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鉱山決戦決着――「俺たちは仲間であろうとした。」

4回続いた鉱山決戦!いよいよ終わりを迎えます!

1最後の掃討戦——誇りと忠義の衝突

 ダリウスとルークスの檄が飛び、

 鉱山側の本隊が総突撃を開始した。


 混乱する近衛の残党は次々と叩き伏せられ、

 戦いの終わりが誰の目にも見え始める。


 坑夫たちは一斉に声を出し襲い掛かった。

「追い出せ!!」

「ここはもう俺たちの山だ!!」


 山全体が勝利の気配に満ちた——

 そのときだった。


 ヒュッ——!

 刃の風を切る音。


 ルークスが目を見開いた。

「ダリウス、後ろ!!」


 ダリウスが振り返ると、

 岩陰から現れた数名の近衛兵が一斉に突撃してきた。


 その先頭には、

 彼が長年率いてきた 元部下の隊長格 がいた。

 男の目は血走っていた。

「——ダリウス!!

 お前だけは許せん!!」


「……まだ生きていたか。」


「裏切り者が!!

 我ら近衛の誇りは、

 逃げ道を残す卑怯者に従うことなどない!!

 ここで討つ!!」


 剣が閃き、

 ダリウスの胸を狙って振り下ろされる。


(まずい——!)

 だが、迎撃に回るには遅すぎた。

 刃は直撃する——はずだった。


 ザシュッ!!

 飛び込んだ影が一人。


 鉱山でダリウスを陰で支えてきた部下だった。


 男は震える手で刃を押さえ込み、

 血を流しながら笑う。

「副将……これで……

 仕事は……できたでしょう……?」


「なぜ……! なぜお前が……!」


「家族の……ところに……

 先に……行きますね……」


 そのまま、静かに息が途切れた。


 近衛の隊長は叫ぶ。

「なぜだ!!

 なぜ鉱山上がりが助ける!?

 俺たちは何だった!!」


 ダリウスはゆっくりと立ち上がり、

 涙をこらえながら剣を構えた。


「……お前たちは、誇りに溺れた。

 彼は、、、俺たちは仲間であろうとした。」


「ほざくな!!!」

 怒号と共に、男が突撃してくる。


 ダリウスはただ一太刀——迷いなく振り抜いた。

 ギンッ!!!

 ザシュッ!!


 その一戦は間違いなく致命傷を負わせた。


 倒れた男が、最後に呟く。

「……俺の……首で……

 残った部下たちの命は……助けて……やってくれ……」


「……約束する。」


 男は満足そうな顔のまま、静かに崩れた。



2.勝利と、背負うもの


 静まり返る戦場。

 坑夫も護衛隊も、言葉を失っていた。


 ハルトがつぶやく

「……こんな……最後の最後で……」


 ミツキが同情する

「ダリウスさん……」


 アヤも戦いの真実を知る

「戦いって……本当に残酷。」


 コージとアリアは祈るように目を閉じた。


 ダリウスはしばらくその場に立ち尽くし、

 亡骸に手を当ててからゆっくりと立ち上がった。


 日の光が、血の染みた剣を照らす。

 そして、

 振り返った彼は肺の底から声を絞り出した。

「——勝ったぞォォォォォ!!!」


 これは歓喜ではなく、

 仲間の死を背負った覚悟の叫び。


 坑夫たちは涙まじりの声で叫び返す。

「うおおおおおお!!!」

「鉱山の勝利だ!!!」

「ダリウスーーー!!!」

 こうして鉱山は自由を勝ち取った。



3.王子、細い退路を抜けて敗走する


 そのころベルトラン王子は、

 細く残された退路を側近とともに何とか突破した。


 泥まみれ、砂まみれ、糞尿まみれ——

 誰が見ても敗残兵。


「くそ……くそ……!

 全部奴らのせいだ……!!」

「殿下、まずはリバトーンへ……!」


 リバトーンに着くなり、

 王子は門前で怒鳴った。


「医療品を全て出せ!!

 民間の倉庫でも構わん!!」


 街の薬屋や診療所が叫ぶ。

「やめてくれ! 市民が死ぬ!」

「赤ん坊の薬まで奪うのか!!」


 だがその声に近衛たちは構わない

「黙れ!! 王子命令だ!!」


 市民の目は一瞬で王子の敵を見る目に変わった。


 さらにベルトランは領主ヘイデンの館へ乗り込んだ。

「食料も出せ! 兵の治療もだ!

 街から徴発しろ!!」


「は、はいぃぃ殿下!!」

 その命令で街に再び混乱が走る。


 市民たちの怒りは頂点へ。

 通りのあちこちで声があがる。

「近衛隊は何しに来たんじゃなかったのか!」

「領主も王子も略奪者だ!!」

「もう……王家なんて信用できない!!」


 そのとき、誰かが小声で呟いた。

「……これはもう反乱前夜だな。」


 その声はさざ波のように街に広がっていった。



 4.王子、王都へ逃亡


 医療品を使い切っても兵は立ち直らず、

 市民の怒号が街を包む。


「殿下、もう長居は危険です。

 兵の半数が動けません。」


「知らん!! 動ける者だけ連れろ!!

 父上に訴える!!

 あの鉱山を焼き払ってやる!!」


 けがをして動けない味方まで見捨てる姿を見て市民があきれる

「見ろ、兵を置き去りにして逃げていくぞ!!」

「王子なんかじゃない!! 災厄だ!!」


 王子は憎悪を背に受けたまま、

 王都へと逃げ帰っていった。


鉱山決戦:

 鉱山側も最後の掃討戦で数名の死者を出し、

 途中の熱砂でのやけどや山をかけている最中の滑落など

 重症・軽症者を含めて、それなりの犠牲はあった。

 だが、どちらが勝者であるかは明らかであった。

ミツキ「アヤちゃん、よくこれだけのこと思いついたね?」

アヤ「思い出したのよ、

   埋もれた英雄さんが学んだという英雄のことをね」

ミツキ「どんな人だったの?」

アヤ「圧政に苦しめられた人たちを率いた英雄。

   落ち延びた偉い人を都に返す手伝いをした人」

ミツキ「それって私たちとアリアさんに似ているね。」

アヤ「うん。でも、その偉い人は勝手な政治をして、

   結局もう一度都落ち。私たちはそうならないようにしないとね」

ミツキ「そうだね」

アヤ「次回 歌姫革命譚 アリアの新政 知恵が支える新たな国造り」

アリア「私もちゃんと異国の歴史に学んで頑張ります」


ここまで読んでくださってありがとうございます。

基本は書き終わっていますが、今、あとがきで遊んでいます。

もし時間があればブックマークや評価があれば私は喜びます。

たとえしていただけなくても、今後もお楽しみいただければ幸いです。

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