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リバトーンでの近衛 ――「町の者ども、道を開けろ!」

1.商業都市リバトーン――近衛隊、到着

 街道を進んできた近衛部隊は、

 ついに商業都市リバトーンへ入った。


 白い外套を翻し、

 黄金の紋章を掲げた精鋭たち。

 だが、その実態はすぐに露わになる。


 「町の者ども、道を開けろ!」

 「王子殿下のご下命である!」


 住民たちは慌てて道の端へ避けた。

 その顔は不安と怯えに満ちていた。


2.思ったより物資が足りない

近衛隊長は街の倉庫を確認し、眉をひそめた。

「……少ないな。

 王都の報告では、もっと蓄えているはずだったが?」


副官が答える。

「商業ギルドの保管物は契約品が多く、

 勝手に持ち出せない様子で……」


隊長は舌打ちする。

「では、徴発しろ。

 民家からだ。」


「はっ!」


騎兵たちは街へ散り、

家々の扉を容赦なく蹴破った。

「開けろ! 食料を出せ!」

「寝具も必要だ! 持っていく!」


「やめてくれ!」「うちには子どもが……!」


「黙れ! 国家のためだ!」


住民の悲鳴が広がる。


挿絵(By みてみん)


3.町中での前祝と狼藉

その夜。

城館の前庭では、

近衛たちが持ち寄った酒と食材で勝利の前祝を始めていた。


「どうせ鉱山の連中など、一掃して終わりだろう?」

「向こうに残った護衛隊は200人だとよ。

 左遷組がそれだけしかいなくてどうするつもりだ?」

「伝説の副将、たって何年前の話だって。

しかも指揮する相手はポンコツだろ。」

「王女の影武者だか本物だか知らんが、簡単に捕まるさ!」

「その後は褒美だ! 楽しみだな!」


酒は豪快に飲まれ、

余った食料は平然と地面に捨てられる。


町の通りでは、

兵が酔った勢いで商店を荒らし、

女たちに絡み、

路上で喧嘩を始める者までいた。


「近衛隊が……」「こんなこと……」

「領主様は何をしておられるんだ……!」


住民の怒りは

着実に燃え上がっていった。



4.領主ヘイデン・グラフトの無能さ


その一方で、

領主邸では愚かな笑い声が響いていた。


「はーーーーっはっはっ!!

 さすがは近衛の皆様!

 どうぞ好きなだけお使いください!!

 このリバトーンは殿下の勝利のためにあるのです!」


使用人は顔をしかめ、

控えている文官たちは目を伏せる。


ヘイデン・グラフトは続けた。

「町人どもが騒いでおる?

 ほう、おかしな連中だ。

 暴れたら領主軍で叩き伏せろ!

 王子殿下のご機嫌を損ねるな!」


領主軍は、

自国民に刃を向けることを命じられた。


兵たちは露骨に嫌そうな顔をするが、

命令には逆らえず黙ったまま外へ出ていく。



5.商業ギルドの本音と建前


同じ頃、

商業ギルド本部では、

ギルド長ロッシュとエリアスが窓の外を見下ろしていた。


通りでは、

兵による暴行、略奪、騒ぎが果てしなく続いている。


エリアスが小声で言った。

「……領主も近衛も、やりたい放題ですね。」


ロッシュは淡々と答える。

「想定通りだ。

 だが、動くな。

 商人は中立を崩すな。」


「しかし、このままでは街が……」


「我々の役目は情報と契約相手を守ること。

 内政干渉ではない。」

ロッシュは書類を一枚差し出す。

「それに、エリアス。

 我々のクライアントは誰だ?」


「鉱山……ですね。」


「そうだ。

 契約相手の情報は守る。

 だから——」


ロッシュは窓を閉めた。

「鉱山に近衛の暴動状況をすべて伝えろ。

 表向きは領主と近衛に従うが、

 本音は商人は自分の利益しか信じない。

 忘れるな。」


エリアスは深く頷いた。

「……はい、ギルド長。」


こうして、

ギルドから鉱山への情報援護は

密かに続けられた。

次回からいよいよ戦闘開始です!


ここまで読んでくださってありがとうございます。

基本は書き終わっていますが、今、あとがきで遊んでいます。

もし時間があればブックマークや評価があれば私は喜びます。

たとえしていただけなくても、今後もお楽しみいただければ幸いです。

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