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粉挽き地獄 ――「重すぎる石臼と役立たずの下働き」

謎の美女が苦しんでいます。

誰が助けるのかな?

1.うまく回る鉱山、まわらない炊事場


 新型トロッコが順調に活躍してから数日が経った朝。

 鉱山内は以前より作業音が軽くなり、

 事故も減ってどこか和やかな雰囲気が漂っていた。


 だが、どれほど運搬が改善されても――

 炊事場の地獄はそのままだった。


「ハルト、ミツキちゃん、コージ! 来てください!!

 炊事場がもう回らないんです!!」


 呼びに来たのは、炊事場の古株の女性。

 息が上がっていて、相当切羽詰まっているようだ。


「炊事場で何かあったんですか?」

ミツキが不安げに聞く。


「粉です! 粉挽きが追いつかないんです!

 人手が足りなくて飯が作れないんです!」


 三人は顔を見合わせ、急いで向かった。


 

2. 炊事場――そこは惨状だった


「うっ……こ、これは……」

 炊事場に入った瞬間、

 ミツキとハルトは目を丸くした。


 巨大な石臼が二人がかりで回されているが、

 力が足りず全く動いていない。


 周りでは数名の女性たちが、

 麦を運んだり水を汲んだりと右往左往している。


 そのなかに、

 ボロ布のような服を着た、“数日前に来た下働きの娘”もいた。

 この数日、慣れない作業をなんとかこなそうと頑張っている。


 だが――

「うっ……す、すみません……!

 力が……入らなくて……!」


「気にすることないのよ、あなた!

 この石臼が悪いの、重すぎるのよ!」


(あの子、本当に頑張ってるんだな……)

ミツキはそっと胸の内で思った。

 

3. ハルト、状況を観察する

「これは……効率が悪すぎる」

 ハルトは石臼に近づき、数分間じっと観察した。


 麦を挽くための石臼は、

 本来なら三、四人で力を合わせて回すが――

 今は人手不足で二人だけ。


 そして昨日も、 その前の日も、

 この娘たちは“粉挽き地獄”に苦しんでいた。


 だが、ハルトの顔には別の光が宿る。

「……これを人力でやる必要は、まったくないんだよ」

 


4. コージは励ます役に回る(あるいは鼻を伸ばす)


「あの……大丈夫ですか?」

コージがおそるおそる声をかけた。


 粉まみれの娘は、

 汗を拭いながら弱々しく微笑んだ。


「わたし……本当に……手伝いに来たのに……

 何も……役に立ってなくて……」


「そんなことないよ!」

コージは慌てて言った。


「僕なんて来た初日なんにもできなかったからね!?

 石拾っても間違えるし、ロープ触ったら怒られたし……」


「それ、今日もじゃない……?」

ミツキが小声で突っ込む。


「うっ……今日も若干怒られた……!」


 女性は思わず笑ってしまった。

「ふふ……ありがとうございます」


 コージが誰よりも自然に寄り添えるのは、

 “自分も落ちこぼれだった”からかもしれない。


(……コージくん、すごいな……)

ミツキは思わず感心した。

 

5. “水車”の着想が形を取る

 ハルトは石臼を触りながら言った。

「……回すのに必要な力は大きいけど、

 回転さえすれば、あとは勝手に粉になる。

 つまり……動力さえあればいい」


「どういうこと?」

ミツキが近づく。


「水の力を使うんだ」


「水……?」


「水車。

 水流で車輪を回して、その回転を石臼に伝える。

 これなら、人が押す必要はなくなる」


 ミツキの目が一気に輝く。


「図にして説明してくれる?」


「もちろん!」

 ミツキは紙を広げ、

 ハルトが説明する構造をどんどん描いていく。

・水路の位置

・落差を利用した縦型の水車

・車軸と臼をつなぐ簡易ギア

・臼の回転速度の調整方法


「すごい……!」

粉まみれの女性が絵を見て目を丸くする。


「これなら……わたしたちでも……」


「あなたたちが挽く必要はなくなるよ」

ハルトは言う。

「この水車が動けば……粉は“勝手に”できる」

 

6. ディランとルークスが来る

 背後から、静かな声が聞こえた。

「ハルト……また何か作る気か?」


「ディランさん!」


 ディランが図を見て目を細める。

「これは……動くのか?」


「動きます」

 ハルトは即答した。

「そしてこれは、炊事場の負担を激減させます」


 そこへルークスも姿を見せた。

「……なにやら騒がしいと思ったら……

 また“図”が出てきたのか」


「ルークスさん、この水車ができれば、

 炊事場の負担が一気に減ります」

ミツキが言う。


「粉挽きは重労働ですし……

 女性たちも限界で……」


 ルークスは周囲を見渡し、

 粉まみれで汗を流す娘たちを見つめた。

(……こいつらは罰としてここに送られてきたにしても……

 これは……あまりにも……)

 そして彼は言った。

「……よし。

 人手を集めろ。

 水路の整備と車輪の材料を確保する。

 ディラン、お前が監督しろ」


「了解した」


「ハルト、ミツキ、コージ。

 お前たちの案なら……試す価値はある」

 

7. 一筋の光が差す

 粉まみれの“下働きの娘”は、

 ミツキたちに深く頭を下げた。

「ありがとうございます……

 わたし……何もできていませんが……

 これなら……皆さんのお手伝いが……少しは……」


「無理しなくていいですよ」

コージが言う。

「僕もまだ全然役に立ってないしさ。

 一緒にがんばろ!」


 女性の顔に、小さな笑みが戻る。


 ミツキも優しくうなずいた。

「わたしたちは……ここを良くしたいだけですから」


 

8. 静かに始まる、水車革命


 ハルトは図を抱えて言った。

「よし……水車、作るぞ」


 ディランは頷く。

「これが成功すれば……

 また一つ、人を守れる」


 ルークスは腕を組んだまま、小さく息をついた。

(……こいつらは……どれだけ鉱山を変える気だ……?

 だが……そんなことしても)


 こうして、

 粉挽き地獄を終わらせる“水車革命”が静かに動き始めた。

鉄オタでなんで水車と思うかもしれませんが、

鉄道を電「車」という人が多いように、

鉄オタは「車」に普通に興味を持ちます。

なんなら交通機関ならすべて、自動車・船・飛行機・宇宙船まで興味を持ちます。

ということで、彼らが有能と気づいていたらならこういう未来だったんです。


ハルト「風向きからして、滑走路はこの方向だ。

    この長さなら爆撃機「歌姫」を十分離陸させられる。」

ミツキ「歌姫の設計終わりました。すぐにでも作れます」

謎の美女「爆撃機歌姫発進準備できました。いつでも飛び立てます」

王子「よし、歌姫、発進、敵を蹴散らせ!」

コージ「私の推しはパイロット」


謎の歴女「次回 歌姫革命譚 爆撃機歌姫発進----空から響く破滅の音

     って、歴史考証めちゃくちゃね」

ロッシュ「せめて油田を発見してからだな――」

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