ――「妙にうるさい」
1.オタク四人の珍道中
リバトーンを出発して半日。
街道は緩やかに南へ上り、農地が広がり始めていた。
だが――
一行の空気は妙にうるさい。
◆ハルトは鉄道と土木に全振りでテンションMAX
「この川と河原の角度……すごいな。
ほら見てくださいよ!この斜面と川の位置関係!」
アリアにとってままさしく異世界の話
「え、えっと……はい……?」
「あと農業都市への道、この勾配なら、もし鉄路を敷くなら……
初期の蒸気機関車でもいけるな。
途中、村はあまりないからまずは貨物列車中心で……」
ルークスは心の中でつぶやいた
(坂道でなぜ興奮できる……?)
◆ ミツキは風景画を描きたそうにしている
「うわ……このいかにも農村って風景。
陽の角度が完璧……!これ絶対描きたい……!」
そういって画材を取り出そうとするので、
アリアはやんわりと止めに入る
「ミツキさん、すみません、行程がありますので……」
「線だけ!線だけ描かせてください!!5秒!!」
「いや、あの、はい……」
◆ コージはアリアをプロデュースし始める
「殿下、農業都市での初ライブ……いや、初挨拶は
笑顔7割、声量3割ですよ。」
「ら、ライブ……?」
「殿下は歌姫としてすでに完成度が高いんです!
農民層への訴求には誠実系アイドル路線が最適ですね!」
「誠実……系……?」
エリアスもさすがにあきれている
(推し?アイドル?……意味が本当にわからん……)
◆ アヤは完全に観光モード
「わぁぁぁ!!麦畑ってこんなに広いんだ!!
家畜もいっぱい。あ、名物って何があるんですかね!!
麦料理?それともチーズかなぁ。何チーズなんだろう」
ルークスからしたら何が珍しいのかわからない
「チーズはさすがにあると思いますが……」
「やっぱりあるんだ!ねぇ。ワインは?
ほかには何があるの?」
エリアスはこの子たちに託して大丈夫なのだろうかと少し不安になった。
(この子……ただ飲みたいだけ……?)
2.ふとした気づき
ミツキが田舎の納屋を見て言った。
「この梁の組み方……結構本格的ですね。
納屋が独立しているのもお金持ちっぽい。
全部じゃないけど……」
ハルトもそれに応じた
「道幅も妙に広いし……用水路も発達してるし……」
それを聞いてアヤが思い出す。
「そういえばヨーロッパ社会史の講義で聞いた!
その技術ツリー、中世と近世の間くらい!
思ったより高い……!」
エリアスが不思議そうに尋ねる
「そちらの世界とこちらの世界の関係はわかりました
そうだとして……
それは有利なんですか?不利なんですか?」
アヤがそれを聞いて回答する。
「技術が高ければ、いろいろな提案が通る可能性あります!」
「そうだ!将来は鉄道も夢ではない!ロケット号!!」
「「「何でも鉄道にもっていくな――――」」」
あまりものはしゃぎっぷりにルークスは鉱山にいたときの
4人を思い出していた
(何の力もない若者が、、、あの時はみんなおびえていたのに、、、
今ではこんな笑顔で、我々の力に。。。
だがさっぱり意味が分からん!異世界人恐るべし。)
エリアスも心の中でつぶやいた
(この四人……なにがここまでの情熱を呼び出しているんだ……
これが異世界では普通なのか?)
異世界に対する少しの誤解と4人への理解が深まったところで、
いよいよ目的地にが見えてきた。
3.農業都市の姿が見える
やがて視界が開け、
巨大な穀物倉庫と広大な城壁が見えてきた。
アリアが真っ先につぶやいた
「……あれが農業都市グランフィール……!つきましたね」
それに対して四者四様の返事が返ってきた。
「楽しみだねぇ!!何が食べられるんだろう。
山も近いから山の幸もありかな?」
「あの城壁と後ろの山々が夕日に映えてきれい!
ここで描いていい?」
「駅は城壁の中に作るべきか、、、、
外に作るべきかそれが問題だ、、、」
「まずは広場で歌……!」
「「「歌わない!!!」」」
町の城郭に入るまで4人の興奮は止まらなかった。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
基本は書き終わっていますが、今、あとがきで遊んでいます。
もし時間があればブックマークや評価があれば私は喜びます。
たとえしていただけなくても、今後もお楽しみいただければ幸いです。
2025/12/31の投稿になるはずです。
12/1からは始まったこのものがり、ほぼ中間までやってきました。
これからは今までと比べて比較にならない大事件が増えてきます。
ぜひお楽しみください。




